芙蓉の書-成均館スキャンダル屋根部屋のプリンス3days二次小説

JYJユチョン主演の韓国ドラマドラマ「トキメキ☆成均館スキャンダル」「屋根部屋のプリンス」「スリーデイズ(3days)」の二次小説ブログです。
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【スリーデイズ 二次小説】カスタードパイ  

3days(スリーデイズ)読切

I chew on a piece of your custard pie.

- Robert Plant

君のカスタードパイを、一切れ、齧るんだ。

- - - - - - - -

ボウォンが前から行きたがっていた、ケーキが美味しいと評判のカフェで、彼女はシンプルなカスタードパイを注文した。
テーブルに運ばれたパイの甘いバニラの香りが、カフェの窓から吹き込む秋風に乗って、テギョンの鼻孔に届いた。
カスタードクリームは苦手だ。
もともと、甘いものを積極的に食べるタイプではないが、カスタードクリームはことさら苦手なのだ。
クリームの癖に粘り気があるのがまず嫌いだし、飲み込んだのに喉にこびりつく感触が残っているのも嫌いだし、粘り気があるせいで、舌の上で全く溶けずに甘味を主張するのも嫌いだ。
「ホイップクリームは?」
「ホイップクリームは平気」
「これ、ホイップクリームも混ざってるから、食べてみて。ほら」
差し出されたフォークの上のパイを避けるべく、顔を後ろに引いたが、軽い後味のホイップクリームが混ざっているのだったら或いは、と思い直し、口の中に入れた。
パイを齧った途端に、パイ生地から飛び出したクリームに顔が歪む。
ホイップクリームが何とかしてくれるなんて思った自分が馬鹿だった。
カスタードクリームの確固たる主張は、ホイップクリームが太刀打ち出来るものではなく、ねっとりとした甘みが、十分過ぎる時間をかけて、喉を下がって行った。
「無理?」
「無理。グレープフルーツをもらうよ」
ボウォンの手からフォークを抜き取り、パイの付け合わせのグレープフルーツを口に放り込む。
ボウォンは、全部食べて、と皿ごとテギョンに押し付けた。
彼女は、甘くコーティングされた果物が好きではない。
食べられないわけではないけれど、そのままの果物のほうが美味しい。と、言うことらしい。
「ちょうどいいね」
「うん?」
「私が嫌いなものと、テギョンさんが嫌いなものが別々だから、ちょうどいい」


* * * 

食べられる物と嫌いな物が一致しないから、ちょうどいい。
そう言ってみたら、テギョンは、喉の奥で小さく笑った。
「分業みたいだ」
まだカスタードの感触に顔をしかめているテギョンは、冷めたブラックコーヒーを流し込んでいる。
そして、カップから口を外したら、まったくロマンチックじゃない表現で、ボウォンの発言を言い換えた。
確かに、カスタードパイをボウォンが食べて、果物をテギョンが食べるのは、分業と言えなくもないけれど。
この調子だと、テギョンが左利きでボウォンが右利きであることに、実はボウォンがときめいていることにも、気付いていなそうだ。
“ちょうどいい”ことに、ときめいてしまう女心に。



三人分は軽く平らげるテギョンの食事は、テーブルに、大皿がいくつも並ぶ。
大皿に箸を伸ばす時、ボウォンにとって右側にあるお皿のほうが、取りやすい。
だから、メインディッシュは右側にあって欲しいのだけれど、普通、向かい合う人は、ボウォンの左側に皿がある方が取りやすい。
でも、向かい合うテギョンは左利きだから、テギョンにとって、ボウォンの右側、要するにテギョンの左側が都合がいいのだ。
他にもある。
手をつなぐ時、ボウォンは必ずテギョンの右側に並ぶ。
テギョンの右手とボウォンの左手を繋げば、互いの利き手は自由だ。
だから、ちょっとしたこと――例えばポケットに入れた携帯電話を取りたいとか――をする時に、手を繋いだままでいられる。



「テギョンさんは、ケーキを頼まないの?」
「フルーツをもらったから、今日はいいや」
「分業だね」
テギョンは、互いのカップが空になったのを確かめて、立ち上がった。
「どこか行きたいところはある?」
「見たい映画があるの、いい?」
「いいよ、行こう」
レジで支払いをしているテギョンを、カフェの表で待つ間、ボウォンはほころぶ口元を隠すように、俯いた。
映画館まで手をつないで歩いて、映画館では、ポップコーンを買おう。
映画館での並び方は、手をつなぐ時と逆だ。
ボウォンがテギョンの左側。その方が、二人の間においたポップコーンを、利き手で食べやすいから。



ほら、やっぱり、二人はちょうどいい。
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【作品名】カスタードパイ

【テーマ】 3days(スリーデイズ)二次小説    テギョン×ボウォン 

2016/10/14 Fri. 17:03  tb: 0   コメント: 2

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