芙蓉の書-成均館スキャンダル屋根部屋のプリンス3days二次小説

JYJユチョン主演の韓国ドラマドラマ「トキメキ☆成均館スキャンダル」「屋根部屋のプリンス」「スリーデイズ(3days)」の二次小説ブログです。
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【屋根部屋 二次小説】ファッションモンスター - 1  

屋根部屋のプリンス連載

「パッカ。パッカや!」
「何よ、もう。いちいち呼ばないで!」
「とやかく申すでない」
大声で呼ばれて二階を見上げれば、イ・ガクが人差し指を曲げてこちらへ来いと合図を送っている。
「今、食器洗ってるんだけど」
「それは、あとで良い。急ぐのだ」
一度言い出したら絶対に譲らない、我が儘三昧の王世子は、顎を仰け反らせた。
「……手袋外してくる」
パク・ハは、キッチンに戻りビニール手袋をシンクにかけ、イ・ガクの部屋に急いだ。
部屋に入ると、ベッドの上には服がどんと鎮座し、脇に立つイ・ガクは得意そうに腕組みをしている。
「これ、何?」
「もう袖を通さぬ衣だ」
「まだ着れるじゃない。もったいないわよ」
「新しい衣を買い求めた」
びしっと伸ばされた人差し指の先には、ブランド物の紙袋が幾つも並んでいた。
男四人が朝から騒がしいと思っていたら、車に乗り込んで何処かへ出掛けて、さっきイ・ガクだけ帰ってきた。
服の調達だったのだろう。
ならば、じっくりゆっくり、心ゆくまで買い物を楽しんで欲しかった。
うるさい王世子が留守ならば家事が捗ると一息ついたところだったのに、帰ってくるなりこれである。
「恵まれぬ民の良き助けになろう」
頷きながら恩着せがましい話をしているが、要はただの散財だ。
だが、古着ボックスの存在はしっかり覚えていたようで、そこだけは褒めてあげたくなった。
ソウルに落ちてすぐに、ボックスからデニムの上下や黒のムートンブーツを調達した。
あの着こなしはかなりダサかったが、まだ現代に馴染んでなかったイ・ガクは、満更でもなかったのかもしれない。
イ・ガクにとって、古着ボックスはそんなに悪い思い出でもないらしい。
彼の言う「良き助け」とは、もう来ない服をボックスに入れて来い、という意味である。
「古着屋に売りに行ったら、いい値段を付けてもらえそう」
「そなたは、どこまで卑しいのだ」
「ふん!恵まれないソウル市民の善良な発想よ」
結局、この服の山は、とりあえず玄関に安置されることと相成った。



と、これが午前中の顛末だ。



昼食時になっても、三人組は帰ってこなかった。
イ・ガクの携帯電話に、主君の意向を無視して明朝まで外で過ごす旨を一方的に申し伝え、その後はいくらイ・ガクが電話をしても、三人揃って無視している。
パク・ハも舌を巻く大胆な反抗ぶりである。
昼食後、イ・ガクは苛立ちを募らせ、リビングを右へ左へ動きまわった。
「あの者達は、何ゆえ、かような暴挙に出たのだ」
「知らない。ねぇ、あそこにある服、貰ってもいい?」
三人組と王世子のトラブルなんか、パク・ハは預かり知らぬし、現代的感覚から言わせてもらえば、虐げられているようにしか見えないあの三人は思う存分反抗すればいいとすら、内心思っている。
そんなことより、玄関を陣取っている高級服の数々のほうが、よっぽど気になるのだ。
「はっ!そなたはそなたで、卑しすぎる」
今は文句しか頭になさそうな王世子は放っておくのが最善の策だろう。
パク・ハは、古臭い罰則をもごもご言っては舌打ちを繰り返すイ・ガクに背中を向けて、高級服の山に手を突っ込んだ。

- - - - - - - -

リクエストを頂いた『イ・ガク×男物のシャツを着たパク・ハ』のお話です。
お寄せいただいたアイディアの中で

『イ・ガクが、ワンシーズンで服を捨てようと「捨てる服」箱にシャツを捨てようとしたところ、パクハがもったいない、私が着ると言って、パジャマにする。
お風呂上がりのガクのシャツを着たパクハに、ガクは興奮。
雑誌の星占いで、パクハの星座のラッキーアイテムで「彼シャツをパジャマにする」と書いてあって、パク・ハは、捨てるのはもったいないと言う建前で、本当はガクのシャツが着たいと思っていた。』

この中の「服を捨てようと」のアイディアを頂きました。ありがとうございます。
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【作品名】ファッションモンスター《大人》

【テーマ】 屋根部屋のプリンス二次小説  イ・ガク×パク・ハ 

2015/09/16 Wed. 12:30  tb: 0   コメント: 0

【屋根部屋 二次小説】ファッションモンスター - 2  

屋根部屋のプリンス連載

きっかけは、ベッキーが発した一言だった。
「彼シャツ?」
「これ?違うけど」
「ほんとに?」
「違うわよ。チョハが来る前から着ていたでしょ」
春先に買ったオーバーサイズのデニムシャツの腕をまくって、スリムなパンツを合わせるコーディネートは、気に入っている。
そのパク・ハのデニムシャツの袖を摘むベッキーの顔は、懐疑的だ。
ベッキーは、まぁどっちでもいいけど、と言って携帯電話をいじり出した。
「パッカ、これ、可愛いと思わない?」
ベッキーが示した携帯電話の画面の中には、ベアトップのミニワンピースを着てポーズを取る外国人の姿。
「可愛い」
「男物のシャツをワンピースにしてるのよ」
ベッキーは、ずっと前から海外ブロガーの間で話題だと言うこのシャツドレスの着方を、教えてくれた。
袖を通さずに脇の下までシャツを着て、袖を体にぐるりと巻きつけて縛れば、即席ワンピースの完成なのだそうだ。
彼女は口を動かしながら、電話の画面をスライドしている。
一枚で着たりショートパンツをあわせたり、男物のシャツをワンピースにして楽しむブロガーの写真は、どれもこれも真似をしたくなる着こなしだ。
「Tシャツも可愛いよね」
ビッグサイズのTシャツを同じようにワンピースにしている写真もある。
「ベッキーに似合いそう」
「私?彼いないもん。チョハのシャツでやってみれば?」
確かに、衣装持ちのイ・ガクは、クローゼットに服を溜め込んでいる。
ワンピースになりそうなシャツもあるのかもしれない。



今、パク・ハがイ・ガクのお古の山に手を突っ込んでいるのは、こんな経緯があったからなのだが、三人組の逆襲で頭に血が上っているイ・ガクは、現在の唯一の八つ当たり先であるパク・ハに、集中砲火を浴びせた。
「本当に売りに行くのか?先程から卑しいと申しておるではないか」
「私が着るの」
「そなた、男の衣を纏うつもりか」
「だって、もう着ないんでしょ」
「それは理由にならぬ。男女の別をわきまえよ」
喧しい王世子には慣れっこだ。
鳴り止まない怒号を尻目に、パク・ハの手は、次々に服の山からシャツを引っ張りだした。
ストライプ柄や無地のドレスシャツ。どれもこれも、ワンピースにしたらきっと可愛い。
それに、いちいち素材が上等だ。
カシミアやらシルクやらが織り込まれたシャツは、みな、つるりと肌を流れて、かつ柔らかい。
オーバーサイズのシャツは流行りのファッションだし、わざわざワンピースにしなくても、充分にコーディネートを楽しめそうだ。
だから、つい欲張って、六着も選んでしまった。
「残りは、あとでボックスに運ぶね」
シャツを抱えて立ち上がる。
ところがイ・ガクは、ならぬと言って、パク・ハの腕の中のシャツを取り上げた。
「捨てるんでしょ?返して」
すかさず奪い返すパク・ハに、いよいよ怒り心頭に発したイ・ガクは、目を見開いてにじり寄った。
「返すのだ!」
「私が着たら、可愛いの」
「パッカ。そなたまで馬鹿を申すな」
「じゃあ、今から見せてあげる」
「ああ、ならば、見せてみよ」
「絶対、謝る羽目になるんだから」
「謝るものか!」
何でもかんでも口を挟むのだから付き合いきれない。
シャツワンピースでイ・ガクをギャフンと言わせてやらなければ、こっちの気持ちだって落ち着かないというものだ。
パク・ハは、自室に戻って、シャツをベッドに放った。
そして、腕組みをしてベッドの上に散らばったシャツを睨みつけた。

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パク・ハのデニムシャツ
201509160.png




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【作品名】ファッションモンスター《大人》

【テーマ】 屋根部屋のプリンス二次小説  イ・ガク×パク・ハ 

2015/09/17 Thu. 13:16  tb: 0   コメント: 4

【屋根部屋 二次小説】ファッションモンスター - 3  

屋根部屋のプリンス連載

ベッドの縁で落ちかけているブルーのチェックのシャツを手にとってみる。
胸にシャツを当てると、イ・ガクの香りがふわりと鼻の奥をくすぐった。
丈が長くて太腿も隠れているし、家の中なら、ショートパンツをはかなくても大丈夫だろう。
まだ胸にシャツをあてているだけだけれど、鏡に写り込んだ姿は、なかなか様になっている。
そういえば、チナンのゴンドラの中で怖がっていた時は、このシャツを着ていたっけ。
大喧嘩をしたけれど、あれがなければ、すれ違いのままだったかもしれない。
そう思うと、このシャツが捨てるなんて、寂しくなってしまう。
思い出の欠片を溜め込もうとするのは、女特有の衝動なんだろうか。
イ・ガクは、あっさりとこのシャツを手放した。
そして、そんなチョハは結構冷たいよね、漏らしてしまう自分は、この恋にとことん嵌まり込んでしまっているのだ。



シャツドレスの勝手がわからないから手こずり、掛け時計に目を向けた時には三十分が経過していた。
ソファーに座っていると思ったイ・ガクは、リビングにいない。
まさかと思ってキッチンを覗くと、イ・ガクは、グラスに水を注いでいた。
広い背中はわなわなと震えんばかりだ。
喉が渇けば三人組が飛んで来る。
もしくは、パク・ハがコップを渡してくれる。
それが当たり前の王世子にとって、グラスを棚から取り出し、ピッチャーの中の水をそれに注ぐこの一連の動作は、屈辱以外の何物でもない。
「遅い」
恐ろしく低い声を聞けば、彼の心中に渦巻いている怒りの度合いも手に取るようにわかると言うものだ。
主君命で頭を下げ続けた三人組は反旗を翻し、相思相愛の恋人もそれを労るどころか反抗的な態度となれば、行き場のない怒りを持て余しても致し方あるまい。
……と。
理解は出来るのだが、それを許容するかどうかは別問題である。
「機嫌直してよ」
思い通りにならないと、すぐに不機嫌になる王世子にはうんざりだ。
それに、パク・ハにだって、乙女心もある。
せっかくイ・ガクのシャツを着たのに、喜んでもらえないのはつまらない。

『彼のシャツを着る』

この行為が男心を刺激することを、知らないわけじゃないのだ。
こうして、布を肌の上に直接這わせる着方が、二人の関係が心だけじゃない証拠だってことも。
「こっち向いて。約束通り、シャツを着たから」
イ・ガクは、何事かを唸りながら振り向いた。
面倒そうに、グラスに口をつけ、こちらを見ようとしない。
水を喉に流し込んだ後も、横を顔に向けてぎろりと壁を睨んでいる。
強情っ張りここに極まれり。
パク・ハは、裸足の足で床を踏み鳴らしながらイ・ガクの傍に寄った。
観念したイ・ガクが、正面に顔を戻す。
すぐに、はっ、と短く息を吐いたイ・ガクを無視して、パク・ハは口を開いた。
「ほら、可愛いでしょ」
気難しい恋人は、この期に及んで、まだ怒っているのだ。
少しぐらい、頑張ってお洒落をした恋人を気遣ってくれてもいいではないか。
だが彼は、目を丸くして、一点を凝視した。
ただ一点を。パク・ハの胸元を。
「は、は、肌をかように露わにするとは!破廉恥である!そなた、破廉恥であるぞ!!!」
大声の内容と裏腹に、視線は一直線に胸に注がれている。
「全く。そろそろソウルに慣れてよ。古臭いんだから」
そんなに露出が大きいはずもないが、イ・ガクの無遠慮な視線は容赦がない。
違うんだってば。と心の中で叫んでみても後の祭りだ。

普段より小さく見えて可愛い。
守ってあげたくなる。

彼シャツって、こういうことなんだと思っていた。
少なくとも雑誌にはそう書いてあった。
「もういい」
くるりと背を向けたパク・ハを、けれどイ・ガクは腕を掴んで引き止めた。




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【作品名】ファッションモンスター《大人》

【テーマ】 屋根部屋のプリンス二次小説  イ・ガク×パク・ハ 

2015/09/18 Fri. 21:29  tb: 0   コメント: 0

【屋根部屋 二次小説】ファッションモンスター - 4  

屋根部屋のプリンス連載

四方に唾を飛ばす勢いで、イ・ガクは追い打ちをかける。
「その格好で出歩くのか?断じて、許さぬ!」
「家の中だけよ。当たり前でしょ」
がっしりと掴まれた腕を、パク・ハは振り払った。
女心の“お”の字も頭にない王世子に、これ以上責められるのは御免だ。
彼は、がさつだの気が強いだのと、日頃から攻撃、もとい口撃に余念がない。
それも愛情の裏返しなんだと受け止めているけれど、その奥にある硝子の如き女心の存在を露とも認めていないらしい彼の態度には、往々にして癪に障るのである。
イ・ガクは、パク・ハが振り払った手で、もう一度腕を掴んだ。
「パッカ、ともかく、あちらに座れ」
そのまま、強引にリビングのソファーまで引き摺られ、最後は、ソファーの上に、まるで荷物を投げるように押された。
「着替えてくる」
きっ、と目を細めて、目の前で仁王立ちになっているイ・ガクを見上げれば、間髪入れずに返事が返ってくる。
「着替えなくとも良い」
二人は、「着替える」「着替えるな」を三回繰り返した。
最後の「着替えるな」をため息混じりに言い放ったイ・ガクは、後ろで固く結んでいた二つの手を、ゆっくりと離した。
上へ迫り上がんばかりに張っていた両肩も、緊張が解けて落ちている。
パク・ハのすぐ隣に腰を落としたイ・ガクは、口の中で小さくつぶやいた。
「着替えなくとも、良い。まだあの者達は帰ってこぬだろう」
言いながら、ちらり、と投げられた視線が、またもや胸に突き刺さったことに気付かぬほど鈍感なパク・ハではない。
顔よりも、露わになった肌が、腕が、胸が、かっと熱くなった。
五人で暮らしても余りある広さのこの屋根部屋が、静まり返っている。
その広い部屋で、こうして小さく体を並べているなんて、不自然に感じられるぐらいに。
それに、喉が、痛い。
喉の奥が、風邪で腫れたように乾いて塞がって、反論をしたくて開いた唇からは、ひりついた息が抜けただけだった。
「破廉恥なんでしょ」
もう一度、重たい喉の奥から絞り出した声は、隣のイ・ガクに届いたのかどうか疑わしいほど、掠れていた。
返事はない。
パク・ハは、下唇を噛み締めて、隣を盗み見た。
胸に向けられていると思っていたイ・ガクの視線は、パク・ハの太腿に落ちている。
シャツの裾が、大胆に上がっていた。
青いチェック柄の生地は、太腿を隠す役割を放棄し、ゆるく丸まっている。
パク・ハは慌てて裾を伸ばした。両手で固く裾を握りしめる。
パク・ハが身じろいた拍子に、イ・ガクはびくりと肩を揺らして、前を向いた。
「今はこのままで良い」
「破廉恥なんて言われて、このまま着てるわけないでしょ。普通こういう時はね、可愛いって言うのよ。あんぽんたん」
「可憐である」
「もう、遅い」
ゆらりと空気が動いた。
イ・ガクの手のひらが、宙を舞っていた。
パク・ハは、逃げるように立ち上がる。
パク・ハの手首を捉えようとした彼の手は、ほんの数秒だけ間に合わずに、そのまま膝に落ちた。



パク・ハの部屋のドアを、イ・ガクは叩き続けた。
「パッカ」
「着替えてるから、あっち行って」
イ・ガクの拳が当たるに伴って揺れるドアに背中を向けたパク・ハは、腰に巻きつけたシャツの袖を強く握りしめた。
可愛いね、と言って欲しかっただけなのに。
これではまるで、三人組が家にいない隙を狙って、王世子をそそのかしてるようではないか。
「パッカ、パッカ」
「着替えるんだってば」
「あの者らが帰ってくるまで、私の衣を着ているのだ。これは命令である」
「もう、あっち行ってよ!」
イ・ガクがドアの向こうで張り付いている状態で、シャツを脱げっこない。
「はい、と言わぬか」
「わかった!着る!着るから、あっち行って」
やっと静かになったドアを数秒睨んだあと、パク・ハはシャツの袖の結び目を緩めた。

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イ・ガクのシャツ
201509192.jpg




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【作品名】ファッションモンスター《大人》

【テーマ】 屋根部屋のプリンス二次小説  イ・ガク×パク・ハ 

2015/10/06 Tue. 13:52  tb: 0   コメント: 0

【屋根部屋 二次小説】ファッションモンスター - 5  

屋根部屋のプリンス連載

ベッドの上には、こんもりと山を作った男物のシャツ。
勢いでイ・ガクのシャツを着ると答えたが、まさか、またシャツワンピースで部屋の外に出るわけにも行くまい。
下着姿でシャツの山を見下ろす。
「シンプルなシャツじゃないと」
ため息混じりにシャツの山を掻き回した。
あんな空気は御免だ。早々に断ち切りたい。
掘り返された山の中から、真っ白のドレスシャツが現れた。
イ・ガクが黒いジャケットの下によく着ていた、白いシャツ。
右手で布の山から引き上げたシャツを、そのままぶら下げて眺めてみる。
カーテン越しに差し込む昼の陽光を受けたシャツは、清潔そのものだった。
イ・ガクは、朝鮮から来た割には、やり手のビジネスマンだ。
ビジネスの席で幾度となく身に纏ったこの服なら、イ・ガクの頭からも、昼間に似つかわしくないあの空気が取り払われるだろう。
「これに決まり」
このシャツにデニムパンツを合わせれば、きっと有無を言わせぬ説得力が出る。
なんだか、“家にある服を適当に来たのにおしゃれ”な外国の女の子風でもある。
下ろしている髪も、結いてしまおう。
それで、三人組が帰ってくるまで家事に精を出すのだ。



「パッカ、まだか」
「そこにいたの!?」
ドアの外から、低い唸り声が届いた。
てっきりキッチンかリビングに戻ったと思っていたイ・ガクが、壁を隔てたすぐそこで、パク・ハを待っていたのだ。
「今着替えてるんだから、あっちに行ってよ」
「すぐ終わるなら、動く必要はない」
王世子は、ああ言えばこう言うの本領発揮で、間髪入れずに言い返す。
それだけでなく、この場から動かない理由をああだこうだと並べ始めた。
やれ、高貴な人間は泰然自若が常である。やれ、明鏡止水こそが王世子の器を表す言葉である。
王世子のどの部分が泰然自若で、どの部分が明鏡止水なのかと、はたまた、これらの言葉をどう解釈すればドアに張り付く理由になるのかと、横槍を入れたいぐらいだが、下着姿で喧嘩をしても仕方がない。
「いいって言うまで、絶対にドアを開けないで!」
パク・ハは、ぶら下げていたシャツを広げて、それに腕を通した。
外にイ・ガクがいると思うと、妙にどぎまぎする。
母親と一緒にパジャマの着替えを練習する幼児のように覚束ない指の動きで、ボタンを留めた。
「パッカ、まだか」
「ここで待てないなら、あっちでテレビでも見ててよ!」
デニムパンツを仕舞っているクローゼットを開けたそばから、怒号に近い声が飛んできて、パク・ハは怒鳴り返した。
あとデニムを履けば終わりなのに、不機嫌を八つ当たりで解消するしか頭にない王世子には付き合いきれない。

――約束通りチョハのシャツを着たんだから、絶対謝ってもらわなくちゃ。

畳んだデニムを広げながら、パク・ハは独りごちた。



壁際の机に置いた携帯電話がお馴染みのメロディーを奏でた。
画面には、チサンの名前。
絶賛反抗中の三人組からの連絡である。
「チサンからメールが来たみたい」
パク・ハは履きかけたデニムを椅子の背にかけ、携帯電話を手にとった。
『やっぱり帰ります』なんて殊勝なことが書いてあるのかもしれない。
彼らが帰ってきて、三人組が王世子に頭を下げれば、一件落着だ。
主君より先にパク・ハに打診するところが、可愛らしいではないか。
ならばみんなのヌナとして、仲を取り持ってあげよう。
パク・ハは唇の両端を緩めた。
ありったけの優しい言葉を込めた文面を考えながら、画面に親指を滑らす。
だが、返事を打ち込む前、すなわちチサンのメールを表示させた途端に、ドアが開いた。
「きゃあ!」
「チサンからか?なんと申しておる?」
「な、な、」
なんで開けるの!と責めたくても、言葉にならない。
それはイ・ガクも同様で、口をぽかんと開けたまま、パク・ハを凝視した。




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【作品名】ファッションモンスター《大人》

【テーマ】 屋根部屋のプリンス二次小説  イ・ガク×パク・ハ 

2015/10/08 Thu. 13:24  tb: 0   コメント: 2

【屋根部屋 二次小説】(大人小説)ファッションモンスター - 6  

屋根部屋のプリンス連載

大人小説です。ご注意下さい。

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『明日の朝までチョハとごゆっくり』
パク・ハの手のひらで上を向いている携帯電話が、あっけらかんと際どいメールを表示させている。
音を立てずにパク・ハに歩み寄ったイ・ガクは、画面に目を落とした。
は、と短く息を吐き、上を向く。
両腕を腰に据え、足を肩幅に開き、天井を睨みつける様は、この状況下でも臣下の反乱に腹を立てる王世子そのものである。
部屋には白シャツ一枚だけを身に纏う女と、その恋人が二人きり。女の背中にはベッドが陣取る、この状況下で。
パク・ハは、携帯電話を脇腹に寄せる。
彼女の手の甲を覆うシャツの袖が携帯電話の画面もすっぽりと覆った。
「き、着替えるから、部屋から出て」
だが、イ・ガクは天井を睨みつけたままだ。
パク・ハは、裸足の足を静かに床に滑らせた。
まず、右足を後ろに。そして左足を。
一歩下がり、完全に俯いた彼女の視線の先には、露わになった膝と上に伸びる白い太腿、それに太腿を覆うシャツの裾が、肌に触れそうで触れずに揺れていた。
「出て行ってってば」
チサンのメールが示唆する“ごゆっくり”に翻弄されたパク・ハの心に、イ・ガクは気づいているのかいないのか、推し量れない。
二度の懇願にも微動だにせず、そこに立っている。
パク・ハは、上唇を下唇で噛み、揺れるシャツをただ眺めた。
退室を乞う己の声は、早くも甘い色を宿している。
「着替えて、返事も、しなくちゃ」
脇腹にあてた右手を顔の前に持ち上げると、腕にそって裾が滑り落ちた。
親指を硝子の鏡面に滑らせ、もう一度チサンのメールを画面に呼び出す。
しかし、親指がキーボードに触れる前に、イ・ガクが、携帯電話ごとパク・ハの手を掴んだ。
「こちら衣のほうが、よほど誘っておる」
耳の中に吹きこまれた声に、パク・ハは両肩を縮こませた。



ベッドに倒れ込んだ刹那、イ・ガクはパク・ハの呼吸を奪うように唇を合わせた。
やだ。待って。
喉の奥の言葉は、イ・ガクの舌にさらわれた。
携帯電話はシーツの上を滑り、それを握っていた右の指は、今、イ・ガクの黒い髪の束に差し込まれている。
イ・ガクの性急な恋情が、パク・ハの喉を埋め尽くす。
声を出せなくなった喉の代わりに、頼りなく髪を引く手に沿って、イ・ガクは唇を離した。
けれど、パク・ハが狼狽えた唇で酸素を吸い込む間もなく、イ・ガクの舌はパク・ハの顎をなぞる。
高く上がった甘い声を、パク・ハは恥じた。




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【テーマ】 屋根部屋のプリンス二次小説  イ・ガク×パク・ハ  大人小説 

2016/02/02 Tue. 17:37  tb: 0   コメント: 4

【屋根部屋 二次小説】(大人小説)ファッションモンスター - 7  

屋根部屋のプリンス連載

大人小説です。ご注意下さい。

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パク・ハの思惑とは裏腹に、熱に浮かれた体は容易にイ・ガクの手を受け入れた。
太腿の外側を撫で上げる指は、シャツの裾の中に滑り込み、化繊の小さな布の縁に辿り着く。
人差し指が縁のゴムに引っかかり、そのまま下へずらそうと指の腹が太腿に擦れた時、パク・ハは腰を捩った。
まだシャツも脱いでいない。
先に下着を剥ぎ取られるなんて、早過ぎる。
パク・ハの意図を読んだイ・ガクは、細い手首をシャツのボタンに導いた。
「そなたが、開くのだ」
太腿を執拗に撫でながら、有無を言わさぬ強い双眸で、パク・ハを見つめる。
パク・ハは、落ち着きなく壁の上に視線を漂わせ、下唇を噛んだ。



白い指先が、ボタンをつまみ上げた。
イ・ガクは太ももの薄い肉をさすり、早く全てのボタンを外せと急かす。
腿の刺激がパク・ハの背骨を這い上がり、指先に辿り着く。
ろくにボタンを捻れず、ボタンの縁を悪戯に捏ねるパク・ハを、イ・ガクはもう待たなかった。
パク・ハの願い通り下着はそのままに、人差し指を横から差し入れ、柔らかい皮膚を撫ぜる。
まだ乾いていたそこは、イ・ガクの指にあわせ、ゆっくりと湿度をあげた。
イ・ガクは、パク・ハの瞳を両目で捉え、離さない。
顔をわずかに逸らしたパク・ハの顎をもう片方の手で力強くつかみ、見つめたまま、指は入り口をゆっくりと擦った。
イ・ガクに見つめられながら擦られ、熱くなっていく場所は、容易に蜜を零した。
パク・ハは、声を上げる代わりに、上へ顎をのけぞらせる。
顎をおさえていた手を外したイ・ガクは、小さく震える喉に齧りついた。
目の端に映る壁の白色が揺れている。
早くも快感で瞳が潤んでいるのだとパク・ハが自覚したその時、イ・ガクの手が再び華奢な顎を掴んだ。
「そなたが脱がぬのなら、このまま抱こう」
唇に笑みを浮かべ、イ・ガクはパク・ハを太腿の間に挟んだまま、ベッドの上で膝立ちになった。
濡れた人差し指を太腿になすりつけられて、パク・ハの頬は赤く染まる。
それをイ・ガクは意地悪く目を細めて見つめる。
そして、自らのシャツを脱いだ引き締まった腕が、パク・ハの腹に潜り込み、ゆっくりと上へ進んだ。




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【作品名】ファッションモンスター《大人》

【テーマ】 屋根部屋のプリンス二次小説  イ・ガク×パク・ハ  大人小説 

2016/08/15 Mon. 02:09  tb: 0   コメント: 0

【屋根部屋 二次小説】(大人小説)ファッションモンスター - 8  

屋根部屋のプリンス連載

大人小説です。ご注意下さい。

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これは、視姦だ。
イ・ガクの右腕の上で襞を作る白いシャツは、まだ肝心の場所を晒していない。
下腹の下を覆う化繊の布は露わになってしまったが、その下の肌は外気に触れていない。
けれど、左腕をベッドの上でつっぱり、高い位置からパク・ハの息遣いを見つめるイ・ガクの双眸は、パク・ハを丸裸にしている。
わざとシャツを取り払わないままで、右の指先は、パク・ハの左胸の先端を抓った。
パク・ハは、緩やかに広がる唾液を飲み込む。
指じゃ足りない。右の先端をこする、乾いた布の刺激も、もどかしい。
イ・ガクの瞳が動く度に、布を突き抜けた視線が刺さるその場所が、熱さでちりちりと痺れる。
固く尖った両の胸の先端が、物足りなくてひくつく。
温かい舌が欲しい。胸に、全身に、意地悪く舐る舌の感触が、欲しいのだ。
きっと物欲しそうな顔をしている。
恥ずかしさなんて欠片も残っていなくて、体中でイ・ガクの熱を感じたいのだと、舌を震わせながら喘ぐ声が、欲望を曝け出しているに違いない。

――早く、脱がせて。このシャツを早く。

言わなくてもわかっているはずなのに、イ・ガクは動いてくれない。
左腕をつっぱらせたまま、パク・ハを見下ろしている。
肌の上を小さく漂う右手を掴んでみたけれど、力が抜けたパク・ハの手は、あっさりと振り払われた。
イ・ガクの目で丸裸にされた体は、自らの呼吸すらも刺激になって、鋭く泡立っている。
とっくにイ・ガクの指先の愛撫が離れた入り口が、布の中で、ぐずぐずと熱を上げ湿り気を増し、次の刺激を強請っている。不規則に痙攣しているのだ。
薄い布越しに、振動が伝わっているかも知れない。



イ・ガクは、唇の右端を引き上げて、ベッドを降りた。
ベッド脇でパク・ハに背を向け、ためらうことなくデニムと下着を脱ぐと、片膝をベッドに乗せた。
イ・ガクの腰の、芯を固くしたそれが、否が応でも目に飛び込む。
慌てて目を瞑ったが、瞼の裏にくっきりと残った形は、疼くパク・ハの体の中心を抉った。

――まだ、触れていないのに。

幾度も体を重ねた。
そのたびに、この行為が最後になるかもしれないと思うから、体は一寸違わずイ・ガクを覚えようとする。
そして、再びイ・ガクに触れた時、自らの浅ましさを自覚して、でも喜びも綯い交ぜになった心は、貪欲に記憶の中の刺激を呼び起こすのだ。
イ・ガクは、たった一つを除いて、記憶通りにパク・ハを探る。
なんのてらいもなく、薄布を足から抜き取る。
覆いを失って腰を捩るパク・ハを追いかけ、白い両足を大きく開く。
イ・ガクがパク・ハの傾いた体を右手で押さえ、それから股の内側に両手を差し込み、両足をシーツの上で滑らす一連の流れは、すでに二人の決まり事だ、
股の間に挟まれた手を止めるように、パク・ハが重ねる右手も、それが形ばかりの抵抗で、全くイ・ガクを止める気なんかないことも。
ただ一つ、体の殆どを隠す純白のシャツ以外は、すべて、二人の決まり事だ。




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【作品名】ファッションモンスター《大人》

【テーマ】 屋根部屋のプリンス二次小説  イ・ガク×パク・ハ  大人小説 

2016/08/17 Wed. 12:58  tb: 0   コメント: 0

【屋根部屋 二次小説】(大人小説)ファッションモンスター - 9  

屋根部屋のプリンス連載

大人小説です。ご注意下さい。

- - - - - - - - 

自分だけ服を剥がされ、隅々まで肌を晒し、それなのにワイシャツが少しだけ肌蹴ただけのイ・ガクの手のひらに翻弄されて、上ずった声で「お願いだからチョハも脱いで」と懇願したのは、一度や二度ではない。
いま、隠したい場所の大部分は白い綿で覆われ、対してイ・ガクは丸裸だ。
パク・ハの顔の脇で体を支える彼の左の上腕は、肘をついたせいで力強い筋を惜しげもなく晒して、パク・ハの中心を弄る右の長い指は、中から溢れる液体の上を滑っている。
閉じたいのか、それとも開いてイ・ガクの指を招き入れたいのか、どっちつかずの内腿は、震えることしか出来ない。
つるりとした綿は、泡立った肌を容赦なく擦り、パク・ハの頬はその刺激に赤らむ。
けれどイ・ガクの肌は、平然と滑らかさを保ち、縋るパク・ハの指先は、肌にとどまることが出来ずに滑り落ちる。
こんなにも、体を隠して行為に及ぶことが卑猥だったなんて、知らなかった。
羞恥心が、ざわざわと体の奥を侵食している。
でも、全身を余すところ無くイ・ガクの前に晒す恥ずかしさも知っているから、素直に、脱がせてと言えないのだ。
硬い襟の下の首のカーブを鼻先で擦られて、脳が左右に揺れた。
ときめきとか、切なさとか。
ああ、この己を翻弄する男が人生の全てなのだとか。
続けざまに唇を呼吸ごと奪われ、純粋な愛情は酩酊した頭の中でぼやけ、痙攣を繰り返す内腿とその奥の熱の上昇だけに翻弄される。
舌を舌で突かれながら、またも白い布の下の体が、この湿った舌の愛撫を欲した。
叶わない欲望は、素直に液体を溢れさせる中心に流れ込む。
パク・ハの、布の下の欲望を無視する視線と裏腹に、中心を捏ねる人差し指は饒舌だ。
液体を絡めとっている指は、早く中に入りたいと言わんばかりに、入り口を擦った。


「あっ」
パク・ハは、高い声を上げてすぐに下唇を噛んだ。
指が入ってくると思っていたのに、柔らかな舌が、表面を掻き混ぜた。
身構えていなかった体は、過剰に跳ね上がる。
驚きと、甘美な刺激に喜ぶ本能が、甲高い声を紡ぎ、恥ずかしさに溺れたパク・ハは、下唇に乗せた歯を強く押した。
「何か、言って」
呼吸するよりも、息を止めている時間の方が長い気がする。
浅い息の中でやっと紡いだ言葉は、羞恥からの逃げだ。
そして、イ・ガクが、パク・ハの言葉を無視することもわかっていた。
「おねがいだから」
声が甘ったるい色を帯びていく。隠しようもない疼きが、鼻を抜けていった。




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【作品名】ファッションモンスター《大人》

【テーマ】 屋根部屋のプリンス二次小説  イ・ガク×パク・ハ  大人小説 

2016/08/26 Fri. 14:39  tb: 0   コメント: 2

【屋根部屋 二次小説】(大人小説)ファッションモンスター - 10  

屋根部屋のプリンス連載

大人小説です。ご注意下さい。

- - - - - - - - 

イ・ガクは、入れるとも言わなかったし、震えるパク・ハを宥めるようなことも言わなかった。
ベッドの脇の棚をあさって、それからビニールの袋を破った音は聞こえた。
そして、何も言わずに、いきなり、パク・ハの中に入ってきた。
衝撃に耐えるために強く吸った息が、唇の間で悲鳴のような音を作り、その音を脳で認識して、パク・ハが思ったのは

――こんな時は、声も出ない。

それだけだ。
最中の自分をどこか客観的に観察している。
でもすぐに、早くこのリズムを捉えなくちゃと両手でイ・ガクの首に縋り付き、けれど掴めないペースに翻弄された喉が、か細い声を出す。
それでも、だんだんと、一方的に突かれて生まれた体の奥の快楽が、年輪のように膨らんでいく。
もう、観察なんてしていられない。
パク・ハは、この小さな快感を逃したくなくて、目を閉じた。
瞼の裏でさえ真っ赤に染まっていて、細胞一つ一つが、この快感を逃すまいと必死になっている。
ベッドの上で、両足を大きく広げて、愛なんてどうでもよくて、ただ貪欲にイ・ガクが作る摩擦を求めているのだ。
いやらしい。
そう思った瞬間、パク・ハは、ひときわ大きな声を上げた。
細い足はイ・ガクの腰の上で交差し、イ・ガクが分け入る“いやらしい”そこが、収縮する。
呼応するように、パク・ハの耳元でイ・ガクも唸った。
「パッカ」
イ・ガクの息が、パク・ハの睫毛をなぞった。
目を開けると、イ・ガクが、もう一度唸った。

――愛してる。

額に汗の雫が浮かべて、ほとんど苦悶の表情を浮かべる男を見上げた時、喉元まで、この言葉がせり上がった。
だけど、声にならない。軽々しく言えないほどに、愛しているのだ。
ついさっき、快楽が全てだったことが嘘のように、目の前で歯を食いしばっているイ・ガクが愛おしい。
顔を上げ、イ・ガクの顔に唇を寄せる。
イ・ガクはかぶり付くようにパク・ハの唇を覆った。



息が苦しい。
呼吸を許されなかったキスから開放されたパク・ハは、イ・ガクの手のひらの支えを失った頭を、枕に沈めた。
首に縋っていた両手も、マットレスに落ちる。
上質な綿のつるりとした表面が、イ・ガクが動く度に脇腹を擦る。空気を求める胸が上下する度に、胸の先端を擦る。
こんなのじゃ、足りない。イ・ガクの湿った肌が欲しい。熱くて、いつもパク・ハの肌に吸い付く、あの湿った肌が。
「やだ、服、やだ」
イ・ガクはパク・ハの懇願を無視して、強く腰を打ち込んだ。
終わりが近づいている。
「ね、まだ、待って」
この懇願も無視したイ・ガクは、パク・ハを分け入る力を緩めない。
右耳は、イ・ガクの荒い息が絶え間なく吹き込まれて熱を持ち、シャツが擦る体も更に熱を持つ。
パク・ハはイ・ガクに追いつこうと、体中に散らばった快楽を手繰り寄せる。
でも、足りないのだ。このシャツがある限り、イ・ガクに追いつけない。
「まだっ」
イ・ガクがパク・ハの腰を掴み、耳元で低く呻いた。
同時に勢いを失い、イ・ガクの体は小さく震える。
まだ、体の中に熱があるのに。
快楽を強請る甘ったれた声が、パク・ハの喉を通る。
ゆっくりと、まだ入ったままのイ・ガクが腰を揺らした。
腰を掴んでいた手が、繋がっているところに降りて、入り口をなぞる。
パク・ハの体は、やっと与えられた肌と肌の接触を、容易に受け入れる。
高い声を上げるパク・ハに呼応するように、親指は、そこを強く押した。




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【テーマ】 屋根部屋のプリンス二次小説  イ・ガク×パク・ハ  大人小説 

2016/10/07 Fri. 17:38  tb: 0   コメント: 0

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