芙蓉の書-成均館スキャンダル屋根部屋のプリンス3days二次小説

JYJユチョン主演の韓国ドラマドラマ「トキメキ☆成均館スキャンダル」「屋根部屋のプリンス」「スリーデイズ(3days)」の二次小説ブログです。
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屋根部屋のプリンス読切 一覧

【屋根部屋 二次小説】雨間  

屋根部屋のプリンス読切

朝から降り続く雨は雨脚が強く、屋根に強くあたって、ばらばらと大きな音を立てていた。
「今夜は嵐になるやも知れませぬ」
空をよく知る従者が肩を落としたのを合図に、宮中は慌ただしくなった。
宮女はか細い声を出し、文官は忙しない足音を響かせながら嵐に備える。
夜になっても、「王世子に万が一が起こっては大変だ」と口々に言って、頑なに脇に控える文官たちに、イ・ガクは労いの言葉を掛けてやる。
傍らで、女官らは、重たく湿った空気を打ち消すような、良く乾いた綿布団を敷いて出て行った。
こんな風に慌ただしく時が過ぎていくうちは、気楽だった。
イ・ガクは、布団に滑り込み、目を閉じた。



毎夜同じ夢を見ていた。
昨日の出来事のように、パク・ハと二人で手を繋いで歩き、互いに向けた笑顔を瞼の裏に思い描くのだ。
二人で愛を誓ったソウルの日々で、パク・ハは今夜の土砂降りのように、止めどなく涙を流した。
涙を湛えた彼女の瞳を覗きこめば、この愛の為に生きているのだと言わんばかりに、また涙が零れていく。
夢の中でも泣き出す彼女に、幾度となく問うた言葉がある。

「そなたは、まだ、私を愛しておるか?」

泣き過ぎたせいで、下瞼が赤く腫れていた。
だがパク・ハは、あの柔らかな笑顔を浮かべる。
それから桜色の口を開き、イ・ガクが「さあ、愛していると言っておくれ」と手を差し伸べた途端に決まって目が覚め、そこで夢が終わる。



雨音がしない。従者の心配を余所に、空は機嫌を直したのだろうか。
掛け布団を追いやって布団の上で起き上がったイ・ガクは、いつもの様に、両手で顔を覆った。
そして、もしもパク・ハが朝鮮時代に来てくれたら、隣で寝息を立ててくれたらと、小さく嗚咽を漏らす。
叶わぬ願いなのだ。
糾える縄のように絡み合った運命は、二人が愛し合うことを、来世まで許してくれない。


再び激しくなった雨が、今度は風も連れてきた。
風と共にパク・ハをここへ連れて来てはくれぬだろうかと、夢の中のパク・ハと同じように赤い目で、窓の外を伺う。
いっその事、いつもの夢でもいい。
夢でいいから、言って欲しいのだ。

「あなたのことを、今でも愛しているの」

毎夜、同じことを願う。
厚い雲が空を覆っていれば、月を隠す雲が、夜闇に紛れてパク・ハを連れてくれぬだろうかと。
粉雪が降れば、混じりけのない白に混じって、パク・ハも飛んで来ないかと。
今夜、嵐に乗って愛する人がやって来る気配はない。
だから、静かに目を閉じる。
今度こそ夢に出てきておくれと願いながら。そして、それもまた叶わぬ願いだと知りながら。




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【作品名】雨間

【テーマ】 屋根部屋のプリンス二次小説  イ・ガク×パク・ハ 

2015/07/07 Tue. 16:17  tb: 0   コメント: 10

【屋根部屋 二次小説】5つのお題ったー イ・ガク編  

屋根部屋のプリンス読切

イ・ガクの名前を、「5つのお題ったー」に入力しました。
ユニ編やボウォン編を書いた時にも入力しましたが返ってきた結果がいまいちだったので、今回リベンジです。

結果

お題は『色褪せない記憶の中の約束・守る以外はしてやれない・涙と約束・どんなに遠くに行っても・こっそり愛すの』です



正に、イ・ガク!


- - - - - - - -

朝な夕なパク・ハの面影を探す。
居ても立ってもいられず、真夜中に一人、ソウルへ飛んだあの崖に馬を走らせたこともある。
だが、すんでのところで手綱を強く引き、崖からの転落を免れた。
恐ろしかった。
パク・ハへの思慕よりも、己の死の方が重大なのか。
朝日が差すまで、馬の上で呆然と崖の底を見つめていた己を宮殿に連れ帰ったのは、チサンだった。
「遠いのだ」
崖の底の真っ暗闇を見つめながら、二度と三百年の時を超えられぬと悟った。
「パッカ姉さんに救われたお命ではありませんか」
チサンは、涙も枯れ果てた己の足元でわんわんと泣きながら、縋った。



「ここにいらっしゃったのですね」
マンボが、芙蓉亭に腰掛ける己に、会釈をした。
立ち上がり、プヨンが愛した屏風の蝶を指でなぞる。

プヨンを守ってやれなかった。
パク・ハを、守ることしか出来なかった。

「チョハ、時間が迫っております」
「ああ、わかっておる」
これから、花嫁候補と初の顔合わせだ。
「まだ妻は娶らぬぞ。いいな」
「はい、この場だけ、どうかお納めになって下さい」
いずれ妻を娶らなければならぬ時が来る。
その時まで。
いや別の妻をめとろうとも。
『命が尽きるまで永遠に』
誓いは、色褪せない。
密やかにパク・ハだけを愛する。

どんなに遠くても
何が二人を隔てても

涙の中の約束が、この愛が、ただ一つ、生きる理由なのだから。




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【作品名】5つのお題ったー イ・ガク編

【テーマ】 イ・ガク×パク・ハ  屋根部屋のプリンス二次小説 

2015/09/09 Wed. 08:20  tb: 0   コメント: 2

【屋根部屋 二次小説】むせぶ  

屋根部屋のプリンス読切

いずれ私は朝鮮に戻る。
時折透明になるこの体が、それを告げておる。



私は、朝鮮に戻る。
その時、誰がそなたを守るのだ。
そなたが挫けそうな時、誰がその小さい手を握るのだ。
そなたが涙を零す時、誰が細い体を抱きしめてやるのだ。
そなたが胸の痛みを堪える時、誰が苦痛を拭ってやるのだ。
誰がそなたを見守るのだ。
誰も、居らぬ。



パッカや、そなたが私の声を求めても、私は、もう、居らぬのだ。




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【作品名】むせぶ

【テーマ】 屋根部屋のプリンス二次小説  イ・ガク×パク・ハ 

2016/03/11 Fri. 13:13  tb: 0   コメント: 2

【屋根部屋 二次小説】夢  

屋根部屋のプリンス読切

Measuring a summer's day,
I only finds it slips away to grey,
The hours, they bring me pain.

Tangerine, Tangerine,
Living reflection from a dream;
I was her love, she was my queen,
And now a thousand years between.

Thinking how it used to be,
Does she still remember times like these?
To think of us again?
And I do.

Tangerine, Tangerine,
Living reflection from a dream;
I was her love, she was my queen,
And now a thousand years between.

-Jimmy Page

夏の一日を切り取ったんだ。
でも、灰色に色褪せてしまうだけなんだと気が付いた。
時間は、痛みをもたらすんだね。

タンジェリン、タンジェリン、夢の反射の中で生きているんだ。
僕は彼女の恋人で、彼女は僕の女王だった。
そして、今、二人の間には千年もの隔たりがあるんだ。

あの頃、僕たちがどんなだったか考えてる。
彼女は、まだ、あの頃を思い出しているかな。
もう一度、僕たちのことを、考えているのかな。
僕は、思い出しているよ。

タンジェリン、タンジェリン、僕は夢の反射の中で生きているんだ。
僕は彼女の恋人で、彼女は僕の女王だった。
そして、今、二人の間には千年もの隔たりがあるんだ。

- - - - - - - -

物見遊山を進言したのは、チサンだった。
「済州島にしよう!チョハ、済州島です、済州島!」
ソウルから帰って来て以来、臣下の三人は、人の目がないとわかるや否や未来の言葉を使う。
眉を顰めた己の代弁をするように、マンボが
「先輩、チョハは政務が山ほどあるんです」
と、興奮するチサンを諌めた。
マンボは、王世子が彼らの言葉遣いに気を害したわけではないことを、わかっていた。
マンボの言う通り、仁政殿(インジョンジョン)で家臣が一堂に会する度に、次から次へと運び込まれる直訴状や各地から届けられる紙の山が、瞬く間に積み重なって行く現状であることを思うと、物見を楽しむ気持ちなぞ、起こらない。
あからさまに肩を落としたチサンを励ましたのは、ヨンスルの報告だった。
「チョハ、済州島の一番摘みの蜜柑が献上されています」
「もう?」
済州島がどうしても忘れられない様子のチサンが、目を丸くして、同時に口角を大きく上げて、ヨンスルの目を覗き込んだ。
「今年の済州島は冷夏で、秋になっても冷気が厳しいので、早く実ったんですよ」
マンボが、畏まって座るのは止めとばかりに肩をぐるぐると回しながら、持ち前の博学多才ぶりを披露した。
「早速食べましょう!」
ヨンスルは、王世子への貢物をまるで我が物のように要求するチサンの脇腹を、肘で突いた。



ソウルに落ちたのは、春だった。夏になる前に、朝鮮に戻った。
パク・ハは、蜜柑は好きなのだろうか。
思えば、彼女の好物も禄に知らぬまま、こちらに戻ってきてしまった。

「パッカは、蜜柑のようなおなごだな」

甘さよりも酸味が勝る蜜柑を一房口に入れた後漏らした一言に、臣下の三人は顔を強張らせた。
何をしても結局ソウルのあの日々に心が戻ってしまう己をどう扱って良いものか、考えあぐねているのかもしれない。
「”タメ口”を許しているのだから、これぐらい付き合ってもよかろう」
途端に背筋を伸ばしたチサンが、その勢いでひれ伏す。
「いえ、そうではないんです。皆、ヌナが心配でなりません」
「怒っておるのではない。面を上げよ」
上体を起こしたチサンの目は、うっすらと涙が溜まっている。
「パク・ハさんは、お元気でしょうか」
控え目に心配を口にしたヨンスルの声も、震えていた。
マンボは、黙って俯いている。
「パッカは気丈だ。ジュース屋を元気に切り盛りしておるだろう」
この慰めを最も信じていない者が、言う。
四人全員がそうとわかっている取り繕いは、余計に部屋を静まり返らせただけだった。



パク・ハの名を口にした日は、眠りにつくまで、パク・ハが頭から離れない。
布団の中でのたうち回るのも、日課になってしまった。
パク・ハは、あの日々を、懐かしんでくれるのだろうか。それとも、すっかり忘れてしまうのだろうか。
己はパク・ハの恋人で、己にとって、パク・ハは后だった。
蜜柑のように、甘いだけではなく、すこし生意気な后。
このまま、ずっとソウルの夢の中に閉じこもってしまいたい。
手を繋いで笑いあったあの日々と、パク・ハが后として隣で微笑んでくれる、夢の中で。
三百年の時の隔たりは、永遠だ。
夢の中に閉じこもってしまいたい。会えないのなら、せめて。




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【作品名】

【テーマ】 屋根部屋のプリンス二次小説  イ・ガク×パク・ハ  臣下三人組 

2016/10/22 Sat. 17:42  tb: 0   コメント: 3

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