芙蓉の書-成均館スキャンダル屋根部屋のプリンス3days二次小説

JYJユチョン主演の韓国ドラマドラマ「トキメキ☆成均館スキャンダル」「屋根部屋のプリンス」「スリーデイズ(3days)」の二次小説ブログです。
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気化する体温 一覧

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【テーマ】

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【成均館 二次小説】気化する体温 - 1  

成均館スキャンダル連載

昼前なのに中二房の障子を通る光は鈍い。
曇り空は、まもなく雨空に変わるつもりなのか、それとも雲を吹き飛ばすつもりなのか。
春らしく判然としない空からそそぐ陽光は頼りなく、中二房は薄暗かった。
室内で灯された行灯が、布団から体を起こしたソンジュンを照らしている。
額に巻いてやった白い鉢巻の上には、今朝、髷を結い直せなかったせいで乱れた前髪が、幾筋か落ちていた。
薄く吐息を漏らす唇がやけに色濃く見えるのも、大きく開いた単衣の白い襟に縁取られた肌が妙に火照って見えるのも、全部、表面に浮いた水滴のせいだ。
ユニは、ソンジュンの布団の傍らに置かれた手ぬぐいを手に取った。
高熱らしい潤んだ両目で、ソンジュンは、しかし手ぬぐいを持った手を伸ばすユニを拒む。
左手で体を支えて、
「自分でやる」
と右手を上げた。
その右手には、空っぽの碗が一つ。
喉が渇いたソンジュンのために、水を注いだ碗をユニが渡してやったら、彼は口元に碗を運ぶと同時に、豪快に中の水を零したのだ。
力が出ないのか、朦朧として距離が掴めないのか。
碗の中の水は、唇を濡らしはしたものの、喉を通らず首筋へと滑り落ち、単衣に染み込んだ。
濡れたせいで強く寄った絹の皺が、隙間なくソンジュンの肌に張り付いている。
絞るまでもなく皺の山の頂からは雫が滴り、その皺の下から体温で桃色を帯びた肌が透けていた。
「君も、風邪をひいた?顔が赤い」
碗を床の上に転がして、ソンジュンはユニの額に右手を伸ばした。
礼儀を重んじる彼が、転がした碗の行く末を気にするでもなく、ユニを見つめている。
腕を高く上げ続けられないのだろう、彼の手の平は、ユニの額を覆うことなく下ろされたが、額を掠った指先までもが、熱を帯びていた。



ユニの顔が赤いのは、体が火照ったせいだ。
ソンジュンの胸に張り付いた濡れた薄布は、悪気なく肌を透かしていた。
手ぬぐいで胸元を拭う緩慢な手つきも、時折ユニの所在を確かめるように向けられる上目遣いの瞳が潤んでいるのも、悪気はない。
けれども、その全てがユニの体温を上げていく。
「体冷えちゃう。着替えなきゃ」
ユニはソンジュンが握る手ぬぐいに、手を重ねた。
ところが、案外強い力で、手を振り払われた。
「冷たくて気持ちが良いから、着替えない」
「馬鹿言わないで」
「うん」
普段の彼からは想像がつかないような我が儘と引き際の良さから、高熱がどれほど彼の思考を蝕んでいるのか窺い知れる。
ソンジュンは、ん、と小さく呻いて、濡れた体のまま布団に倒れこんだ。
呻き声すら熱が灯っていて、それが熱情を帯びているように聞こえてしまうから、ユニの体はますます体温をあげる。
「ユニ。やっぱり君も、具合が悪そうだ。風邪をうつしてしまったかな」
上掛けを追いやって、しどけなく横たわったソンジュンは、ゆっくりとこちらに視線を寄越した。


- - - - - - - -
リクエストをいただいた「濡れたソンジュンORユニ(肌が透ける)」のお話です。
さらにアイディアを募りまして、その中から「どちらかがかぜなどで寝ていて、水を持ってきてこぼして濡れてすける」お話にしました。
リクエスト&アイディアをいただきまして、ありがとうございました。
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【作品名】気化する体温

【テーマ】 成均館スキャンダル二次小説  ソンジュン×ユニ 

2015/05/21 Thu. 13:54  tb: 0   コメント: 4

【成均館 二次小説】気化する体温 - 2  

成均館スキャンダル連載

「君の棚をいじるよ」
ソンジュンの熱にいとも簡単に陥落してしまいそうで、ユニは、視線を逸らして立ち上がった。

――風邪で寝てるだけなんだから。

棚の前に立ったまま、胸を押さえて静かに息を吐く。
綺麗に整えられた単衣は、棚を漁るまでもなく見つかった。
掴んだはずのなめらかな絹が手から滑り落ちそうになり、ユニは慌てて掴み直す。
すでに、中二房に充満する熱の波に飲み込まれているのかもしれない。
布団を振り返ると、ソンジュンの胸は大きく上下していた。
右腕で目を覆い、左腕は布団の外に投げ出している。
「着替えないと」
掠れた「うん」の返事が僅かに聞こえたけれど、ソンジュンは微動だにしなかった。
傍らにしゃがんで、頬に手を宛てがってみれば、汗ばんでしっとりとした肌が手のひらに吸い付く。
荒くなってきた息を確かめるために、その手を唇にずらした。
結露しそうなほど熱い息がユニの指にかかる。
「体を起こせる?」
腕を目元から外して、ソンジュンはユニの名前を呼んだ。
それが、二人の秘め事の最中の呼び声に似ていて、ユニは唇を噛みしめた。
気持ちを切り替えなければならない。
ソンジュンは、高熱で苦しんでいるだけで、自分をどうこうしようなんて、少しも思っていないのだから。
体を起こしたソンジュンは、布団の上でぼうっと宙に視線を漂わせている。
ユニは単衣を渡し、くるりと背を向けた。
「水を汲んでくるから、その間に着替えてね」
逃げ出すように出た中二房の外は、相変わらず曇り空だった。
月に一度の休日で、成均館は閑散としている。
昨夜、何やら四人で楽しむ計画をしていたらしいヨンハが中二房にやって来たが、熱にうなされたソンジュンを見て眉をハの字に下げた。
ジェシンは、風邪をうつされたら堪らないと、ソンジュンを励まして部屋に戻ったヨンハについて、中二房を出て行った。
実家に帰る者、酒を楽しむ者。儒生たちは皆、半刻足りとも勉学漬けの成均館の空気を吸っていたくないと言わんばかりに、いそいそと出掛けた。
優秀な儒生とはいえ、若い男たちが集う成均館は、むさ苦しい。
だが今日は、粗野な笑い声や忙しない足音で満たされる前庭も、しんと静まり返っていた。



いつまでも纏わりつくソンジュンの熱を振り払うように勢い良く汲み上げた水は、冷たかった。
中二房から持ってきた桶を井戸の水で満たして、ユニはその場にしゃがみ込んだ。
「いやになっちゃう」
両手で水を掬い、何度も顔を濡らすが、火照った肌はなかなか治まらない。
結局、気分を変えられずに中二房に帰る羽目になった。
ソンジュンは、乾いた単衣に身を包み、布団の上にあぐらをかいて壁を眺めていた。
床には、綺麗に畳まれた濡れた単衣。
碗に新鮮な水を注いで差し出してやると、緩慢に右手を上げた。
単衣を畳むだけで精一杯だったのだろう。
また水を零さんばかりの弱々しさで手のひらを広げ、碗が乗せられるのを待っている。
ユニは、ソンジュンの手の下に己の手を重ねて、碗を乗せてやった。
「ありがとう」
ソンジュンは、さっき零した時よりも慎重に碗を口に運んだ。
だが、赤々とした唇が碗の縁を挟んだかと思ったら、水を一気に煽った。
ごくりと喉の鳴る音が連続し、その音に合わせて、喉仏が上下に動く。
ユニの手は、ソンジュンの手の甲に添えられたままだ。
ソンジュンは、高く上を向いて最後の一滴まで吸い取ると、大きく息を吐いて俯いた。
ソンジュンの手から碗を取って床に置き、代わりに布巾を渡してやる。
「疲れた?」
ユニの問いに促されて、ソンジュンはゆらりと顔を上げた
だが、問いかけには答えず、ずっと手の甲にあたっていたユニの手を握りしめる。
行灯がソンジュンを柔らかく照らした。
揺らめく光に照らされる潤んだ唇が色っぽくて、見惚れていたら、それがユニの唇に押し付けられた。
「ちょっと、イ・ソンジュン!」
次の瞬間、ユニの背中に布団があたっていた。
「君が、そんな目をするからだ」
ソンジュンは、ユニの首筋に額を埋めた。




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【作品名】気化する体温

【テーマ】 成均館スキャンダル二次小説  ソンジュン×ユニ 

2015/05/22 Fri. 17:09  tb: 0   コメント: 2

【成均館 二次小説】気化する体温 - 最終話  

成均館スキャンダル連載

首元に規則正しく吹き付けられる息が、熱い。
さっき指先でソンジュンの吐息を感じた時に、結露しそうだと思ったが、本当に、肌の表面で結露しているのかもしれない。
じんわりとユニの喉を湿らせている。
それに、遠慮なくのしかかるソンジュンの体が重たかった。
いつもは、肘をついて体を支える左腕がユニの頬にあたっていた。
内側の筋が盛り上がり、それを視界の端で捉えるたびに、体の奥が一層疼くのだ。
ソンジュンが与えてくれる快楽の深淵に落ちそうになって、縋るように腕に噛み付いて、痕を残してしまったこともある。
だが、今、逞しい腕はユニの頬にあたっていない。
ユニが男装のまま抱かれるが嫌なのを知っていて、決まって髷を解いてくれる指もない。
今まで、中二房で互いの体を求めたことだってないのだ。
ソンジュンではない他の誰かにのしかかられているようで、けれど、右手がユニの体をたどる道筋は、いつもと同じだ。
「駄目だってば。中二房だよ!」
「今日は、誰もいないじゃないか」
果たしてこれは、高熱にうなされている人間の発言だろうか。
くぐもった声ながら、妙に明瞭な判断で、口答えをする。
そして、ユニの単衣の紐を引っ張っている。
「誰もいなくても、駄目だよ」
「享官庁(ヒャンガンチョン)だったらいいのか」
単衣の襟の隙間から差し入れられた、ソンジュンの手に直に肌をなぞられて、ユニは息を飲んだ。
「まだ、ひる、ま……」
その手は、左の脇腹まで下がり、早くも下衣の紐を探った。
ソンジュンに身を預けられている右肩は、痺れそうだ。
湿った唇が、首の脇に押し付けられる。
もともと、体も心も熱を帯びていたのだ。
こんな場所で無理だと拒んでみても、ソンジュンの手に流されそうになる。
それでも、頭の片隅に追いやられそうな道徳心を奮い起こした。
だって、儒生がいなくても書吏はいるのだ。博士だって。
「お願い」
うん、と答える唇に唇を塞がれ、意思を持った舌に翻弄される。
ユニは、左手でソンジュンの肩を押しやったが、重い体はぴくりともしなかった。



このまま、下衣も脱がされてしまうかと思った。
だが、下衣を探る指は、いつまでたっても紐を解かない。
それどころか、ユニの体を這いずり回っていた手が止まり、胸の中に強く抱きしめられた。
そして、この小休止にユニが上がった息を整えようと大きく息を吸い込む傍らで、ソンジュンもまた、荒い息を吐き出した。
「寒い」
「え?」
「寒い」
自由になる首から上だけ起こして、目を下方に動かせば、事に及ぼうとしていた男が一転、小刻みに震える体でユニにしがみつき、必死に暖を取ろうとしているではないか。
「馬鹿なんだから」
ユニは頭を布団に落として、口を尖らせた。
ユニがひたすらにソンジュンを拒んでいたから、ソンジュンの単衣はほとんど乱れていなかい。
一方でソンジュンに好きなように翻弄されたユニは、解けてしまった単衣の紐を彼の体の下で結び直した。
「だから、言ったのに。一人でゆっくり寝たほうがいいよ」
布団の上を背中で這うようにして抜け出そうとするユニを、しかしソンジュンは逃がすまいと、しがみつく。
「嫌だ」
ユニのせいだと言ってところ構わず迫ったソンジュンは、また別の我儘を言い出して、ユニを離さなかった。
体は密着させたままだが、さっきまでの勢いはすっかり削げてしまったのだろう。
まるで男女の秘め事など露ほども知らないと言わんばかりの顔つきで、ますます腕に力を込めた。
高熱の中、そぐわない行動に出た為に疲労が濃くなったに違いない。
ユニの胸に顔をうずめていたソンジュンは、益々潤んだ目で、捨て犬のようにユニを見て、寒いと言い続けた。
普段、儒生としての矜持なのか男としての矜持なのか知らないが、常にユニを導こうとするソンジュンが、大人げなくユニに縋っている。
「わかったよ」
ユニの返事を聞いて、ソンジュンは、ユニの胸の上にことりと頭を戻した。
ユニまで風邪をひいたら厄介なことになる。
明日は、また講義が始まるのだ。
怠い体で明倫堂に赴くことを想像すると、今からげんなりしてしまう。
だが、ここはソンジュンの我が儘を聞いてあげよう。
いつも理想に向かって己を律している男が、前も後ろもなく、甘えているのだから。
そして、きっと、我に返ったら、今日の言動を恥じ入るのだ。
イ・ソンジュンとは、そういう男だ。
ソンジュンは、早々と寝息を立て始めた。
「今日だけだからね」
ユニも、小さく呟いて、目を閉じた。




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【作品名】気化する体温

【テーマ】 成均館スキャンダル二次小説  ソンジュン×ユニ 

2015/07/15 Wed. 13:08  tb: 0   コメント: 6

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