芙蓉の書-成均館スキャンダル屋根部屋のプリンス3days二次小説

JYJユチョン主演の韓国ドラマドラマ「トキメキ☆成均館スキャンダル」「屋根部屋のプリンス」「スリーデイズ(3days)」の二次小説ブログです。
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【会いたい 二次小説】祈らない今日、あした  

会いたい読切

天気予報で「初雪が近い」と言っていたと、今朝、家を出る前にジョンウに耳打ちをされた。
そのまま唇を突き出してきて、家族がいる家でキスなんか出来るわけないと逃げたら、
「トッポッキ、スンデ、サイダー。買って、後でベルスに行くよ」
と、余裕綽々で微笑んで、それから、駆けるように家を出て行った。
玄関で彼の後ろ姿を見送って、スヨンも靴を履く。
彼同様に体が弾んでしまうのは、隠せない。
ウンジュには、二人とも何かあったの?と呆れたように笑われたあと、行ってらっしゃいと背中を叩かれた。



――初雪のニュースを聞いたら、白いシフォンを選ばなくちゃ。
初雪の日の結婚式は、純白の花飾りで髪を飾るつもりだった。
だから、ベルスの二階にあるこの仕事部屋に、純白のシフォンの端布を溜め込んでいた。
純白のシフォンと一言で言っても、千差万別だ。
かざすと向こうがはっきりと透けて見えるほど薄く儚げな生地、摘んだ指に沿って垂れる柔らかくてたおやかな生地、すっと自立しそうなほど固く凛とした生地。
箱に集めたシフォンをあれこれと比べながら、スヨンは口元を緩めた。
「固い生地にしようかな」
ジョンウのお嫁さんになる。
それは、凛としたこのシフォンのように、彼の隣に立ち続けることだ。
スヨンは、選んだシフォンをテーブルに広げる。
このシフォンで、どんな花を作ろうか。まだ平面の生地の上に、指で花を描く。
白色の布の上を、人差し指が滑らかに踊る。
だが突然、仕事部屋のドアが開き、この楽しい想像を断ち切った。
大方ジョンウの継母のミランか妹のアルムだろうと入り口を見やると、黒いコートのポケットに両手を突っ込んだジョンウが、満面の笑みで立っていた。
「もう終わったの?」
「大急ぎで済ませてきたのに、喜んでくれないの?昨日捕まえた奴を、一発殴って、洗い浚い吐かせたんだ。ああ、俺の格好良いところを見せたかったな」
黒い瞳を輝かせて、ジョンウは笑った。
子供の頃から、彼は少しも変わらない。
得意になって何かを自慢する時、顔を突き出して目を見開いて、そして言いたいことを言い切った後、大きく笑うのだ。
「ジョンウ、無茶しないで。警察をやめることになっちゃうじゃない」
「大丈夫だよ。あっちで待ってる」
ジョンウは言うやいなや、仕事部屋の真ん中に垂れる大きなカーテンの向こうに消えた。
「ねぇ、トッポッキは?」
「急ぎすぎて忘れた」
「嘘つき」
スヨンは言いながら立ち上がり、テーブルの上の洗濯ばさみの束を手に取る。
先週買ったばかりの赤色の洗濯ばさみは、台紙を挟んで綺麗に整列している。
何の変哲もない十個の洗濯ばさみだが、この中の一つに、シフォンで作った花を貼り付けて、ウェディングの髪留めに仕立てるつもりだ。
カーテンを開けると、ジョンウは簡易ベッドに腰掛けていた。
後ろ手でカーテンをぴしゃりと閉じてから、スヨンは、洗濯ばさみをジョンウの顔の前に差し出した。
「この中から、一つ選んで」
ジョンウは、即座に左端の洗濯ばさみを抜き取って、彼女の手のひらに乗せた。
「どうして、これにしたの?」
「数を数える時は、左から始めるだろ?スヨンは一番だから、一番左」
ジョンウの直球の愛は、まだ、こそばゆい。
スヨンは、まっすぐにこちらを見つめる視線を避けるように俯いて、ジャケットのポケットに洗濯ばさみを収めた。
「選んであげたのに、髪に付けないの?なんで?」
「内緒」
ジョンウは不服そうに鼻を鳴らした。
幼い仕草が可愛らしくて、小さく吹き出してしまった。
あ!笑ったな!と、やはり笑顔を作って立ち上がったジョンウに、カーテンの端まで引っ張られる。
そこでくるりと回転させられて、背中に壁があたった。
「こうするつもりだから、トッポッキを買って来なかったんでしょ?」
ジョンウがトッポッキをキスの理由にしていることぐらい、わかっている。
彼は、さあねと、鼻先をスヨンの鼻先にあてた。



「スヨン?打ち合わせしたいんだけど、いい?」
ミランが、ハイヒールの音を甲高く鳴らしながら、部屋に入ってきた。
ジョンウが、カーテンの端を左手で押さえて、右手の人差指をスヨンの唇に当てる。
ピンヒールの固い足音が、部屋をぐるりと一周した。
カーテンの前で足音がとまり、カーテンの奥のこちら側を伺うように、ミランは問いかける。
「スヨン、いないの?もしかして、下にいたのかしら?」
二人の仲は皆が知っているのに、こんな風に隠れる必要があるのかと、スヨンはジョンウの目を覗き込んだ。
『いま、キスできなくなる』
唇だけ動かしてジョンウが言ったと同時に、ミランが、部屋の電気を消して出て行った。
悪いことをしていないのに、知らず知らずのうちに篭っていた力が抜けていく。
「ジョンウ。お願いがあるの」
「ん?」
彼は目を丸くして“お願い”を待っている。唇に押さえていた彼の指に、左頬を撫でられた。
「私を愛しているから私を幸せにするって、言って欲しい」
「いつも、そう言ってるだろ?」
丸い目のまま、ジョンウは口を尖らせた。
愛以外の理由に、毎日苦しんでいるくせに。
三人があの倉庫に戻った夜、ジョンウは、自分を許せないと泣いていた。
ハリーに銃口を突きつけられて、恐怖で朦朧としたけれど、ジョンウが昏睡していた十日の間に、病室の彼のベッドの傍らで、あの夜を思い出した。
ジョンウは、スヨンの涙を忘れられないと言っていた。
自分も同じだ。
逃げた十五歳のジョンウの顔は、涙でぐちゃぐちゃだった。
ジョンウに置き去りにされたのに、悪い記憶が消えるおまじないで魔法をかけ続けた十四年間、彼を本気で恨んでいたのかも、もう、わからない。
勘の良いハリーは、初めから気づいていた。
『スヨンはジョンウを嫌いになれない』ってことに。
ハリーの勘の通り、二人とも、互いの涙を忘れられないのだ。だったら。
「それだけ、がいい」
沢山の生地の中から選び取ったシフォンのように、ちゃんと、あなたの隣でまっすぐに立つから。
「私を愛してるっていう理由だけ、が、いい」
ジョンウに優しく唇を吸われた。
何度も何度も吸われて、角度変えてまた吸われて、けれど、ジョンウは何も言ってくれない。

――でも、私たちは、大丈夫。

ミランに隠れてする二度目のキス。私もあなたも、もう、泣いてない。
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【作品名】祈らない今日、あした

【テーマ】 会いたい二次小説  ジョンウ×スヨン 

2015/04/09 Thu. 00:37  tb: 0   コメント: 6

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