芙蓉の書-成均館スキャンダル屋根部屋のプリンス3days二次小説

JYJユチョン主演の韓国ドラマドラマ「トキメキ☆成均館スキャンダル」「屋根部屋のプリンス」「スリーデイズ(3days)」の二次小説ブログです。
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【屋根部屋 二次小説】すべては青の中で - 上  

屋根部屋のプリンス連載

はじまりとは別枠の短編です。

- - - - - - - -

テヨンの部屋で、パク・ハはピカソの画集を手に取った。
もともと絵を描いていただけあって、彼の部屋は画集がところ狭しと並んでいる。
彼女は、とりわけピカソに惹かれているわけではない。
知らない画家の名前を見ても絵のイメージは浮かばないし、それに、背表紙のアルファベットの表記は、知っている画家でもピンとこないことがある。
単に、“PICASSO”がわかりやすかったのだ。
彼女がそれを口にすると、テヨンは、英語読みとかイタリア語読みとか、嫌になるよ。と、二人分のコーヒーをデスクに置きながら、学生時代の苦労を思い出して笑った。
パク・ハは、デスクの黒革の椅子に深く沈んで、そうだよね?と一緒に笑う。
「学校で、マイケランジェロって習ったのに、こっちに帰ってきたらミケランジェロだった」
パク・ハが言えば、テヨンも楽しそうに呼応した。
「そう、それ。ダビデ像がデイヴィッド」
「私、小さい頃からアメリカにいたでしょ?完全にデイヴィッドでインプットされてるの。あの人は、デイヴィッドよ」
二人とも、紆余曲折の中、ニューヨークに行き着き、韓国に帰ってきた。
美しい思い出とは言い難いが、こうして共通の、それに、韓国の友人にわかってもらえない話題で話が弾むと、小さな秘密を共有しているようで、少し嬉しい。
くすくす思い出し笑いをしながら、パク・ハは画集のページを捲った。
テヨンは、立ったまま、彼女の背後から絵を覗く。
ピカソの絵は何が描いてあるのか全然わからない、と首をひねる彼女に対し、テヨンはのんびりと解説を加えた。
「でも、新古典主義を意識した作品もあるんだけど」
「新古典主義?」
「うん、真面目っていうと変だけど、新古典主義は、結構真面目な取り組みなんだ。ナポレオンの肖像画が有名だよ。ほら、これはピカソが意識した作品だね」
パク・ハの後ろから手が伸びて、画集のページを素早く進めた。
その手が止まって開かれたページに描かれた絵の中の男性の、ギリシャ彫刻を思わせる顔つきは、確かに彼女の知っているピカソではなかった。
絵画に関して知識もボキャブラリーもあまり持ち合わせていない彼女にとって、普通の絵と表現したくなるような、つまり題材が理解できる絵である。
ふーん、とページを次々にめくっていると、ページいっぱいに印刷された、ふくよかな裸の女が堂々と椅子に座っている絵が、目に飛び込んできた。
有名なピカソの画風は、一般人のパク・ハには理解し難い芸術で、照れる隙など全くないが、新古典主義がどうのこうのと教えてくれた裸の絵は、二人で眺めるのは、抵抗がある。
彼女は何気なさを装って、テヨンがデスクに置いたコーヒーに口につけたが、テヨンに動揺が伝わってしまったらしい。
「照れてる?」
と、後ろから真っ直ぐに目を覗き込まれて、その余裕のある態度が悔しくなった。
彼女は肘で彼のお腹を突付く。
「僕は、画家の手法とか観察しちゃうから、何も感じないよ。歴史的には、裸婦の絵ってそういう需要もあったけど。神聖な題材なら卑猥じゃないっていう大義名分が……」
パク・ハは、今度は口を尖らせた。
やっぱり、芸術って言っても、そんな目で裸をみるんじゃない。
そう言わんばかりに思い切り睨むと、テヨンは、だから僕は違うってばと、苦笑する。
パク・ハは、八つ当たりのように画集のページを次々に捲った。
また、馴染みのあるピカソっぽい絵が出てきた。
女性が描かれていると辛うじて分かる程度の複雑な絵だ。
「同じ人がモデルなの?」
「うーんと、これは二番目の奥さんで、これは愛人で、こっちも別の愛人で、」
テヨンは見開きに幾つも並べられている絵を指しながら、モデルを挙げる。
「ピカソは、ハンサムじゃないけど目が人を惹きつけたんだって。女の人がほっとかなかったらしいよ。今っぽく言うと、カリスマ?」
テヨンが教えてくれるピカソの私生活は、妻や愛人を何人も取っ替え引っ替えしていたように聞こえて、実際、残されている絵も、モデルが何人もいて、女としてはなんだか面白くない。
愛人同士が鉢合わせして修羅場になり、それに構想を得て絵筆を握ったエピソードなんて、身も蓋もないではないか。
「もういい」
明らかにピカソに憤慨しているパク・ハの為に、テヨンは別の画家の名前を口にした。
「パッカは、じゃあ、シャガールかな。シャガール、知ってる?」
「うん、なんとなく」
「ピカソと同じ時代の画家で、最初の奥さんが亡くなって、その後、再婚しているんだけど、ずーっと最初の奥さんの絵ばっかり描いていたんだよ」
彼は、本棚からシャガールの画集を抜き取って、デスクに置いた。
鮮明な群青色に覆われた表紙は、ピカソと対照的なエピソードも相まって、彼女の興味をそそった。
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【作品名】すべては青の中で

【テーマ】 屋根部屋のプリンス二次小説  テヨン×パク・ハ 

2014/11/22 Sat. 13:46  tb: 0   コメント: 0

【屋根部屋 二次小説】すべては青の中で - 下  

屋根部屋のプリンス連載

「綺麗な色」
「この青、好き?」
「うん、吸い込まれそうな色」
「シャガールブルーって呼ばれる、シャガールにしか出せない青だよ」
テヨンは、じっと表紙を見つめて、静かに言った。
シャガールブルーに心底感服しているのだろうか、彼の双眸は、さっき、画家の手法を観察してしまうと話していたような、技術を吸収せんと見据える力強さは伴っていない。
「本物はもっと綺麗なんだ。今度、一緒に美術館に行こうよ」
パク・ハは、彼の提案に胸を高鳴らせた。
ホーム&ショッピングを継ぐと決めたテヨンは、もう絵を仕事にする気はないらしい。
だから、描くことは彼の趣味という位置づけになったのだが、それは彼女にとって敷居が高すぎる。
彼の見ている世界を、雰囲気だけでも一緒に味わいたいうという乙女心が、彼女の胸の内にもあるのだ。
彼女は、振り返って柔らかく笑い、続けて表紙に描かれているカップルに人差し指を当てた。
「この女の人も、最初の奥さんなの?」
「うん、ベラだね。これも、これも、ベラだよ」
テヨンは、画集を開いて最初の妻、ベラの描かれた絵を何枚か見せてから、ベージの隅を指で押さえた。
彼の指先が示している、ページの隅に記された制作年はばらばらで、シャガールがベラを生涯描き続けたというのも納得できる。
「テヨンさんは、ピカソ?シャガール?」
芸術家の中には、世俗に染まることを嫌厭する者も、厭わない者もいるのだろう。
同様に、ピカソとシャガールが違うように、芸術家と言っても女遊びが派手とは限らない。
ビジネスの世界に身を置いても、どこか芸術家気質が残るテヨンはどちらだろうか。
ふと、そう思った。
朝鮮時代の王は側室がいたし、宮女も王のものだと聞いたことがある。
テヨンがピカソに近い可能性だってあるかも知れない。
だから、軽い気持ちで質問したのだが、彼女はすぐに心の中でそれを否定した。
テヨンは、シャガールだ。
質問は、取り下げないけれど。
「僕、モテないよ」
「モテたら、ピカソなの?」
「絶対、シャガール。生まれ変わっても、パッカに会いに来たじゃないか」
さっきパク・ハが唇を尖らせて不満を表明したように、今度はテヨンが口を歪ませる。
「じゃあ、次に生まれ変わった時は、シャガールみたいに他の人と結婚しても、許してあげようかな」
「シャガールが何でベラばっかり描いていたのか、彼の本心はわからないけどさ。2番目の奥さんとも仲良しだったし。けど、僕はパッカのことを考えながら、他の人と結婚するなんて、絶対嫌だ」
わかりきった答えを聞いて安心する自分は、意地が悪いとパク・ハは思う。
自分たちは、来世もまた一緒になる。
信じる、信じないじゃなくて、決まりきったことなのだから。
シャガールも、生まれ変わるのだろうか。
そして、彼の絵筆が描き出す澄んだ青のような愛情を、またベラに注ぐのだろうか。



「ねぇ、いつシャガールを見に行く?」
「シャガールは、デートにぴったりだし、楽しみだね」
「デートに向いていない画家なんているの?」
「エゴン・シーレとか?少なくとも、パッカには刺激が強いかな」
テヨンが携帯電話の画面をパク・ハの顔の前にかざした。
てっきりスケジュールの確認だと思って、彼女が画面を見やると、大きく足を開いた女のヌード絵画が画面いっぱいに広がっているではないか。
彼女は、ぱん、と彼の手を叩き、その勢いで跳ねた携帯電話が床に落ちて滑った。
「ほら、シーレに行ったら、パッカは困っちゃうだろ」
「チョハの時から、全然成長してないんだから!そうやって、人のことやり込めて、得意そうな顔して」
「パッカだって、昔と変わらないよ。プヨンと同じで、からかい甲斐がある」
焦りと怒りで顔を真っ赤にしているパク・ハの隣で、テヨンは携帯電話のカレンダーを開き、休日を確認し始めた。
ジュース屋の定休日がいいよね、とカレンダーの画面を見せようとするが、パク・ハの手がそれを押しやり、なかなか次のデートの計画が進まない。
もうからかわない、と言う甚だ信用性に欠ける口約束が飛び出して、やっとパク・ハは、テヨンの問いかけに応じた。
「今度からかったら、私がピカソになるから」
「へぇ」
そんな説得力のない宣言は、テヨンにとって痛くも痒くもない。
彼の薄ら笑いを目ざとく見つけたパク・ハは、悔しそうに冷めたコーヒーに口をつけた。




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【作品名】すべては青の中で

【テーマ】 屋根部屋のプリンス二次小説  テヨン×パク・ハ 

2014/11/23 Sun. 18:02  tb: 0   コメント: 2

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