芙蓉の書-成均館スキャンダル屋根部屋のプリンス3days二次小説

JYJユチョン主演の韓国ドラマドラマ「トキメキ☆成均館スキャンダル」「屋根部屋のプリンス」「スリーデイズ(3days)」の二次小説ブログです。
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【成均館 二次小説】駄目なものは駄目 - 1(感謝企画)  

成均館スキャンダル連載

「コロ先輩、寝不足ですね。顔が蒼いです」
「あ、ヨリム先輩。その腕輪、新しいですね。買ったんですか?」
ソンジュンは、ほとんどの時間をユニと過ごしていた。
婚前に恋人と四六時中一緒にいられる幸運を、彼は喜ぶべきだろう。
たとえ、二人が時を過ごしている場所が、男だらけの成均館だとしても。
それ故に、ユニの友人が一人残らず男だとしても。
「俺より、お前のほうが蒼いぞ。読書のし過ぎか?」
ジェシンがユニの額をげんこつで小突いた。
「流石は緑鬢紅顔(ノッピンホンアン)のテムルだ。自分の顔が美しいと、美しいものを見る目も肥えるのか」
ヨンハは、買ったばかりの腕輪をユニの手首に通してやる。
ユニは二人の先輩に可愛がられて嬉しそうだ。
大きな瞳を輝かせて、男たちを見上げている。
高潔有徳と誉れ高い儒生イ・ソンジュンは、耐えていた。
耐えねばならぬ。
これは修行だ。
後に、己の精神の鍛錬に不可欠だったと理解出来る日が来るだろう。
そう、耐えねばならぬのだ。
明倫堂の前庭で、儒生たちは思い思いに過ごしていた。
花の四人組も、狭い房室ではなく外で体を伸ばそうと、前庭で立ち話をしている。
「コロ、危ない!」
ヨンハが、突然叫んだ。
ジェシンが振り向くと、玉遊びをしていた儒生の手元が狂って、玉がこちらに飛んできている。
彼はひらりと体を翻し、玉を避けた。
彼が避けた玉は、そのまま真っ直ぐユニに向かう。
彼は再び体を翻し、ユニを背中で庇うと、玉を手の平で受け止めた。
ソンジュンの目に、ユニの前に立ちはだかるジェシンが飛び込む。
「コロ先輩、すごい!」
ユニは、より一層瞳を輝かせた。
「キム・ユンシク!」
耐え……られなかった。



残念ながら、ユニは、ソンジュンに大声を出されて態度を改めるほど、奥ゆかしい性格ではなかった。
「ああ、僕は大丈夫だよ」
と、見当違いも甚だしい返事をして、先輩二人の輪に戻る。
「コロ先輩が、庇ってくれたから」
などと、火に油を注ぐ一言も忘れない。
ソンジュンは故に、先輩二人の手前、反論するわけにもいかず、むっつりと黙り込んだ。
彼女が女だと大手を振るって言えないことが、もどかしい。
いっその事、ユニは僕の恋人だ!触るな!と叫びたくなる。
ユニは相変わらず、二人の男に笑顔を振りまいていた。
「お!夕餉の時間だ」
ヨンハが夕餉を知らせる鐘の音に合わせて、扇子を揺らした。
焦れながらも何も出来ずにいるソンジュンにとって、その鐘は天からの助けだ。
「キム・ユンシク、進士食堂に行こう」
「お腹空いてるの?」
相変わらず見当違いな問いは無視して、彼は彼女の腕を掴む。
食堂では、ユニの隣に座らなければ。
進士食堂の席順に決まりはなかったが、いつもソンジュンはユニの向かいに座り、ヨンハやジェシンが彼女の隣を陣取っていた。
そして、彼らは、彼女の匙に自分のおかずを乗せてやる。
威勢よく食べる後輩がお腹を空かせていると思って、先輩二人は、食事を分けてやっているのだ。
だが、今後は、ユニの隣に自分以外が座るのは許さない。
ソンジュンは、ユニの腕を引っ張り、ずんずん進む。
「急がなくても、食事は逃げないよ」
彼女の脳天気な発言は、彼の耳に入らなかった。

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一ヶ月感謝企画のお題「ユニが女性と自分だけ知っていると思っているソンジュン。男の嫉妬」です。全部君のせい(こちら)で、取り上げ済みですが、「男の嫉妬」が弱かったと思うので、別のお話を書きました。




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【作品名】駄目なものは駄目

【テーマ】 成均館スキャンダル二次小説  ソンジュン×ユニ  一ヶ月感謝企画 

2014/09/20 Sat. 20:50  tb: 0   コメント: 0

【成均館 二次小説】駄目なものは駄目 - 2(感謝企画)  

成均館スキャンダル連載

ソンジュンは、向かいを睨んだ。
否、正確には睨んでいるつもりは毛頭ない。
彼のしきたりに、そんな無礼は存在しないからだ。
しかし、彼の日頃の心がけも虚しく、彼の視線は鋭い。
彼の纏っている空気も多分に刺を含んだものだ。
そして、そんな全身から放たれる不機嫌を一身に受けている向かいの人物――ユニは、楽しそうに食事をしている。

こんなはずではなかった。

ソンジュンは、目線をユニの隣の人物に移す。
そこには、ドヒョンが上機嫌で座っている。
ドヒョンのさらに隣にはウタク。ドヒョンの反対側のユニの隣はヘウォンだ。
ドヒョンは、時折ユニの肩を抱き、上機嫌の理由をまくし立てている。
この際、彼の上機嫌の理由はどうでも良かった。
問題は、彼が進士食堂の入り口で背後から彼女を抱き締め、そのままさらって行ったことだ。
ソンジュンは、あまりに大胆な振る舞いに驚いて(ドヒョンは男同士だと信じているから大胆とは思っていないが)一瞬指の力を緩めてしまった。
そして、ソンジュンが再びユニを捕まえる前に、彼女はドヒョンの隣に着席した。
ほぼ毎食ユニの向かいに座るソンジュンのために、周りの儒生は自然に今彼がいる場所を空けてくれた。
ユニも、無事彼が食事にありつけるか確認した。
ソンジュンが着席したことを認めると、彼ににっこりと微笑んで、ドヒョンに向き直った。
ソンジュンは、事の顛末の責任をドヒョンに押し付けて彼を恨むほど愚かではないと、自負している。
全てを「男の友情」で片付けてしまうユニが、根本的な問題だ。
それがわかっているからこそ、感情に任せてドヒョンや二人の尊敬すべき先輩に無礼を働くことは避けたかった。
前方を睨んだまま匙で汁椀をかき混ぜ、一向に匙を口に運ぼうとしないソンジュンを、隣りに座った儒生が肘で突っつく。
「イ・ソンジュン、食えよ。円点泥棒になっちまうぞ」
「ああ」
今度は、黙々と咀嚼する。
「お前怖いよ」
隣の儒生は、それ以上ソンジュンに深入りしなかった。



幸か不幸か、ソンジュンの怜悧な顔立ちと無駄のない身のこなしが、彼の不機嫌をより一層際立たせていた。
進士食堂に足を踏み入れた瞬間から睨まれっぱなしのユニも、流石に気付いた様子で、ドヒョンの相手をしながら、向かいの席に座る臍を曲げた恋人に口を尖らせてみせた。
彼女にとって、花の四人衆で談笑することも、儒生仲間と食事を楽しむことも、日常だった。
向かい合って座る食事だって、いつも通りだ。
ソンジュンに睨まれる謂われはない。
そこへ、早々に食事を終えたヨンハがソンジュンの前に来て、どかりと腰を下ろしたものだから、ソンジュンのユニへの視線は遮られる。
「カラン、怖い顔をしてどうした」
「なんでもありません」
「そうか?なら、もっと美味そうに食え」

わかっているのだ。
こんなはずではなかったとドヒョンを恨むべきではないことを。
ユニの細い腕を取るヨンハに腹をたてるべきでないことを。
彼女の額を小突くジェシンに嫉妬するべきではないことを。

「失礼します」
ソンジュンは、米粒ひとつ残さず綺麗に完食すると、彼の気を引こうとするヨンハに会釈をして席を立った。



「あ、イ・ソンジュン!」
ユニに目もくれず食堂の扉に向かうソンジュンの背中に、ユニは叫ぶ。
両手を後ろで組んだ彼が、彼女の呼びかけにも微塵も反応せずに食堂を出て行ってしまい、彼女は慌てて追いかけた。
彼は一見、普段と変わらない。背筋を伸ばし、一定の速度で歩く。
だが、不機嫌が最高潮に達しているのが、ユニにはわかる。
彼女は、もう一度彼の名前を叫んで、駈け出した。




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【作品名】駄目なものは駄目

【テーマ】 成均館スキャンダル二次小説  ソンジュン×ユニ 

2014/09/22 Mon. 17:25  tb: 0   コメント: 0

【成均館 二次小説】駄目なものは駄目 - 3(感謝企画)  

成均館スキャンダル連載

ソンジュンは、ユニが彼に追いついても彼女を無視して進んだ。
中二房の前まで来ても、振り返りもしない。
黙って石段に登って靴を脱ぐ素振りを見せたから、ユニも慌てて隣に立ち、靴をぬぐ。
すると、彼は、そんな彼女のを一瞥して、くるりと踵を返した。
「ちょっと、イ・ソンジュン!」
彼は尊経閣(チョンギョンガク)の方に歩いて行ってしまった。
どうやら、彼女のことを徹底的に避けるつもりらしい。
勢いで縁側に上がってしまったユニは、慌てて靴を履き直し、再び追いかけた。
ソンジュンは脇目もふらずに尊経閣に進み、中に入る。
いつもの、彼女のために扉を支えてくれる腕は今日はなく、彼女の目の前で扉がバタンと閉まった。



「いつまでついて来るつもりだ」
今度こそ、ユニはソンジュンに追いついた。
書棚に向かい合い早々と書物を開く彼の隣に立つ。
「君が機嫌を直すまで」
「何の話だ。僕は機嫌は悪くない」
「嘘だね。ものすごく悪いよ。なんで怒ってるのか、はっきり言ってよ」
「僕は読書をしにここへ来ている。邪魔をしないでくれ」
腹を立てているにも関わらず、彼は的確な書物の選択をしている。
本当に読書をしに来たと信じそうになるほど、的確に。
彼が手に持っているのは、今上王が清国からの輸入に努めている書物の中の一冊だ。
尊経閣にも、一部が収められてる。
今すぐ大科を受けても合格するであろう彼が、“読書”で、四書五経や注解本を読むはずがない。
如何にも彼が好みそうな、他の儒生は目を通す余裕がない書物が、手中にあった。
「本当に、読書?」
「そうだ」
彼は、見ればわかると言わんばかりに頁を捲る。
ユニは、わざと大きな溜め息を吐いて、書棚に背中を預けた。



正面からみたソンジュンの顔は、冷静そうに見えた。
書物に集中しているようにも見える。

全く読んでないくせに。

しかし、ユニには、彼がちっとも読書なんかしていないことがわかっている。
頁を捲る早さが、いつもと違うのだ。
読書の“振り”は、ユニには通用しない。

書物を逆さに持っていないだけでも、上出来だよね。

「いつまで読む振りをするつもり?」
しびれを切らしたユニが、ソンジュンの腕を叩いた。
彼は、彼女をひと睨みして、ぱたんと本を閉じる。
「そうだな。君の言う通り僕は怒っている。そして、理由は今までに何度も伝えている」
彼には珍しいぐらいのぶっきらぼうな調子で、そう告げると、読んでいた書物を乱暴に書棚に叩きつけた。
そして、また一人で尊経閣を出て行こうとした。
「待って。話をしようよ」
彼は、彼女に背を向けたまま、暫く黙っていた。
それから振り返ると
「わかった。君の話を聞こう」
と言って、ユニの手首を掴んで尊経閣の扉を開けた。
「どこに行くの?」
彼は、行き先を教えてくれない。
すっかり暗くなった成均館の中を、ソンジュンは迷わず進む。
二つ目の門をくぐった時、やっと彼女にも二人がどこに向かっているのかがわかった。

享官庁(ヒャンガンチョン)?

ソンジュンは享官庁の扉を開けるとユニの背中をぽんと押した。
彼女の手首が開放される。
彼は、自分も享官庁に入ると、扉を閉め、貫抜を通した。



「話って、なんだ?」
ユニは、暗闇に慣れぬ目で、扉を見る。
使い古された貫抜だが、彼女はここで何度も湯浴みをしているから、外からの侵入者を防ぐには充分だとわかっている。
暗い享官庁に二人きり。途端にユニは萎縮する。
ソンジュンが、彼女の左の手首を掴み、持ち上げた。
袖とヨンハからもらった腕輪がするりと下へ落ち、白い腕が暗闇の中に仄かに浮かび上がる。
ユニは、右手で濃紺の快子(ケジャ)を握りしめて、ソンジュンを見つめた。




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【作品名】駄目なものは駄目

【テーマ】 成均館スキャンダル二次小説  ソンジュン×ユニ  一ヶ月感謝企画 

2014/09/24 Wed. 00:37  tb: 0   コメント: 0

【成均館 二次小説】駄目なものは駄目 - 最終話(感謝企画)  

成均館スキャンダル連載

「あの……怒っている理由を、教えて欲しい、と思って」
「腕輪なんか貰うなって言えばいいのか?」
ソンジュンが間髪入れずに鋭い声を出したから、ユニは面食らった。
「ドヒョンに抱きしめられてるのを見て、頭に来たって言えばいいのか?」
「手を離してよ」
「この先、コロ先輩と仲良く話すなって言えばいいのか?」
いつもは相手が黙り込むまで論破するくせに、今夜の彼の言葉は短い。
手を離して欲しいというユニの懇願は受け入れず、彼女の腕に通された腕輪をじっと見ている。
「ここにいる間は、仕方がないよ」
ユニの返事に、ソンジュンは眉根を寄せた。



ユニが勢い良く腕を振って、ソンジュンの手を振り払った。
「仕方がなくても、僕は嫌だ」
「コロ先輩は同室生なんだから、無理だよ」
「駄目だ」
「でも、ヨリム先輩だって好意で腕輪をくれたのに」
「駄目だ」
「ドヒョンも悪気はないよ」
「駄目」
「付き合ってられない!」
彼女は、所狭しと並べられている棚を右の指先で辿りながら、部屋の奥に進んだ。
蝋燭を灯していないから、視界は暗い。
足取りは自然とたどたどしくなり、ユニの心も揺らいだ。
ソンジュンの言い分は最もだった。
両班の娘なら、屋敷に閉じこもって将来の旦那様のことだけ考えているものだ。
勘違いだったとは言え彼女を成均館に引き入れたのは彼で、彼女がここを去りたくないといった時も、許しくてくれた。
彼は、彼女の才能を買っている、という一言で片付けられないほど寛容だ。
それがわかっているからこそ、彼女は、反発しながらも彼の気持ちに寄り添えないことを、内心では詫びていた。
一方のソンジュンは、まだ怒りが冷めない。
もう、誰に対して怒っているのかわからなくなるほど、頭の中は混沌としているが、怒りの矛先をユニに向けたまま、彼女について行く。
ついには、背中を向けたまま部屋の奥へと進み続けるユニの前に回り込んだ。
「僕だって、こんなことを言いたくはない」
ぷいと顔を背けたユニの顎にソンジュンの右手がかかった。
彼女に抗議の声をあげる隙も与えず、彼は唇を押しつけた。
ユニの細い腕が、ソンジュンの首に伸びる。
落ちた袖が彼女の肩に溜まり、腕の白さだけが発光しているように目立つ。
その華奢で白い二本の腕が、ソンジュンの首に回ったのを合図に、二人は夢中で舌を絡め合った。



享官庁の外から、二人を呼ぶジェシンの声がした。
ユニは、びくりと体を揺らして、ソンジュンから離れようとする。
「行かなきゃ」
彼の首に回っていた二本の腕が、広い肩を突っぱねた。
「コロ先輩が探してる」
「だから、駄目なんだ」
ユニは、思う。
硬い胸も、熱っぽい吐息も、射るような眼差しも、ほんの少し触れただけでソンジュンで頭がいっぱいになる。
このまま、二人だけの世界に閉じこもっていたくなる。

二人とも『好き』だけで満足出来ればいいのに。

力が抜けた彼女の首筋を、彼の唇が這った。
「点呼まで、まだ時間はある」
単衣を開く彼の手の動きを追うように、彼女の肌には赤い印が点々とついていった。




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【作品名】駄目なものは駄目

【テーマ】 成均館スキャンダル二次小説  ソンジュン×ユニ  一ヶ月感謝企画 

2014/09/27 Sat. 00:02  tb: 0   コメント: 0

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