芙蓉の書-成均館スキャンダル屋根部屋のプリンス3days二次小説

JYJユチョン主演の韓国ドラマドラマ「トキメキ☆成均館スキャンダル」「屋根部屋のプリンス」「スリーデイズ(3days)」の二次小説ブログです。
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【屋根部屋 二次小説】ゆれる - 1(感謝企画)  

屋根部屋のプリンス連載

一ヶ月感謝企画「イ・ガク×パク・ハ すれ違い」のお話です。
時期は、11話のパク・ハがイ・ガクに告白した後、12話のイ・ガクがパク・ハに告白する前、です。

- - - - - - - -

イ・ガクは、仕事を終えて、ホーム&ショッピングの正面玄関を通り抜けるところだった。
彼を呼ぶ声がして振り返ると、手を振りながらホールを駆けるセナがいた。
「テヨンさん!」
ピンヒールが床に当たるたびに、甲高い音がホールいっぱいに響く。
耳障りだ。彼は顔をしかめた。
すぐに彼に追いついた彼女は、彼の腕に手をおいて、弾む息を整えた。
「テヨンさん、今帰るんですか?」
「はい、仕事が終わったので」
「それなら、お茶しませんか?」
彼女は、婚約者同志なのだから仕事終わりに会うのは当然だと言わんばかりに、満面の笑みで彼の承諾の返事を待っている。
彼は、腕時計の針の位置をちらりと確認してから、行きましょう、と微笑み返した。



今夜、漢江のいつもの場所で。
パク・ハにそう持ちかけたのは、イ・ガクだ。
毎日休むことなく四人の世話を焼く彼女を労ってやるつもりで、食事に誘った。
彼女の気持ちを気にしていないと言ったら、嘘になる。
彼女に応えてやれない申し訳なさが、彼を食事に誘わせたのかもしれない。
彼女は、照れくさそうに口角を上げた。
それからすぐに口を引き締めて
「毎日ごはんを作ってるんだから、当然よね」
と減らず口を叩いた。
普段通りに彼に接しようとする彼女が、痛々しかった。



「こっちは、テヨンさんの分」
セナは、生クリームのたっぷり乗ったアイスコーヒーをテーブルに置くと、分厚いカタログを広げた。
婚約式の会場でもらったカタログなのだと言う。
彼女は、当日のテーブルセッティングを決めたいから一緒に見て欲しいと、お目当てのブーケのページを彼に示した。
「セナさんにお任せします」
「男の人って、いつもそうよね。テヨンさんは違うと思ってたのに」
彼女は、上唇を尖らせて、カタログをペラペラと捲る。
それでもイ・ガクがまるでそれに興味を示さず、彼の両手も膝の上に置かれているのに気付いて、カタログを彼の目の前に押しやった。
「自分で見て下さい」
彼が、仕方なくページを捲り始めたのを確認してから、彼女はコーヒーを啜った。
彼の手が止まりそうになると、彼女の意見が入る。
イ・ガクは、ただ事務的にページを捲り続けた。
その間も、彼の腕時計の針は動き続けている。
時間を気にする素振りを隠そうとしない彼を、彼女は責めなかったが、しかしこの場から開放するまいと、話しかける。
彼は、いたずらに時が過ぎてしまうのを、針の動きで確認するしかなかった。

『今日は、帰るね』

テーブルに置いたイ・ガクの携帯電話が震えた。
待ちくたびれたであろうパク・ハのメールは、彼を責めていなかった。
イ・ガクは、返信をしようと親指を動かす。
セナが、彼の手に触れた。
「テヨンさん、このブーケはどうですか?」
セナの手が、携帯電話を握るイ・ガクの手をテーブルに押し付けた。
「いいですね」
彼は、携帯電話を離して、彼女に微笑んだ。
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【作品名】ゆれる

【テーマ】 屋根部屋のプリンス二次小説  イ・ガク×パク・ハ  一ヶ月感謝企画 

2014/07/18 Fri. 14:50  tb: 0   コメント: 0

【屋根部屋 二次小説】ゆれる - 2(感謝企画)  

屋根部屋のプリンス連載

それから十分ほど、イ・ガクは心ここにあらずのまま、セナに付き合った。
しかし、そんな状態で会話が進むわけもなく、何の結論も出ないまま、ただカタログのページの数字だけが進んでいく。
「また今度にしましょう」
イ・ガクはカタログを閉じ、テーブルの上を滑らせてセナに戻した。
「予定があるんですか?」
「家の者と、約束があるんです」
立ち上がった彼の進路を遮るように、セナも席を立った。
「パク・ハさん?」
彼はそれには答えずに、会釈をした。
彼女の顔から笑顔が消え、彼の腕に手がかけられる。
「パク・ハさんなら、行って欲しくないです」
「セナさんが心配するようなことは、ありません」
彼は、腕にかかる彼女の手を外すこともしないで、彼女の脇をすり抜けようとした。
彼の腕に、彼女の指が食い込む。
「すみません。また明日」
彼がまた会釈をすると、彼女の腕がだらりと落ちた。



イ・ガクは、店を出るとすぐにパク・ハに電話をかけた。
だが、電源が切れていて繋がらない。
彼女はいつもそうだ。彼が必要な時に、応えてくれない。
いらいらとチサンに電話をすると、彼はすぐに出た。
「今、どこにいるのだ?」
「家に戻っています」
「パッカもいるのか?」
「はい。チョハ」
彼女の居場所が掴めると、彼のささくれだった心は静かになった。
安堵で、ふぅ、と小さな息を吐く。
彼女が肩を落として帰路に着いたのは、想像に難くなかった。
気づくと彼の口からは、パッカは泣いているのか、という呟きが漏れていた。
「いいえ、チョハ。はしゃいでいますよ」
「そうか」
「四人でハンバーガーを食べています」
バス停への道を急ぐ彼の横を、客探しのタクシーがのろのろと通り過ぎた。
彼は、そのタクシーに飛び乗る。運転手に行き先を告げ、また電話に戻った。
「パッカに今から帰ると伝えてくれ」
以前、彼女の誕生祝いの食事に行けなかったことがあった。
その時も、彼女は臣下たちと騒いでいた。
イ・ガクは、今ならわかる。彼女は、約束を反故にされたことに傷ついて、それを見せまいと笑っていたのだ。
最後に彼女は、自分の腹を殴った。
彼女は、芯の強い女人だ。だから気づけなかった。
あんな風に冗談でしか彼女は気持ちを表せないと、もっと早くわかってやるべきだった。

迎えに行くから待っていろ。

メールを貰った時、言ってやればよかったのだ。
たった一言が、言えなかった。




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【作品名】ゆれる

【テーマ】 屋根部屋のプリンス二次小説  イ・ガク×パク・ハ  一ヶ月感謝企画 

2014/07/20 Sun. 12:59  tb: 0   コメント: 0

【屋根部屋 二次小説】ゆれる - 3(感謝企画)  

屋根部屋のプリンス連載

タクシーを降りて、屋根部屋を見上げる。
煌々と明かりが灯る屋根部屋の窓は、四人がまだ騒いでいることを伝えている。
パク・ハを傷つけた。すまなかったと、早く声をかけてやりたい。
イ・ガクは、階段を駆け上がった。



四人は、リビングのテーブルにジャンクフードを広げて、騒いでいた。
テレビは大音量で鳴り響き、バラエティ番組の出演者がおかしなことを言う度に、皆で手を叩いて笑っている。
チサンが電話で話していたように、彼女は明るかった。
はしゃぐ、と形容したチサンの言葉が的確過ぎるほど、明るかった。
「ご飯食べた?チメクあるよ」
パク・ハがビールの缶とチキンを持ち上げて、イ・ガクを呼んだ。
彼が、四人の盛り上がりに気後れして、輪に入れないと勘違いしたようだった。
「ああ」
リビングに足を踏み入れると、臣下たちは立ち上がって彼に挨拶をした。
パク・ハも立ち上がり、リビングを出ていこうとする。
彼は、彼の横を通る彼女の手首を掴んだ。
「どこへ行くのだ?」
「お皿が足りないから、キッチンに取りに行くの」
アルコールのせいで、彼女の頬は赤く蒸気していた。
だが、彼を見返す眼差しは明瞭だ。
唇の両端は上がっている。
彼にはそれが、彼に隙を見せまいとする彼女の意思の表れに感じられた。
「そうか」
イ・ガクは、パク・ハの手首を離す。
キッチンへと進む彼女の後ろを、彼はついて行った。
「ハンバーガーも買ったんだけど、みんなで食べちゃったの。お腹空いてる?オムライス作るよ?」
「いや、作らずとも良い」
パク・ハは、キッチンに入ると、先ほどの言葉通りに棚の扉を開けて皿を取り出した。
イ・ガクは彼女の隣に立ち、彼女の細い肩に右手を置いた。
「今夜は、すまなかった」
彼女の肩が、一瞬揺れた。
彼は、理由を言えなかった。
彼女も、理由を聞かなかった。
彼が理由を言わなかったことが、理由を明確にしていた。
彼も、それで彼女が何も問わないのだと、わかっていた。
「この前みたいに、一発殴らせてもらおうかな」
「殴っても良い」
「こういう冗談はね、真に受けたら面白くなくなっちゃうの」
彼女が振り向いて言う。
「気にしてないわよ。みんなと騒げて楽しかったし」
彼女はさっき、か細い肩を揺らしたが、今は何もなかったかのように笑顔を作っている。
彼は、彼女の笑顔を直視できずに、目を伏せた。

やはり、言ってやればよかったのだ。
迎えに行くから待っていろ。と。

ズボンのポケットに入れていた携帯電話が鳴った。
ポケットから取り出すと、ディスプレイはセナからの電話であることを告げていた。




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【作品名】ゆれる

【テーマ】 屋根部屋のプリンス二次小説  イ・ガク×パク・ハ  一ヶ月感謝企画 

2014/07/28 Mon. 21:24  tb: 0   コメント: 0

【屋根部屋 二次小説】ゆれる - 最終話(感謝企画)  

屋根部屋のプリンス連載

パク・ハは、携帯電話を一瞥してからイ・ガクに視線を向けて、出ないの?と言った。
彼女の顔は、お面を被っているかのように表情を失っていたが、すぐに、思い出したように口角を上げた。
唇の端が少し震えている。
無理に両端の筋肉を引き上げたせいだろうか。
出なくても良い。彼はそう言おうとして、口を開いた。
しかしそれより一寸先に、彼女はキッチンを出て行ってしまった。
彼は、携帯電話の電源を切って、ポケットにそれを押し込んだ。



イ・ガクがリビングに戻ると、もうそこにパク・ハはいなかった。
「チョハ、パク・ハさんが用意してくれました」
マンボは、ローテーブルに整えられた皿を示した。
ピザやチキン、サラダが食べやすいように並べられている。
ワインクーラーの中に無造作に積み上げられたビール缶はよく冷えており、マンボはそのうちの一つを取り出し水滴を拭ってイ・ガクに手渡した。
「そなたらも、食べたのか?」
イ・ガクは、臣下たちに今夜は外で食事を済ませるように申し付けていた。
しかし、今目の前に広げられている食べかけの食事の量は、食後につまんだにしては多すぎる。
「パク・ハさんが、一緒に食べようと電話をくれました」
繁華街を歩きながら店を選んでいた彼らとパク・ハが落ち合って、ファストフード店で食事を調達して帰った、と言う。
イ・ガクは、そうか、と呟き彼女の用意した皿に手を付けた。
「今夜はパク・ハさんと約束があったのではないのですか?チョハ」
「パッカは何か申していたか?」
「いえ、何も聞いておりません」
再び、そうか、と呟いたイ・ガクに対し、マンボは深追いをしなかった。
他の二人同様に、テレビ画面に視線を戻す。
イ・ガクは手を叩いて笑う三人の横顔を眺めながら、チキンを口に入れた。



イ・ガクは自室に戻るとベッドに体を投げ出した。
両腕で目を覆い、そのまま横たわっていると、唇を震わせて無理に笑顔を作っていたパク・ハが瞼の裏に浮かんだ。

迎えに行くから待っていろ。

言っていれば、あんな顔をさせなくて済んだ。
だがそれを言って、どうなったというのか。
今こうして後悔することに何の意味があるのか。
結局、ホン・セナと婚姻関係を結ぶことに変わりはない。
いくら考えても、己がもたらそうとしている結果は同じだ。
だから考えても、どうしようもないのだ。進む道は、一つしかないのだから。
イ・ガクは寝返りを打って、苦笑いをした。
人は、眠りに入っているのだと自覚する時がある。
彼も、瞼の裏のパク・ハがぼやけていくのを眺めながら、思考の堂々巡りを繰り返しながら、今自分は眠りかけているのだ自覚した。
そしてその自覚も徐々に混沌としていった。



朝、キッチンで、パク・ハは臣下たちに囲まれて楽しそうに朝食の準備をしていた。
イ・ガクは、キッチンに入ろうとする足を止め、その場で立ち尽くした。
彼女は彼に気付いてもいないが、しかし、彼の心臓は、彼女の手が肌と肉を突き破り直接心臓を掴んだかのように、ぎりりと痛んだ。
彼は、彼女の笑顔を見て、何故謝ることに彼が固執していたのか、気が付いた。
強がりではない心からの笑顔で、彼女に彼の後悔を取り除いて欲しかったのだ。
そうしてくれたら、胸のつかえが消えて、楽になって、それから。

二人で笑い合える。

彼女の気持ちに応える気はないのに、その要求は酷く自分本位だ。
彼は下唇を噛んで、彼女から目を逸らした。




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【作品名】ゆれる

【テーマ】 屋根部屋のプリンス二次小説  イ・ガク×パク・ハ  一ヶ月感謝企画 

2014/08/06 Wed. 12:32  tb: 0   コメント: 0

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