芙蓉の書-成均館スキャンダル屋根部屋のプリンス3days二次小説

JYJユチョン主演の韓国ドラマドラマ「トキメキ☆成均館スキャンダル」「屋根部屋のプリンス」「スリーデイズ(3days)」の二次小説ブログです。
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【テーマ】

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【成均館 二次小説】全部君のせい - 1(感謝企画)  

成均館スキャンダル連載

ソンジュンは、縁側で頭を抱えて深い溜息をついた。
彼の悩みの原因は、他でもないユニだ。
月出山でユニが女人と知ってから彼女がくちづけをくれるまで、彼は彼女の心がどこにあるのかわかりさえすれば、穏やかに日々を過ごせると思っていた。
ところが、実際は、彼女に恋焦がれていた頃と変わらず、彼女の滑らかな頬に触れたくなる。
接吻の柔らかさを思い出し、赤い唇を奪いたくなる。
古くからの習わし通り、婚礼の儀式まで二人がろくに会えないのなら、毎日、彼女の甘い香りに苛まされることもなかったはずだ。
少し恨み事めいた方向に思考が進み、彼は己を戒めた。
自分は幸せなのだ。
彼女に出会わなければ、恋の本質も知らぬまま、ヒョウンか父の見つけてきた他の両班の息女と結婚していたに違いない。
こうなっては想像も出来ないが、もし別の女人と恋仲になっても、夫婦が別々の棟に部屋を構えるぐらいだから、結婚前に同室で過ごすなどありえない。
結婚後は、義務的に子を儲けて、国事とイ家の繁栄に邁進していたのだろう。
子を儲ける。
ここに思い至り、ソンジュンは頭を垂れたまま、再び重いため息を吐いた。
ユニの衿を少し開いて手を差し込めば、ふくよかな乳房を手のひらに感じることが出来る。
そんな風に夢想したのも、一度は二度ではなかった。
以前は、ユニの微笑みが誰に向けられているかで一喜一憂していたのに、ずいぶん欲深くなったものだ。
欲に振り回されているようでは、君子と言えない。
けれど、今まで読んできた書物には、同室で君子らしく女人と過ごす術は書かれていなかった。
唯一、ヨンハがくれたあの赤い本だけが……決して君子らしくはないが……女人の扱いに言及している書物だ。
ソンジュンの脳裏に艶かしい男女の墨絵が現れ、その絵の男女が、すぐに中二房の二人に置き換わる。
彼は、ごくり、とつばを飲み込んだ。
同時に、情欲に振り回される自分に落胆し、両手で顔を覆った。



「イ・ソンジュンさまー」
彼を呼ぶ幼い声に促され、ソンジュンは顔を上げた。
今日の仕事を終えた斎直たちが、庭の隅で追いかけっこをしていた。
盗難騒ぎ以来、花の四人衆に懐いている斎直のポクトンが、鬼から逃げる足を止めて手を振っている。
ソンジュンと目が合うと、彼は、こちらに向かって駆け出した。
短い腕を懸命に振る様は、微笑ましかった。
目と鼻の先の距離だが、彼にとっては長いのだろう。ソンジュンの元に着いた時には、彼は、息を切らしていた。
「イ・ソンジュン様、頭が痛いの?」
ポクトンは、息切れの合間に、声を振り絞った。
「そうではないんだ」
ソンジュンは、爽やかな青空を見上げた。
雲が右から左へゆっくりと流れている。
彼を見つめる幼く純真な瞳と、澄んだ空。
清らかな風景は、ソンジュンの思考を、再び己の中で燻るユニへの執着に戻らせた。
ポクトンは、まだ、欲を知らない。
たった一人の女人の心を得たいが為に我を忘れることも、その女人の瑞々しい唇が理性を奪うことも。
体の奥に潜む熱も、まだ、知らないのだ。
「あ、キム・ユンソク様だ!」
尊経閣から戻ってきたユニに、ポクトンは手を振った。
「ポクトン、今日も頑張ったね」
彼女はソンジュンの隣に腰掛け、ポクトンを膝に抱いた。
「キム・ユンソク様、イ・ソンジュン様の具合が悪いの」
え?と目を見開いて、ユニはソンジュンの様子をうかがった。
「どこも悪くない」
「そう?熱は?」
ユニが手を伸ばしたので、ソンジュンは思わず後ろに体を引いた。
彼が触れたいと願う白い手が、突然、馬の鼻先に人参をぶら下げるかの如く目の前に迫ったから。
「ふふ。変なの」
ユニは、もう一度手を伸ばし、彼の頬に触れた。
白い手はひんやりとしていて、ソンジュンに、彼女が女人だということを更に意識させた。
「熱はないみたいだね」
「だから、言っただろう」
ソンジュンは、頬に当てられた彼女の手を、手のひらで上から押し付けた。
その手は逃げなかった。
「ずるい。僕も手をつなぐ!」
ポクトンが大声をあげたので、ソンジュンは慌ててユニの手を離す。
ソンジュンとユニは、差し出された小さな両手と、手を繋いでやった。
「僕、イ・ソンジュン様とキム・ユンシク様のこと、兄上の次に好きだよ。ムン・ジェシン様と、ク・ヨンハ様も好き」
ポクトンが喜んだからだろう。ユニは朗らかに笑った。
ユニは、男のソンジュンよりも、よっぽど堂々としている。
結局、胸を熱くしたり、狼狽えたりしているのは、自分だけらしい。
ソンジュンはまた、空を仰いだ。

- - - - - - - -
一ヶ月感謝企画の「ソンジュン×ユニ 就学中」のお話で、お題は、「ユニが女の子とわかった後(触れたい、キスしたい、やりたい!?と悶々としているソンジュン」「ユニにキスされた後ぐらいの話 ドラマ編」「ユニが女性と自分だけ知っていると思っているソンジュン。男の嫉妬」です。
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【作品名】全部君のせい

【テーマ】 成均館スキャンダル二次小説  ソンジュン×ユニ  一ヶ月感謝企画 

2014/05/23 Fri. 20:25  tb: 0   コメント: 0

【成均館 二次小説】全部君のせい - 2(感謝企画)  

成均館スキャンダル連載

再び追いかけっこの輪に入ったポクトンと入れ替わるように、ジェシンが戻ってきた。
ジェシンによく懐いているユニは、おかえりなさい、と笑顔を向ける。
中二房に入ってからも、ユニとジェシンは冗談を言って笑い合っていた。
ソンジュンは、一人渋い顔をして、書を広げた。
彼も、不愉快ならば、この房室を出れば良いことはわかっている。
けれど、ユニを他の男と二人きりにしたくないのは、ごく自然な感情だ、と思うのだ。
彼は、はっ、と短い息を吐いて、二人から視線を外した。
ざわざわと乱れる心と戦いながら、ユニが、「礼節を必死で守っているのは、君が良き人であろうと頑張っているからだ」と言ってくれたことを、思い出した。
まだ二人が「男同士」だったあの頃、彼女は、彼女自身よりも彼のことを信頼していた。
しかし、今の彼は、この体たらくだ。
同室生で、かつ先輩のジェシンに対する嫉妬心すら抑えられない。
「コロ先輩、今夜はヨリム先輩と約束は?」
ソンジュンの質問に対する答えは、期待はずれだった。
「約束なんかない。二人一組みたいな言い方をするな」
ユニが笑いながら、会話に入る。
「でも、出掛けないなんて、珍しいですね」
「お前!俺は毎晩飲み歩いてないぞ」
ソンジュンは、いつまでも続く二人の笑い声に我慢がならず、咳払いを何度もした。
しかし、二人は彼の険悪な気配に気付いてもいないようだった。
何度、嫉妬と自己嫌悪の狭間で苛まされたことだろう。
君子として嫉妬心は持ってはならぬと、決まって最後には頭を抱えるにも関わらず、むくむくと湧き立つ感情を抑えられなかった。
悔しいことに、ジェシンとユニが並ぶと似合いに見えなくもない。
男色騒ぎの時は、噂も後押しして、二人が恋仲だと思い込んでしまったほどだ。
加えて、当初より二人の間にはユニをめぐる牽制めいた空気があった。
未だに、ジェシンの口から彼女の名前を聞くと、平常心を保つのに苦労する。
ユニは、ソンジュンを信じているというのに。



「キム・ユンシク、尊経閣へ行こう」
結局今回も、ソンジュンは感情を抑えることが出来ずに、二人の会話を妨げた。
文机を片付けて、ユニの腕を取る。
彼女は、笑顔を残したまま、彼を見上げた。
「さっき行ったばっかりだから、必要ないよ」
「ここでは勉強に集中出来ないんだろう?書物すら開いていない」
ソンジュンが強引にユニの腕を取って彼女を立たせたので、ユニとジェシンが同時に大声を出した。
「ちょっと……イ・ソンジュン!」
「おい、カラン!」
ソンジュンは、ユニはともかくジェシンの抗議には腹が立って、そのまま扉の外に出た。

彼女について、庇うような発言は許せない。
先輩に、そんな権利があるとも思えない。
だいたい“キム・ユンシク”は男じゃないか。
ちょっと引っ張るぐらいで、とやかく言うのは、おかしい。

ソンジュンは、縁側を降りて乱暴に靴を履く。
腕を掴んだままにもかかわらず、彼女が靴を履くのも待たずに大股で歩きだした。
危うく転びそうになりながらも必死について来るユニを、彼は険のある声で責めた。
「旬頭殿講が近いのに、随分余裕があるんだな」
「そういうわけじゃないけど……君こそ、旬頭殿講の為にあくせく勉強するなんて、意外だな」
「僕は問題ない。君の話だ」
本当は、この時間に書物を開かなかったぐらいで、彼女の旬頭殿講が危うい結果になるとは、思っていない。
だが、あの中二房から彼女を連れ出す口実は、これぐらいしか思い浮かばなかった。
「まぁ、君は今度も首席だよね」
中二房から距離が離れるのと比例するように、ソンジュンの歩みの速度は緩まっていった。
尊経閣に入ると、幾分、彼の気持ちも落ち着いてきた。
幸い、中には誰も居ない。
彼は、ぎゅっと掴んでいた彼女の腕を離した。




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【作品名】全部君のせい

【テーマ】 成均館スキャンダル二次小説  ソンジュン×ユニ  一ヶ月感謝企画 

2014/06/10 Tue. 14:44  tb: 0   コメント: 0

【成均館 二次小説】全部君のせい - 3(感謝企画)  

成均館スキャンダル連載

勉強をするために尊経閣に連れ出されたと信じているユニは、ソンジュンに
「次は、どの書物から出題されると思う?」
と聞いた。
「さあ……」
彼は熱意を持ってユニを連れ出したはずなのに、ここに来てからは、憑き物が落ちたように、呆けていた。
「イ・ソンジュン!」
声量を上げて名前を呼ばれた彼は、あ、と声を出した。
「山をはらないで、苦手な書物を読むべきだ」
彼女は、早くも書物を物色している彼の隣に立つ。
「君は何を読むの?」
「まだ読んでない書物がないか、探しているんだ」
旬頭殿講で、彼の読んでない書物から出題されることはない。
己の旬頭殿講は問題無いと言い切った、彼らしい返事だった。
「勉強をする必要がないなら、僕に付き合わなくても良かったのに」
「ちょうど尊経閣に来たかったからだ。君に付き合ったわけじゃない」
徐々にいつもの調子を取り戻してきた彼は、また険のある声を出した。
ユニは、口を尖らせて抗議する。
「さっきから機嫌が悪いよね」
「そんなことはない」
「八つ当りされたって、理由がわからなきゃ、こっちは何もできないよ」
ユニは、くるりと彼に背中を向けた。
同時に、赤い布が被せられた大きな机が、彼女の視界に入った。
尊経閣の奥まった場所に、階段を数段上がる必要があるその場所に、儒生たちが落ち着いて書物を広げられるようにと、机が置いてある。
赤い布は、一見華やかさを演出するために被せられているように見えるが、恐らく学問好きの先輩たちが落とした墨の染み付いた跡を隠すためだろう。

ソンジュンが勉強をしろと言うのなら、あの如何にも秀才の英気が篭もってそうな机で勉強してやる。

彼女は、手当たり次第に本棚から書物を取り、わざと大きな音を立てて階段を上がる。
こちらを窺うソンジュンを上からひと睨みして椅子に座ると、頬杖をつき書物を広げた。
もう君なんか知らない、そう言うかのように。



ユニを中二房から連れ出せたことで、ソンジュンのささくれだった心も一旦は静かになった。
けれど彼は、悪びれない彼女に苛立ち、結局つまらない態度をとってしまった。
幼い頃母親に叱られた時のように、居心地が悪い。
しかたなく、彼も彼女の隣に座った。
ところが、彼女は立ち上がり、向かいの椅子に移ってしまう。
ふん、と言う声まで聞こえてきそうなほど、彼女は不機嫌さを隠そうとしなかった。
「理由を言うまで、君とは話さないよ」
「コロ先輩と、仲が良いな」
そう本音を言ってしまってから、ソンジュンは俯いた。
常に正しい人であろうと努力してきたせいで、適当な話で場を誤魔化す術を身に付けてこなかった。
寧ろ、そんな風に振る舞う輩を軽蔑していたほどだ。
しかし、こと男女の関係に於いては有効らしい。少なくとも君子らしく毅然と振る舞うためには。
机にかかっている赤い布と変わらぬほど、彼は、自分の頬が火照るのを感じた。
なんとか背筋を伸ばして座っているが、机の下に隠れてしまいたいぐらい恥ずかしい。
「君も仲がいいよ。コロ先輩と普通に話せるのは、僕たちとヨリム先輩だけだよ」
頁を捲りながら、ユニは続ける。
「男の友情に腹を立てるの?」
「だけど」
ユニを前にすると、ソンジュンは調子が狂ってしまう。
何を言うべきか頭の中で整理してから口を開くのが彼のやり方なのに、反論したいという気持ちが先走って、何も考えずに、だけど、と言ってしまった。
黙っている彼に、ねぇ、とユニは話しかける。
「イ・ソンジュン。君、焼きもちを焼いてる?」
「な……」
「図星だね。コロ先輩に、焼きもち焼いてるんだ?」
ユニが、立ち上がった。
ついさっき彼を避けた彼女は、急に笑顔になってソンジュンの隣りに座った。




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【作品名】全部君のせい

【テーマ】 成均館スキャンダル二次小説  ソンジュン×ユニ  一ヶ月感謝企画 

2014/06/23 Mon. 19:13  tb: 0   コメント: 0

【成均館 二次小説】全部君のせい - 最終話(感謝企画)  

成均館スキャンダル連載

それきり、ソンジュンは黙りこくってしまった。
ユニは、彼の沈黙を肯定と捉えて、無理に返事を聞き出そうとしなかった。
君の言い付け通りに勉強しようかな。彼女は笑顔で書物を開いた。
最終的には四十三万文字を頭に叩き込んでから科挙に望まなければならないから、勉強には常に暗唱がついて回る。
ユニは小声で目の前の文字を追い始めた。
手持ち無沙汰なソンジュンも、彼女の持って来た本を適当に手に取った。
気を許しているせいで普段より少し高めのユニの声が、二人きりの尊経閣を暖かく満たした。



ユニがソンジュンの心を奪って以来、彼女の唇は、いつも彼を惑わした。
加えて彼女を中二房の外に連れ出すという目的を達成してしまった今の彼は、ユニに触れたい、という一点しか、頭にない。
彼は、開いた書物をまったく読まずに、彼の左側に座るの彼女の横顔を見つめた。
小さいながら普段よりも可愛らしい声は、紡いでいる言葉が堅い内容にも関わらず、彼の耳に心地良かった。
赤ではなく桃色がかった薔薇色の唇が声を出す度に小さく動いていて、柔らかそうだ。
その弾力を感じさせる皮膚の瑞々しさは、彼の目よりも彼の唇がよく覚えている。
昼間、彼は東斎の縁側で己の欲の強さに落胆したばかりだった。けれど、それでも。

今なら、接吻できる。

ソンジュンは、彼女の方に顔を寄せようとしたが、しかし、唐突すぎると思い直した。
彼女が机に乗せている、白い手に視線を移す。
彼の大きな手にすっぽりと収まりそうな華奢な彼女の右手は、机の上に置かれていた。
彼は、左手をじりじりと動かして、その手に寄せる。
彼の左手の甲と、彼女の右手の甲が当たった。
ユニが、大きな目でソンジュンを見上げた。
まっすぐな、いつもの彼女の瞳だ。
ソンジュンは、彼女の瞳から目線を落として、彼女の唇を見た。
彼の手首は、彼女の手を包み込むために角度を上げ、長い指が、彼女の甲に触れる。
だが、今まさに彼女の手を掴もうと言う瞬間に、彼女の手はするりと彼の手をすり抜けた。
「鐘が鳴ってる」
ユニが、夕餉の時間だとソンジュンに告げた。
ソンジュンは、慌てて前を向いて手も机の下に引っ込めた。
心臓の鼓動を落ち着かせようと右手を左胸に置き、濃紺の快子(ケジャ)をぎゅっと握る。
「ここに」
ユニがソンジュンに声をかけた。
彼が振り返ると、彼女は、彼女の唇の端を指さした。
「ここ?」
彼も心臓に当てていた右手で自分の唇を指す。
「ううん、こっち」
彼女の指が伸びて、彼が指していたのと逆側の皮膚を押した。
彼女の指先は唇の上に押し付けられているが、指の腹が唇に触れている。
まるで接吻のようだ。
「ここに、ほくろがあるんだね」
彼女の指はすぐに離れてしまった。
移動するために彼女は立ち上がったが、彼は座ったまま再び心臓の上に手を置いた。
心臓の鳴る音が、耳の奥まで響いている。
彼女が書物を全て棚に戻し終わり、お腹が空いたから早く行こうと扉の前で大声を出して、彼はやっと腰を上げた。
彼が尊経閣の外に出ると、彼女はずっと先を歩いていた。



ソンジュンは、ユニに追い付こうとせずに、ゆっくりと歩みを進めた。
両手を後ろに組んで前へ進む様はいつもと変わらず、英明な横顔は何の迷いも感じさせない。
しかしソンジュンの心の内は、彼女に触れられた胸の高鳴りと、彼女に触れられなかった落胆と、この後顔を合わせなければならないジェシンへの嫉妬が、撚り合わせられた糸のように絡み合っている。
中二房に戻ったら、再びユニとジェシンの楽しげな会話を聞くことになるだろう。
未だ唇に残るユニの体温は、彼を寝させないに違いない。
ジェシンを隔てているとは言え狭い中二房だから、今夜も彼女の寝息が耳に纏わりつくはずだ。

僕に出来るのは、こうして空を見上げることだけだ。

すっかり暗くなった空は薄っすらと雲がかかり、星の瞬きはぼんやりとしている。
その様は、葛藤を続ける彼の心のようだった。




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【テーマ】 成均館スキャンダル二次小説  ソンジュン×ユニ  一ヶ月感謝企画 

2014/06/26 Thu. 15:39  tb: 0   コメント: 0

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