芙蓉の書-成均館スキャンダル屋根部屋のプリンス3days二次小説

JYJユチョン主演の韓国ドラマドラマ「トキメキ☆成均館スキャンダル」「屋根部屋のプリンス」「スリーデイズ(3days)」の二次小説ブログです。
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成均館スキャンダル読切 一覧

【成均館 二次小説】俺はク・ヨンハだ  

成均館スキャンダル読切

王の怒りがとけユニが戻ってきたのが、今日の昼間。
ヨンハは舞うようにあちらこちらを練り歩き、礼と法を重んじるソンジュンは、ゆるむ頬を引き締めるつもりもないらしい。
事情を知らない儒生たちは、いきなり消えたユニが戻ってきたことを喜んだ。
頓挫していた紅壁書事件解決の祝宴を今夜にでも、と盛り上がっている。
成均館の誰も彼もが明るい、そんな中。
一人悶々とする男がいた。
その男は、ムン・ジェシン。
彼の悩みはただ一つ。


これから俺は、どこで寝ればいいんだ!?


愛し合っている男女と同室だとわかれば、誰だって同情するし、喜んで部屋に迎える者も出てくるだろう。
愛し合っている男女と同室だと、言えれば!
・・・とりあえず、今夜は博打でも打って夜を明かそうか。
ジェシンは、泮村に通じる門に向かって歩く。
しかし、そんなことはお見通しと言わんばかりのヨンハが、ジェシンを待っていた。
「中二房に戻るぞ」
「ほっとけ」
だが、なにか企んでいる時のヨンハに適う者はいない。
この細い腕のどこにそんな力が!?と不思議なぐらいの怪力で、ジェシンは引き摺られて行った。



「君が壁側で、僕が中央だ」
ソンジュンが冷静にユニに指示をする。
何か考えがあってヨンハがこの部屋に来たことはわかっていた。
変なことになる前に、決めてしまいたかったのだ。
しかし、悪巧みに関しては百戦錬磨のヨンハ。
そうは問屋が卸さなかった。
「いやいや、コロ、お前が真ん中だ」
ヨンハはご機嫌な様子で三人分の布団をひき始める。
「結婚前の男女に、間違いがあってはいけない」
枕を並べながら、頷く。
「ああ!カランに俺の秘蔵の艶本を渡したのも間違いだった。今や知識が命取りだ。あれは返してもらおう、どこだ?」
「それなら、毎晩熱心に読んでたよね?」
すこし不機嫌な声で、ユニが答えた。
ヨンハはユニの正面に立ち、両肩を掴むと、心底誠実そうに訴えた。
「テムル、カランは『男を好きになった』ってそれはそれは悩んで、泣きながら俺にすがって・・・。
だから、毎晩熱心に読んでいたことも許してやってほしい。男の性というも・・」
「ヨリム先輩!」
それ以上続けられるのは耐えられない。
ソンジュンは、ヨンハの肩を引っ張った。
「カラン、感動的だっただろ?俺の蔵書の中でも、あの本は一二を争う傑作だ」
今度は、ユニの横に並び肩を抱いた。
「・・・ん?あれはもしかすると、テムル、お前の写本か?」
ぎくり。
それはソンジュンの前で一番出してはならない話題。
ユニは焦りすぎて、「あ・・・」とか「え・・」とか、言葉にならない言葉を発した。
「違う本だったかな。でも、確かにお前は俺に艶本の写本を売った。2両追加して支払った記憶があるぞ」
ユニが黙っていることをいいことに、ヨンハは気持ちよく続ける。
そして、ユニの頭を撫でながら、最後の爆弾を投下した。
「テムル。お前は注解本も難なく暗記する賢い奴だ。艶本も全部覚えてるだろ?あれに書いてあった、あんなことやこんなことを、これから全部体験できるぞ」
「おい、やめろ!」
そんな話は初耳のジェシンが叫んだ。
ユニは耳まで真っ赤になって、硬直している。
ソンジュンに至っては、あまりの内容に、無言でユニを睨みつけた。
ヨリム先輩に艶本の写本を売っただって?
「でも、ここはだめだ。なんと言っても、孔子を祭る成均館だからな」
ヨンハは扇子を優雅に振った。
「コロは真ん中。カランが壁側」
用事は済んだとばかりに、ヨンハはしなを作って中二房から出て行った。
「今までと変わらないですね」
怒り冷めやらぬソンジュンが、ぼそりとつぶやく。
そう、現状維持だ。
ならば、この騒ぎは何の為に?
結局、ヨンハが楽しんだだけではないか。
「くそ!」
コロは枕を蹴飛ばすと中二房から出て行った。



しばしの沈黙の後、ソンジュンの詰問が始まった。
「君は3回やったと言った。そのうちヨリム先輩は何回なんだ?」
「・・・1回・・・かな?」
ユニは少し後退りしながら、答えた。
「それは確かなのか?」
「覚えてないよ!成均館に入る前のことだから」
買い手なんて誰でも良かったし、女とばれないように始終俯いていたし!
ユニは扉の方を向いて、むくれた。
と、絶妙の間で扉が開いた。
「まあまあ、終わったことだし、いいじゃないか」
中二房を散々ひっかきまわしたヨンハが、コロを連れて戻ってきたのだ。
「コロは絶対に中二房で寝ること。三人とも今夜はゆっくり休め。じゃ、おやすみ」
重い沈黙が流れる。
「寝る場所は、また明日、話し合いましょう」
ソンジュンの提案に、二人は無言で布団に入った。



ヨンハの言う通りに並んだものの、三者三様、消化不良の思いが巡る。
結局、空が白む頃になっても、互いの気配を感じながら息を潜めていた。
ジェシンは、重い溜息を吐いた。


結局、一番辛いのは俺じゃないか!


あの野朗、覚えておけ。
ジェシンは頭から布団を被り怒鳴った。


「お前ら、さっさと寝ろ!」




-- -- -- --
花の四人衆全員がユニは女子と認識し合った後、中二房の寝る場所はどうなったんでしょうかw
コロはコロなりの正義感で真ん中を陣取ってたわけですが、ユニとソンジュンが恋人同士ということが4人の秘密になってしまったら、「俺は真ん中!」も主張できないですよね。
というわけで、妄想してみました。


全国のク・ヨンハ派の皆様。
「俺はク・ヨンハだ」
回を追うごとに感動的になっていったこのセリフをこんなしょうもない話のタイトルに使ってしまい、スミマセン。




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【作品名】俺はク・ヨンハだ

【テーマ】 成均館スキャンダル二次小説  花の四人衆 

2013/12/24 Tue. 16:16  tb: 0   コメント: 3

【成均館 二次小説】ソンジュンの憤懣  

成均館スキャンダル読切

毎日の勉学で縮こまった体を動かそうと、多くの儒生たちが丕闡堂に集まっていた。
ピシッ、ピシッと小気味良い矢の音が空高く響く。
ソンジュンも空いている的を見つけ、弓を構えた。
彼の手を勢い良く離れた矢は、次々と的の中央に突き刺さった。
「没技(モルギ)だ!!さすがイ・ソンジュンだなぁ」
隣の的を使っていた儒生が、敵わないと言った調子で手を打った。
「左手はどうだ?まだ出来るか?」
「どうかな。あれから左手を使ってないから」
「じゃあ、やって見せてくれよ。没技は無理でも、的には当てられるんじゃないか?」
「いや、やめておく。もう必要のないことだ」
「相変わらず堅い男だな。あぁ、つまらん、つまらん」
話しかけてきた男が他の儒生たちの和に加わるためにその場を離れたが、ソンジュンは気にせず矢を打ち続けた。
ソンジュンにとっての大射礼は、周りの皆が考えるほど、良い思い出ではない。
弓の持ち方さえわからなかったユニがハ・インスを打ち負かしたとか、党派を超えた蕩平組が美しい友情で優勝したとか、大射礼は成均館で未だに語られている。
ユニも例外ではなく、その話題になるといつも誇らしげで、「僕はテムルだ」と胸を張った。
もちろん、彼女に言った「君を誇りに思う」は、ソンジュンの本心だ。
今も誇りに思っている。
しかし。

僕が彼女に施した練習法は、あまりに酷い。

憤懣やるかたない、とはまさにこのことだ。
大射礼の話題が出るたびに、自分を殴りたくなる。

僕は何故、ユニが女人だということに気づけなかったのか。

ソンジュンの矢は次第に勢いを失い、四方八方に飛んでいった。



「調子が悪いね」
いつの間にかソンジュンの傍らにユニが立っていた。
「考え事をしてたんだ」
ソンジュンはユニの顔を見ずに答えた。
「君子固より窮す。小人窮すればここに濫す」
そう言って、ユニが笑う。
君子は行き詰まってもみだれることはない。だから、その先に道がある。小人はみだれるから、その先に道はない。
正しき学士たる君が、乱れているの?
「別に行き詰まってるわけじゃない」
わかっていてからかってくるユニが憎たらしい。

君のことで、乱れているのに。

ユニは、憮然としたソンジュンの手から弓矢を奪うと、それらを構え、矢を放った。
しかしその矢は、初めて弓を握ったあの頃のように、頼りなく地面に転がった。
「もう的まで届かなくなっちゃった。練習が必要だね?」
「それは・・・しなくていい」
「でも、君にあんなに頑張ってもらったのに、悪いよ。せめて、的に届くようにしなきゃ。ね、ちょっと見てて。構えは、こう?」
「大射礼は終わった。必要ない」
「もう、わからず屋!いいから、お願い!」
ユニは両手で弓を抱きしめると、ソンジュンににじり寄った。
見上げてくる大きな瞳に、どきりと胸が波打った。
彼女が時折見せる女らしい仕草は、こんなにも可愛らしく、魅力的だ。
だからこそ、弓なんか教えたくないのに。
「・・・わからず屋は君だ。しかし、僕に申し訳ないというのが理由なら、少しだけなら、教えないということもない」
結局、真っ直ぐに見つめられて、ソンジュンは折れた。
ユニは再び弓を構え、ソンジュンは彼女の肩に手を置く。
「もっと胸を開いて」
か細い肩が、引いた弦をそのままためることに耐えられず、震えた。
大射礼の時も、そうだった。
「肩は華奢で狭く、弓を引く力も弱い。呼吸は乱れ、足の踏ん張りもきかない」と口にさえした。
あの時感じた違和感を、何故、追求しなかったのか。

ユニは、こんなにも、女だ。

「やっぱり、やめよう」
ソンジュンはそれだけ言うと、ユニから弓を取り上げた。
「僕は部屋に戻る」
「まだ何も教えてもらってないのに・・・」
後ろでユニが文句を言っているが、ソンジュンは構わず丕闡堂を後にした。
正直、彼女を構う余裕がなかった。
あの時の、肩で息をし必死に自分に食らいついて来たユニが、ちらつく。
自分がしでかした数々の仕打ちを思うと、とても彼女の前に立っていられなかった。

野山を全速力で走らせた。
手から出血をしても、休ませなかった。

彼女を、木に吊るした・・・!

気が付くと、ユニが居眠りをしソンジュンの肩に頭を預けてきた、あの木の前に立っていた。
ユニに寄りかかられて、ソンジュンはそれが至極自然なことのように思えた。
しかし男同士の友情ならば、友を起こして部屋に戻るほうが自然だ。

あの時、多分、僕は君が好きだった。

それなのに。
大射礼だけではない。
杖打大会の時は、もっと乱暴だった。
そう言えば、コロ先輩に襟元を掴まれて、余計に頭に血が上って・・・。
今思うと、あれは全面的に彼が正しい。
あの小さな体を二度も三度も突き飛ばすなんて。
息を吐きだしてみても、心に沈んだ重苦しい塊が出て行くわけもなく。
ソンジュンは、後悔にさいなまれたまま中二房に入った。
ユニが「先に帰ったのに遅かったね」と声をかけてきたが、「すまない」とだけ答えて本を数冊手にとると、それらに没頭した。
否、没頭するふりをした。



点呼の時間が近づいてきた。
各々の部屋に戻る儒生たちの声で、あたりは俄に賑やかになる。
「まだ本を読む気?」
ユニはソンジュンに声をかけた。
しかし彼は、頑なに机の前から動かない。
「何を怒ってるの?」
「君には関係のないことだ」
「関係あるよ。ずーっと僕にあたってるくせに」
「当たってない」
「そうやって無言でイライラしてることが、当たってるってことだよ!」
ユニはソンジュンの手から本を取り上げた。
「ちゃんとこっちを見て!」
観念して正面からユニを見返すと、彼女は心配そうにこちらを覗きこんでいる。
「・・・すまない、君は何も悪くない」
「昼間から変だよ。何かあったの?」
ソンジュンは、小首を傾げるユニを見つめ、今日何度目かのため息をついた。
この後悔と憤りをどこに持って行ったらいいのだろう。



君子固より窮す。小人窮すればここに濫す。
この先も僕が乱れることがあるとしたら、ユニ、それはきっと君のせいだ。





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【作品名】ソンジュンの憤懣

【テーマ】 成均館スキャンダル二次小説  イ・ソンジュン 

2013/12/28 Sat. 22:18  tb: 0   コメント: 4

【成均館 二次小説】証  

成均館スキャンダル読切

--異国では、婚礼の儀式で指輪を交換するらしいと、どこかで聞いたことがある。



君は言う。
今を精一杯生きたいと。
こんな幸せはもうこの先訪れない、と。



君は今の幸せのためなら死さえ恐れないのに、僕たちの将来について、どうしてそんなに臆病なんだ。
左議政の息子だから、僕はいずれ兵曹判書の娘と政略結婚をする。
君は何故かそう思い込んでいる。
けれど、僕の信じる原則に、政略結婚なんて文字はない。
君子は、周りにおもねて、おかしな習慣に流されるべきではない。
僕がそう考えていることを、君が一番理解しているんじゃないのか?
僕は君を下品な金持ちなんかに嫁がせはしない。
君が望むなら、男装をして出仕することだって、止めはしない。
この生活を続けることが君の幸せだと言うのなら、いつでも側にいて、君を守る。
終わりなんてない。僕が毎日新しく始めるから。



君に言ったはずだ。
卒業したら二度と会えないなんて、嫌だ。
僕よりも僕のことを信じてくれる君に、これから進む道を見守っていて欲しいんだ。
無理だと思ったことをやり遂げてこれたのは、僕たち二人が一緒だったからだ。
君はわかっていない、僕こそ君が必要なんだ。



異国では、婚礼の時、指輪を交換すると聞いた。
異国の風習なら、二人の関係を秘密にしておけるだろう?
君に僕の愛を誓うだけ、道理にも外れてないはずだ。



君は僕のものだという証が欲しい。
いつも僕がそばにいると感じて欲しい。
だから今日、僕は指輪を買う。
キム・ユニ、君を愛してる。






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【作品名】

【テーマ】 成均館スキャンダル二次小説  イ・ソンジュン 

2014/01/13 Mon. 13:24  tb: 0   コメント: 0

【成均館 二次小説】きらきら  

成均館スキャンダル読切

ソンジュンの手から、数珠玉が次々とこぼれ落ちた。
それらは中二房の床一面に弾け飛ぶ。
ソンジュンの笠を彩るクスルカックン(飾り紐)が切れたのだ。
筆写をこなしていたユニが、慌てて数珠玉、瑪瑙(メノウ)と水晶の玉を追いかけた。
ソンジュンもしゃがんで拾い集める。
「この瑪瑙、すごく綺麗だね」
ユニは、淡色で統一されてはいるが、それぞれ色味が異なる瑪瑙に、見惚れた。
手のひらに広げて、転がしている。
ソンジュンが広げた布巾を差し出すと、名残惜しそうに、集めた玉を布巾の中央に寄せた。
「明日スンドリに渡すよ。ありがとう」
「これ、僕が直してもいい?」
「直せるのか?」
「糸に通すだけだよね。お裁縫は苦手だけど、これならきっと出来るよ」
ユニは少し照れくさそうに答えた。
女人が習得すべき裁縫や刺繍は、からきし駄目なことを、日頃から申し訳なく思っていたのだ。
「明日、スンドリに丈夫な糸を持って来てもらってね?」
ユニに対し裁縫や刺繍を望んだことはないが、こんな風に女性らしく世話を焼かれると、こそばゆい。
ソンジュンはユニをぎゅっと抱きしめた。



次の日の夜、見回りの書吏が中二房の前を通り過ぎると、布団の中にいたユニは起き上がり、そそくさと蝋燭に火を灯した。
「寝ないのか?」
ユニは、ソンジュンから預かっていた数珠玉を布団の上に広げる。
ほら、布団の上なら転がらないでしょ?と、得意そうに微笑んだ。
ソンジュンは、体を起こし肘をついて、彼女に睡眠をとるように促す。
「今日も筆写をして、疲れてるだろう。今度でいい」
「だって、このクスルカックンはあなたに良く似合うから、早く直したいの」
ソンジュンは「似合う」という評価に首をひねる。
身なりを整えることも儒教の教えの延長線上と捉えている節がある、彼らしい。
皆が絶賛する彼の美しい容姿すら、本人にとっては些細なことなのだ。
そうかな。と呟き、ソンジュンは、背中を丸めて作業を始めたユニを後ろから抱きしめた。
無自覚に女人の言葉を口にしている彼女が、可愛かったのだ。
「ここで見ているよ」
ユニの左肩に顎を乗せる。
「もうっ。邪魔するなら手伝って」
ユニは、糸の端をソンジュンに渡した。
「持っていてね?」
「うん」
腰に回った右手はそのまま、左手だけ、糸を摘む。
ユニの手から送られてくる数珠玉が互いにぶつかり、ソンジュンの指先に振動を伝えた。
普段身につけている時は気にも留めなかったが、規則正しく並ぶ数珠玉は、なるほど、ユニが言うように綺麗なのだろう。
と、ぼんやり考えながら、ソンジュンは、数珠玉よりも寧ろユニの可愛らしい指先を眺めた。
案外器用に、小さい穴に糸を通している。女人らしい側面に触れた気がするのは、惚れた欲目だろうか。
ユニは、全て糸に通し終えると、端を高く持ち上げて、連なった数珠玉を蝋燭の灯りにかざした。
二人の手によって吊るされた瑪瑙と水晶は、ともし火を受けてきらめいた。
「ねぇ、見て。瑪瑙も透けてる。すごく綺麗ね」
「瑪瑙が気に入ったなら、赤瑪瑙を買ってあげる」
「私にこんな立派なクスルカックンは似合わないわ。それに、重たくて肩が凝っちゃいそう」
ユニは、端の処理をするためにソンジュンから糸を受け取り、役目を終えたソンジュンの左手は、再びユニの腰に回った。
「僕が、君に男の装飾品を贈るわけがないだろう」
「じゃあ、何を買ってくれるの?」
「今度、雲従街で一緒に選ぼう」
ソンジュンが何かを与えようとすると、いつも申し訳ないと遠慮するユニが、珍しく満面の笑みで頷いた。
「知っているのか?」
「イ・ソンジュンが、赤瑪瑙の意味を知っていることの方が意外よ」
僕だって、それぐらい知ってる。悔しそうにソンジュンは答えた。
ユニは、腰に回されたソンジュンの両腕を解き、正面から彼を抱きしめた。
「愛してるわ」
「僕も愛してる」



ユニがまだ幼い少女だった頃。
市場で、キラキラと光る赤瑪瑙に見入る彼女に、母は言った。
「大きくなったら、旦那様に買ってもらいなさい。赤瑪瑙は、愛と情熱。あなたを愛してくれる人が、あなたに贈る物なのよ」





-- -- -- --

瑪瑙と水晶というのは、soyteaのでっち上げです。
また、赤瑪瑙の「愛、情熱」や「恋人や夫が贈るもの」は、中国の話で、韓国で赤瑪瑙がこのような位置づけにあるのか、未確認です。
もし違っていても、この二人は中国の風習にも詳しそうなので、取り入れました。




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【作品名】きらきら

【テーマ】 成均館スキャンダル二次小説  ソンジュン×ユニ 

2014/02/14 Fri. 21:53  tb: 0   コメント: 0

【成均館 二次小説】初見(はつみ)  

成均館スキャンダル読切

兵曹判書の令嬢と結婚するしかないと思った。
君が今にも泣き出さんばかりに薬房に入ってきた時、僕は限界だったんだ。
結婚の申し込みをするために立ち上がったら、君はなんて言うんだろう、と怖くなった。
決心したのに、君を失うことが、どういうことかわからなくなった。
消えゆく朝もやを掴むように、答えは僕の指をすり抜けた。
でも、引き返せなかった。
君は、ぽろぽろと涙をこぼして出て行った。あの時、僕らは終わった。



僕らが出会った時、僕の君への執着とは対照的に、君は、僕に何の興味もなかった。
もしかしたら、いけ好かない奴だと、少しは心を揺らしてくれていたのだろうか。
時が経って、分かり合える友となって、何もかもが上手く行った。
いつの間にか、僕の気持ちが有り余ってしまい、溢れ出たそれは二人の間を埋めていったけど、それでも答えは変わらないらしいと気付いたのは、無人島で夜を明かした、あの日の朝。
君の瞳に映る僕は、最初から変わらない。
友人として信頼できる、僕がとうに忘れた、初めて出会った頃の僕。
君を傷つけたくはない。だけど、もう限界なんだ。
隠してやり過ごせる恋じゃない。
あの無人島の夜のような雨が降って、この届かぬ恋心を流してくれと、天に願ったことも一度や二度じゃない。
君が求めるのは初見の僕。もう戻れない、とっくに忘れたはずの僕。
だから、この気持ちに気付いてくれ。それから、僕を忘れてくれ。



最後にお別れを言いたい。そう告げる君の瞳に映るのは、今日もまた、初見の僕。
君はここに来るべきじゃなかった。
君だって、僕が今から結婚すると、わかっていて来たんだろう。
なのに、君を追いかけてしまった。
振り向いた君は、泣き腫らした目をしていた。
これで最後だ。そう決めたら、素直に言えた。
君の瞳は、雫を溜めた。
その雫を拭ってあげる資格は、僕にはない。
だから、急ぎ足で去った。
僕らは終わった。僕の恋も終わった。
雨は降らない。僕の届かぬ想いを流してくれない。



君は、僕の気持ちを知ってしまった。だから、僕を忘れてくれ。








-- -- -- --

ずっと膨らませたかった、以前の妄想つぶやき(僕の気持ちに気付いてくれ。それから、僕のことを忘れてくれ)。
私の中で 2013年No.1ソンジュンソング と名高い、
 ゲスの極み乙女。『ハツミ』
が、妄想つぶやきで書きたかった内容とぴったり同じなので、タイトル、ストーリー、共に 拝借/引用しました。
サウンド的にまったく朝鮮時代に合わないので、BGMとしてはおすすめしませんが、是非、一度、歌詞を読んでみてください。




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【作品名】初見(はつみ)

【テーマ】 成均館スキャンダル二次小説  イ・ソンジュン 

2014/02/16 Sun. 21:48  tb: 0   コメント: 0

【成均館 二次小説】恋文  

成均館スキャンダル読切

青青子衿
悠悠我心
縱我不往
子寧不嗣音

青青としてとても素敵なあなたの衿
あなたに寄せる私の想いは遥か遠くに届くほど大きいのよ
私があなたをお訪ねしなくても
何故あなたは私に便りをくださらないの

詩経『子衿』より


ユニは、向かいに座るソンジュンの涼しげな目元を睨みつけた。
しかし、書物の上を走っている彼の目の速さは変わらない。
中二房には二人のほか誰も居ないというのに、姿勢を崩さず座す姿は、簡単に声をかけることが憚られるほど凛とした気配をまとっていた。
彼女がこうして彼を見つめ始めてから、ゆうに半刻は経っていた。
しかし、彼の指は迷いなく頁を捲り続けている。
その間、彼は一度も彼女を見なかった。

水仙は見つけたのに。

今朝、ソンジュンは、明倫堂の石段の陰に咲く水仙を見つけた。
授業が終わると、ソンジュンはその水仙を摘み取って、ユニに差し出した。
微笑み合いながら東斎に向かい、この部屋で水仙を生けたところまでは、確かに二人は恋人同士だったはずなのだが。
「終わったのか?」
頁をめくりながら発せられた声は、甘やかな余韻に浸るユニの心と対照的に、落ち着いていた。
ユニは、次に続く甘い言葉を期待したが、それは、非の打ち所がない真っ当な助言だった。
しかも、未だ彼女には見向きもしないという、冷たい態度付きで。
「復習を早く終わらせたいと言ったのは君だろう?僕を見てないで、進めたらどうなんだ」
この男は、なんと女心に疎いのか。
確かに彼女は言った。今日は天気が良いから、早く授業の復習を終わらせて庭でのんびりしたい、と。
しかし、それは彼が水仙を見つける前の話だ。
この部屋にソンジュンがいて、戸棚の上には水仙が咲いている。
彼女にとって、今は、この事実だけで十分だったのに。

気付いてて無視するなんて、ひどい。

同時に、自分が好意を寄せる男が元来こういう気質だったことを、まざまざと見せつけられた気がした。
学堂の頃から誰にも首席を譲って来なかった彼が、浮ついた感情で学問を疎かにすることなど、天地がひっくり返っても起こりえない。
ユニはしぶしぶ筆を握った。
中二房の天井に届くほど浮足立った心は、ソンジュンによってあるべき位置に戻されたものの、ユニの勉学への情熱はすっかり抜け落ちてしまっていたから、半刻ぶりに墨を含んだ彼女の筆は、文字とは違う曲線を紙に描いた。
それらの伸びやかな曲線は、たちまち水仙の葉を形作った。
ユニは軽やかに六枚の花びらも描き上げる。
すっと天に向かう葉と、少し俯いた花。
不貞腐れた気持ちで描いた絵だったが、悪くない。
ユニは、ソンジュンの傍らに、その絵を滑らせた。



卓の向こうのソンジュンが、本を閉じ、ユニの絵に手を伸ばした。
紙の上の水仙は、清らかに立っていた。
水仙は、雪の中でも開花し芳香を漂わせる。男の声ばかりが大きい世の中でしなやかに生きているユニは、水仙と同じだと、ソンジュンは思った。
彼は、余白にすらすらと文字を書き付けた。
彼の性格を表すような、迷いのない楷書体で書かれた文字の羅列は、曹操(*)の詩の一節だった。

青青子衿
悠悠我心
但為君故
沈吟至今

――青い衿の学生諸君よ
――君たちのような優れた才能を待ち望み
――ただ君たちが来てくれることを思い
――私は今まで物思いにふけってきたのだ

ユニの心臓が、とくん、と音をたてた。
君のような友が欲しかった。それだけを伝えるために、彼がこの詩を寄せたわけではないと、ユニにはすぐに分かった。

だって、これは、あの“子衿”の引用だもの!

儒生が学ぶべき四書五経の一つ『詩経』に、“子衿”という恋の詩が収められている。
若い女人が学生の恋人を想う詩だ。
ソンジュンが今書いてくれた一節は、曹操が“子衿”の冒頭二行を引用して詠んだものだった。
「貰っていい?」
ソンジュンが頷くのも待たずに、ユニは詩の書かれた紙を胸の前で抱きしめた。
夢心地、とは正に今のような気持ちを表すのだろう。できることなら、東斎も西斎も、一部屋ずつ自慢して回りたいぐらいだ。
ユニは、ソンジュンに貰った詩を何度も口ずさむ。
「これで、復習に戻れる?」
「うん!……ううん、やっぱり無理」
こんな素敵な贈り物をもらったら、学問なんてどうでも良くなっちゃう。ユニは、花が咲いたような笑顔で答えた。
ソンジュンは、卓に身を乗り出してまっすぐに彼を見つめるユニを、今度は無視しなかった。

君は僕の友で、愛する人。

二人はそっと唇を合わせた。
ソンジュンがユニにくれた接吻は、中二房に漂う水仙の芳香よりも、甘かった。

* 曹操……中国後漢末の武将、政治家で魏を建国した。三国志の主役の一人。




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【作品名】恋文

【テーマ】 成均館スキャンダル二次小説  ソンジュン×ユニ 

2014/03/14 Fri. 20:23  tb: 0   コメント: 0

【成均館 二次小説】おしゃべりな蕾  

成均館スキャンダル読切

私ね、前からおかしいと思ってたのよ。
ポドゥル!聞いてる?
え?何の話かって?
イ・ソンジュン様とキム・ユンシク様に決まってるでしょ。
今思えば、いつも二人はベッタリくっついてたわよね。
大切な同室生だって聞いてたから、疑わなかったけど。
だって、そうでしょ?
誰がキム・ユンシク様を女人だって思うの?
チョソンなんか、キム・ユンシク様を追いかけまわしてたぐらいよ。

今考えて見れば、入清斎の時は、二人の痴話喧嘩に巻き込まれてたってわけよね。
あー、馬鹿馬鹿しい。
『こんなに綺麗な女人を前に、イ・ソンジュンは“結婚などしない”という考えが揺らいでいるようだ』って持ち上げられて、有頂天になった私は何なのよ!
あの時、チョソンがイ・ソンジュン様に接吻して、キム・ユンシク様の想い人だって言ったの。
キム・ユンシク様が気にしているのは私だって誤魔化したけど、本当のことだったんじゃない。

あ、そうだ。
杖打の時に、イ・ソンジュン様がキム・ユンシク様を守ったでしょ?
お兄様だって、キム・ユンシク様が女ってわかってたら、殴らなかったわよ。
私ね、家に帰ってから、熱い友情だわって感動したの。
感動して、損しちゃった。
だって、ただ好きな人を守っただけでしょ?
え?強がるな?羨ましいくせに?
そうよ、羨ましいわよ!
物語みたいに、素敵だもの。
今まさに殴られる!っていう時に、さっと現れて、ぎゅーっと抱きしめてくれるのよ。
私は、愛する人の腕の中……。
命を投げ打って助けてくれる彼……。
ああ、素敵……。

あのあと、薬房にキム・ユンシク様が来てね。
私、あそこで結婚の申し込みをされたじゃない?
あの時も、変な雰囲気だったわ。
二人で見つめ合っちゃってさ。
まぁ、守り守られたら、そりゃ見つめ合うわよね。
結婚を申し込まれて忘れてたけど、ほんと、変な雰囲気だった。
失礼しちゃうわ。

それにさ。
人並みに妻を愛せないって言われて、傷ついたけど、これも今考れば、人並みに妻は愛せないけど、キム・ユンシク様は愛してるっていう意味でしょ?
なにが、佳郎よ。
私という人がありながら、二股じゃない。
全然佳郎じゃないわよ。
え?最初からお嬢様に気はなかった?
わかってるわよ、言われなくても。
イ・ソンジュン様って、最低!
ポドゥル、今、何て言ったの?
未練たらしい?
だって、しょうがないじゃない。
イ・ソンジュン様は、やっぱり、すごーく格好いいんだもの。
あんなに格好良い人、この世に二人といないわ!
もう、好きじゃないわよ。
ただ、物語に出てくる男の人をイ・ソンジュン様で想像してるだけ。
あ!
ねぇ、ポドゥル。
そう言えば、キム・ユンシク様の本当の名前、私たち知らないわね。


- - - - - - - -
ミーハーな彼女は、こんな風に失恋から立ち直ったのかな?という妄想でした。




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【作品名】おしゃべりな蕾

【テーマ】 成均館スキャンダル二次小説 

2014/07/29 Tue. 20:56  tb: 0   コメント: 0

【成均館 二次小説】入れてくれない  

成均館スキャンダル読切

中二房に入れてくれない。ぜんっぜん入れてくれない。いつもさぁ、みんなでおやつ食べてるじゃん。コロが一人で出掛けて、俺の相手してくれない時。なんで入れてくれんの。なんで?なんで入れてくれんの。

あれかー。え?昨日のあれか?「お前ら、夜中に、こそこそ享官庁(ヒャンガンチョン)に行くよねー」って俺が言ったから?
いやだってあれはホントじゃん。点呼終わってるのに、中二房出て行ってるし。
正直、享官庁は霊が出るからね?知らないからね、お化けに捕まっても。
点呼といえばさあ、結構前に、カランが酔っ払って門限に間に合わなかったときは、泣きそうな顔してたでしょ。
なんだ。親か俺は。助けるけどね?おやつ食べたいからね。テムルのお母さんの秘伝の、大豆の粉がかかったおやつ、超うまいしね。あれ何?超うまい。
あれか。あれきつく言ったからか。テムルってさあ、女じゃん。
成均館にいるの、犯罪だかんね。で、この前かまかけたんだよね。そしたら、バレてないみたいな態度とったじゃないですか。
あれホントなんだろ、がっかりしたわ。がっかりした。一週間待って手に入れた艶本に、接吻の場面しかなかった時ぐらいがっかりした。
先輩面してるわけじゃないよ。でも、ホント大目に見てる方だと思うよ、俺はね。

いや。あれか。あの事件か。なんだろ、せっかく無人島で二人きりにしてやったのに、凄く重苦しい空気で帰ってきたじゃん。あれホントやめてほしい。
微妙な距離感でお互いを意識してる場に居合わせたら、何て言っていいか分からん。
「あっ……お、おう!」ってなる。まあでもそれは仕方ないんだけど、カランが「男が好きかもしれない」みたいなこと言い出したじゃん。死にそうな顔して。罪悪感いっぱいで。
こっちの身にもなって欲しい。男女の恋愛って普通だからね。お前らだけじゃないからね。結婚もできるし。
だから、艶本あげちゃったのね。
ついあげちゃったのね。そしたら、テムルが俺に「イ・ソンジュンが赤い本ばっかり読んでる」って愚痴を言いに来たじゃん。ホントにやりたい放題だな、お前ら。
でも、それについても何も言わなかったじゃん。言わなかったじゃない。カランに渡せる艶本もまだ有るよ。でも、お前ら二人は、今は付き合ってるじゃん?

なんだよ。どういうことだよ。結構お前らのために尽くしてる感はあるよ。入れろよ。
俺、実際問題お前らのこと嫌いじゃないの。恋愛になると、すげえアホだけど、なんか憎めないわけ。あとテムルのお母さんの秘伝の大豆の粉?あれ何?超うまいんですけど。

入れてくれない。

- - - - - - - -

好きなコピペネタの改変を、勢いで書きました。秘伝の大豆の粉は創作です。
元ネタを貼り付けます。
本物の面白さには、敵いません。

* * *

遣唐使来ないじゃん。ぜんっぜん来ない。毎年貢ぎ物持ってさぁ、来てたじゃん。この時期。なんで来んの。なんで?なんで来んの。

あれかー。え?去年のあれか?「お前らの船さあ、毎回違うとこ着くよねー」って俺が言ったから?
いやだってあれはホントじゃん。都目指して船出してくるのに、毎回よくわかんないとこに流れ着くし。
あの、お前らがよく着く南の方とか、正直うちの領土なのかどうなのか微妙だかんね?知らんからね、変な人に捕まっても。
でさあ、着いたら着いたで、「迎えに来てー、貢ぎ物多くて運べない」みたいなこと言ってくるでしょ。
なんだ。彼氏か俺は。行くけどね?貢ぎ物欲しいからね。ハッピーターン超うまいしね。あれ何?超うまい。
あれか。あれきつく言ったからか。お前らさあ、結構勝手にお経書き写すじゃん。
あれ犯罪だかんね。で、去年ちょっときつく注意したんだよね、そしたら、お金払えばいいんでしょ、みたいな態度とったじゃないですか。
あれホントなんだろ、がっかりしたわ。がっかりした。万里の長城あんまり意味ないことに気づいた時くらいがっかりした。
お金とかじゃないよ。でも、ホント大目に見てる方だと思うよ、うちはね。

いや。あれか。あの事件か。なんだろ、さんざん都で遊んで「さよならー」って言ったと思ったら流されてまた帰ってきたじゃん。あれほんとやめてほしい。
再見再見ってホントに再見したとき何て言っていいか分からん。
「あっ……お、おう!」ってなる。まあでもそれは仕方ないんだけど、「船が直るまであと3ヶ月居ます」みたいなこと言うじゃん。平気で。悪びれずに。
こっちの身にもなって欲しい。宿とか無いからね。お前らだけの宿じゃないからね。布団もさあ、全部干しちゃうし、シーツとか洗うし。
だから、カッとなって「お前らを泊めるところは無いよ!」って言ったのね。
つい言っちゃったのね。そしたら、なんか勝手に変な家建てたじゃん。ホントにやりたい放題だな、おたくら。
でも、それについても何も言わなかったじゃん。言わなかったじゃない。あの変な家もまだ有るよ。でも最近あの周りで人が消えるんですけど。あの家何?

なんだよ。どういうことだよ。結構お前らのために尽くしてる感はあるよ。来いよ。
俺、実際問題お前らのこと嫌いじゃないの。すげえアホだけど、なんか憎めないわけ。あとハッピーターン?あれ何?超うまいんですけど。

来ない。




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【作品名】入れてくれない

【テーマ】 花の四人衆 

2014/09/09 Tue. 14:13  tb: 0   コメント: 0

【成均館 二次小説】5つのお題ったー ユニ編  

成均館スキャンダル読切

5つのお題ったーという、名前を入力すると自動でお題を投げてくれるウェブサービスがあります。
そこで、ドラマの登場人物の名前入れて遊んでみました。

ユニで出てきた結果はこちら。

お題は『降り積もる雪も想いも冷たくなって・その手に触れられたなら・にらめっこ・深夜料金・夢にも思わない』です



妄想しました。
お題に「深夜料金」があるので、現代です。
(現在連載中の留学物と別です)
シチュエーションは、お友達状態のソンジュンとユニ。

- - - - - - - -

ソンジュンが「話がある」と公園に呼び出したから、タクシーで来たのに、ソンジュンは黙ったまま何も言ってくれない。
タクシーを降りる前、深夜料金を支払うときは、急な呼び出しにドキドキしていたのだけれど。
ソンジュンはコートのポケットに両手を突っ込んで、遠くを見ている。


『どうせ、友達』


降り積もった雪の上を、ぐるぐる歩き出したソンジュンの、ざくざくとした足音が、少し怖い。
凄く寒くて、指先まで冷たくなって、惨めで泣いちゃいそう。
ほんとは、ポケットに突っ込まれたその手に、触れたいのだけど。
「ユニさん」
怖い顔をして、ソンジュンが立ち止まった。
泣くのを我慢しているから、二人でにらめっこしてるみたい。


「僕は君が好きです」


涙が止まらなくなって、抱きしめてくれた。
こんな風に優しく抱きしめてくれる日が来るなんて、夢にも思わなかった。




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【作品名】5つのお題ったー ユニ編

【テーマ】 ソンジュン×ユニ  成均館スキャンダル二次小説 

2015/07/28 Tue. 11:01  tb: 0   コメント: 2

【成均館 二次小説】どうかしてるよ!  

成均館スキャンダル読切

「ユニ、もう寝たほうが良い」
「なんで?」
「なんでって、君は夜更かしが苦手だろう」
「へ?普通だよ。まだ眠くない」
「前に、君は夜はすぐ眠くなると言っていたじゃないか」
「えぇ?知らない」
「随分、いい加減だな」
「いい加減って言われても。あとでちゃんと寝るよ。今、この書物がちょうど面白いところに……」
「書は明日でも読める」
「もう!なんで寝ろって言うの?まだ早いでしょ?」
「君が夜は苦手だといったから、君の体が心配なんだ」
「わけがわからないよ」
「わけがわからないというなら、話そう。君は、戌の刻に、床にうつ伏せになって眠いと騒いだ。覚えていないのか。この中二房で、だ」
「覚えてないけど、それは、たぶん、偶々その日……」
「いや!君は、確かに!夜は苦手だと、その時言った!卯月の旬頭殿講の三日後の、戌の刻に!」
「……細かい。お母さんみたい」
「お、お母さん?」
「お母さんの言うことを聞いて、もう寝ます。おやすみ」
「まて、君がそんなに聞き分けがないのなら、今度から、紙に書き記したほうがいいな」
「やめてよ!私が言ったことを、一々筆記するの?怪談だよ、それ」
「怪談?僕は、君のためを思って話をしているんだ。その、知らぬ存ぜぬをやめれば、紙に残す必要もない」
「その紙、ずっと大事に持ってるんでしょ?怖い、怖い、怖い!」
「キム・ユニ!」
「おやすみ!」




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【作品名】どうかしてるよ!

【テーマ】 成均館スキャンダル二次小説  ソンジュン×ユニ 

2016/03/16 Wed. 13:47  tb: 0   コメント: 4

【成均館 二次小説】知らぬが仏  

成均館スキャンダル読切

どうかしてるよ!(こちら)の続編です。

- - - - - - - -

「怪談だよ!」

昨夜のユニの言葉が突き刺さる。
ならば、この存在を知ったら、ユニは何と言うだろうか。
ソンジュンは、卓に広げた、とある綴りに視線を落とし、溜息をつく。

――『ユニ日記』

絵心があれば、筆でさらりとユニの笑顔を紙に写し取ることが出来る。
恋文のようにユニに贈ることも出来るし、ユニも喜んでくれるだろう。
生憎、己に絵の心得はない。
だから文字で彼女の姿形を書き写す。当然至極であるとは思うのだが。

「その紙、ずっと大事に持ってるんでしょ?怖い、怖い、怖い!」

幸い、件のユニの発言はこの綴りに残していなかった。
だが、毎日何かしら記しているから、自然、日毎の細かい話も書いてしまっている。

――気味が悪いと、嫌われてしまうんだろうか。

誤解されるのは忍びないが、これは純粋な愛情である。
ただ、誤解されるのは忍びないから、もう日記をつけるのはやめようか。
……いや、違う。
ユニが、このまま気付かなければ良いのだ。
隠し通そう。
墓場まで、いや、もし僕がユニより先に死んだら、この日記を読まれてしまうから、死ぬ一日前まで、隠し通そう。
彼女が知らなければ、この日記は、ユニの世界に存在しない。
そして、この当然至極の行いは、完全に弁解の余地があるものである。
何も後ろ暗いところはない。
ただ、彼女が怖いと思うなら、隠すほうが得策なだけだ。

そうだ、僕は怖くない!




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【作品名】知らぬが仏

【テーマ】 成均館スキャンダル二次小説  ソンジュン×ユニ 

2016/03/17 Thu. 13:39  tb: 0   コメント: 0

【成均館 二次小説】小説用お題ったー ソンジュン編  

成均館スキャンダル読切

診断メーカー「小説用お題ったー」に、ソンジュンの名前を入力しました。
結果はこちら。

飲み込んだ言葉の墓場
夢でもいい、触れられるのなら
全部棄てたら君をくれる?


短い文章を書いてみました。

- - - - - - - - 

男の君を好きになった。
男なのに好きになった。
君が好きだ。
君に触れたい。
君の唇に目を奪われているんだ。

君子たらんとする己が、吐露することを許さず飲み込んだ言葉は、胸の中で、今日も一つ、明日も一つ、墓石を増やす。
夢でもいい、君に触れられるのならと目を瞑る。
でも、夢の中で、君の道袍を開き薄い鎖骨に唇を這わせても、下穿きをずらし白い柔肌を指の背でなぞっても、この思いを堰き止めることが出来ないんだ。

正しい道しか歩まなかった。
常に原則に従ってきた。
礼と法が、すべてだった。

君が僕のものになるのなら、全部捨てたって構わない。
老論の身分などかなぐり捨てて、君と何処か遠くで暮らしたい。
道も原則も礼も法も、全て捨てたら、君は、僕のものになってくれるだろうか。
全部捨てるから、僕のものになってくれないか。
僕のものになって欲しいんだ。

己が、一番、わかっているのだ。
前途洋々の君の人生を奪えない。
君は僕のものにならない。
だから今日も、言えなかった言葉が、僕の胸の中で死に絶える。




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【作品名】小説用お題ったー ソンジュン編

【テーマ】 成均館スキャンダル二次小説  ソンジュン×ユニ 

2016/08/08 Mon. 15:17  tb: 0   コメント: 0

【成均館 二次小説】だから、この夜に  

成均館スキャンダル読切

ヒョウンと結婚するという事実を残して、ソンジュンが消えた。
消えてしまった。
何も、残さずに。



この世のものは全て、いずれ壊れる運命なのだと、幼いころ父上が教えてくれた。
壊れてなくなってしまうのなら、本当のことを伝えてしまいたい。
だって、全部消えてしまったら、この嘘だって、意味がなくなってしまうのだから。



この幸せが長く続かないと、わかっていた。
でも、こんなにもあっさりと崩れてしまうなんて知らなかった。
父上の教え通りだ。永遠なんてない。
今夜だけでいい。ソンジュンが、なんでもない顔をして、中二房に帰ってきてくれたら。
広い肩の隣で、やっと生きているのだと実感できた。
過去も未来もなく、その一瞬を生きているのだと実感する瑞々しい迸りが、躊躇もなく湧き上がったのだ。
だから、今夜だけ、帰ってきて欲しい。
ソンジュンの横顔が精悍に映る、あの藍色の道袍の袖の端をもう一度握れば、もしかしたら諦められるかもしれないから。
もう涙すら流れない。
泣ければ、まだ自分を励ませた。
泣いている場合じゃないのにって。



嘘をついた罰だ。
沢山の嘘で武装しても真実には抗えないのと同じように、まるで二人の友情が存在しなかったかの如く、ソンジュンが消えた。
嘘をついた自分も、南人の長女である自分自身も、世間に晒したくはなかった。
いつも影に隠れてひっそりと生きてきたし、それが身の丈に合っていると思っていた。
どうせ、誰もわかってくれない。
だったら、世の中の規範に添って静かに過ごすほうが、遥かに平和で、そして賢い。



ソンジュンに出会って、本来の自我を曝け出す、わがままな欲求を知った。
彼に告げた話は嘘だらけだったけれど、学問への愛と友情だけは隠さなかったつもりだ。
でも、こんな風に、一瞬で全て消えてしまうのなら、あの嘘の数々だって、意味がなくなってしまう。
ソンジュンだけには、本当の姿を見せたかった。
だから、今夜だけ、帰ってきて欲しい。
ソンジュンの横顔が精悍に映る、あの藍色の道袍の袖の端をもう一度握れば、もしかしたら諦められるかもしれないから。
もう涙すら流れない。
泣ければ、まだ自分を励ませた。
泣いている場合じゃないのにって。




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【作品名】だから、この夜に

【テーマ】 成均館スキャンダル二次小説  ソンジュン×ユニ 

2016/11/13 Sun. 12:46  tb: 0   コメント: 1

【成均館 二次小説】清流  

成均館スキャンダル読切

友は男であるべきだ。
妻は女であるべきだ。
生まれてこの方疑わずにいたものを、疑う日が来るなんて。
いや、違うんだ。
疑っているわけじゃない。
孔子から脈々と受け継がれる古い教えに、反発を感じないと言えば嘘になるが、根底から否定したことはない。
キム・ユンシク、君が成均館の片隅で閉じこもる理由が、だから、僕は許せない。
だけど、男の僕が男の君の唇に触れたいと思うのは、反発心なんかじゃないんだ。
老論の人間は、まるで汚物のように、君の家を見る。
君は誰よりも清いのに、だ。
成均館に迷い込んだ野良猫を撫でていた君は、陰謀に塗れた老論よりずっと澄んでいた。
石垣の陰に咲いた一輪の野花にそっと接吻した君は、誰よりも慈愛に溢れていた。



僕は道理から外れてしまった。
妻は女であるべきだ。この世は、そうあるべきなんだ。未来永劫こうあるべきなのだ。
僕がおかしいんだ。
君の道標になりたかった。
君が暗闇に身を隠さないように、君の才能が人知れず消えないように。
僕はどこで道を違えてしまったのだろう。
君を汚すばかりのこの思いは、年輪のように、ゆっくりと、けれど確実に、膨らんでいくんだ。
君の真っ直ぐな眼差しの中で、僕はいつも恥じ入っている。
暗闇に身を隠すべきは、僕の方なんだ。
キム・ユンシク、すまない。僕はもう、君の傍にはいられない。




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【作品名】清流

【テーマ】 成均館スキャンダル二次小説  ソンジュン×ユニ 

2017/08/21 Mon. 14:52  tb: 0   コメント: 0

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