芙蓉の書-成均館スキャンダル屋根部屋のプリンス3days二次小説

JYJユチョン主演の韓国ドラマドラマ「トキメキ☆成均館スキャンダル」「屋根部屋のプリンス」「スリーデイズ(3days)」の二次小説ブログです。
『目次』、『小説のテーマ』または『ランキング』からお進み下さい。
また、大人小説(R18)の閲覧はご自身のご判断でお願い致します。

> 屋根部屋のプリンス連載

屋根部屋のプリンス連載 一覧

スポンサーサイト  



上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。




↓ランキング参戦中です。画像をポチっと応援宜しくお願いします
にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
拍手するLINEで送る


【作品名】スポンサー広告

【テーマ】

--/--/-- --. --:--  tb: --   コメント: --

【屋根部屋 二次小説】はじまり - 1  

屋根部屋のプリンス連載

「ねぇ、転生って信じる?」
エレベーターの中で、パク・ハは聞いた。
「うーん、あんまり。信じる?」
「私は信じてる」
テヨンにとって、それは意外な返答だった。
楽とは言えない人生をこれまで必死に生きてきた彼女は、どちらかと言うと、現実的な考え方の持ち主だと思っていたからだ。
「パッカはロマンチストだね。そういえば、生まれ変わりじゃないけど、変な夢を見たよ」
転生と言われて、テヨンはなんとなく思い出した夢の話を始めた。
「朝鮮時代でさ、すごく立派な韓服来ててさ。漢字なんか少ししか知らないのに、筆でスラスラ書いてるんだ。他にも漢文が書いてある紙がたくさんあって、何故か全部読めてた」
「何を書いてたの?」
「民がどうとか、両班がどうとか・・・」
エレベーターが最上階に着いたのに、パク・ハは動かない。
テヨンはパク・ハの腰を抱いて、エレベーターから出るように促した。
「でもハングルも書いてたな。ジュース屋はうまく行ってるか?って。ははっ、現実と混ざってるよね。あの時代の男はハングルを使わないし」
目的の部屋の前につくと、カードキーでドアを開ける。
パク・ハがまた立ち止まったので、テヨンは彼女の腰を押した。
「でも、なんでハッキリ覚えているのかな。普通、夢ってすぐ忘れちゃうよね?」
「大切なことだから」
テヨンの軽さとは対照的に、驚くほど真剣にパク・ハは言った。
「でも、夢だよ?」
「きっとテヨンさんには大切なことなのよ」
パク・ハは、それきり何も聞いてこなかった。



亡くなったハルモニが、仕事のために高級ホテルのスイートを契約していたことを知ったのは、目が覚めてからだった。
それは、自動的にテヨンとの契約になっていた。
デートで特に行きたい場所がない時に、彼はパク・ハをそこに連れて行く。
彼女は、あまり希望を言わない。
「今は、二人でこうしていたいの」
カフェで待ち合わせて、今日はどこに行く?と聞いた時の返事がこれだった。
結局、その日二人は、カフェでコーヒーを何杯も飲んだ。
恋愛初期はイベント満載で浮かれるものだとばかり思っていたテヨンは、初めは肩透かしを食らった気分だった。
しかし、一つだけ、彼女にも「らしい」ところがある。
いつも手を繋ぎたがるのだ。カフェでも、街を歩いている時も。
今みたいに、体を重ねている時も。

僕はどこにも行かないよ。

テヨンは、絡みつく指を外すと快楽の波に飲まれていった。



シャワーを浴びて戻ってきたパク・ハを腕の中に迎え入れて、テヨンが言った。
「ここより、僕の部屋に来て欲しいんだけど」
「でも、私の部屋に呼んでないから、悪いわ」
体を合わせるような仲なのに、パク・ハはテヨンが屋根部屋に来ることを拒んでいた。
「それは構わないよ。今は、僕の部屋だけでも」
初めてパク・ハの体を求めた時、テヨンは少し早急だと思ったけれど、パク・ハは不思議なぐらい自然に受け止めてくれた。
年上だからだと思った。
しかし、いざ抱いてみると、初めてだと言って少し怯えていた。
終わった後「ずっとこうしたかった」と言われてひどくほっとしたことを、テヨンは覚えている。
それからは、パク・ハのほうからテヨンを求めることもあった。
だから、まだ出会ってからの時間はそう長くはないが、もう少し関係を深めたかった。
「いつか君の部屋を見たいな」
「あとひと月ぐらいしたら」
「一ヶ月っていうのは、恋愛テクニック?」
「ううん、私の家で沢山話したいことがあって。もう少し時間が必要なの」
「なんか怖いな。それって、いいこと?悪いこと?」
「いいことよ」
テヨンには、あまり「いいこと」のようには聞こえなかった。
パク・ハの瞳が、不安そうに揺れたから。
彼女の愛は、深い。
テヨンは、決して自惚れてるわけではない、と思う。
まだ二人の仲は始まったばかりだというのに、彼女に強く求められ、また彼も、自分の気持ちを止める術を知らない。
しかし、なぜだろう。
テヨンはいつも、砂の城が少しづつ崩れていくように、気がついたら二人の関係も跡形もなく消えてしまうような錯覚を覚える。
「ネックレスを外してくれない?」
パク・ハは胸元の翡翠のペンダントを持ち上げて頼んだ。
「テヨンさんが持ってて」
「大事にしてるんじゃないの?」
「うん、でも、テヨンさんに持っていて欲しい」
正直、悪い気はしなかった。

また少し、パッカに近づけたのかな。

手の中の翡翠は、パク・ハの体温が残っていて、温かかった。
スポンサーサイト




↓ランキング参戦中です。画像をポチっと応援宜しくお願いします
にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
拍手するLINEで送る


【作品名】はじまり

【テーマ】 屋根部屋のプリンス二次小説  テヨン×パク・ハ 

2014/01/05 Sun. 11:08  tb: 0   コメント: 3

【屋根部屋 二次小説】はじまり - 2  

屋根部屋のプリンス連載

一年近くリハビリをして体を自由に動かせるようになった時、テヨンが真っ先に決めたことは、絵を続けよう、ではなく、ホーム&ショッピングを継ごう、ということだった。
誰かに強制されたわけではない。
大叔母のソリと、ハルモニの右腕、ピョ・テクスが、テヨンの面倒を見てくれていた。
テヨンが会社を継いだほうが都合のいい彼らですら、テヨンがそうしたいと告げた時に、心配したほどだ。
「君は大変な目にあったんだ。会社に関わると、気分が悪くなったりしないのか?」
テクスが心配するのも最もだった。
テヨンは、事件のあらましをかなり詳細に警察に伝えることができた。
「僕らは、会社を継ぐ、継がないで揉めて、それで・・・」
話がヨン・テムに殴られたところに差し掛かると、テヨンは嘔吐した。
付き添っていたソリが取り調べを打ち切ってくれたから事なきを得たが、そのまま続いていたらどうなっていたかわからない。
テクスは、そのことを指しているのだ。
「もう大丈夫です。医者のアドバイスで絵も時々描いてるんです。精神的に安定するからって。効果は出てますよ」
「そうか。君はずっと絵をやりたかったんだ。時間を見つけて続けなさい」
それから程なくして、テクスはテヨンの教育を始めた。
テヨンはスラスラと飲み込んでいく。
予想よりずっと早く、リハビリを終えてから三ヶ月たった頃、全般的なことは覚えきった。
テクスには、テヨンの飲み込みに関して、思い当たるフシがあった。
そろそろ正社員にして、半年後には部長かな。
テクスは、テヨンが眠っていた時の出来事の数々に思いを馳せ、「収まるところに収まった」と胸をなで下ろした。



テクスは、テヨンが目を覚ました半年後、パク・ハに会いに行っていた。
忽然と消えた、テヨンになりすましていた男の手がかりが、欲しかったのだ。
型通りの挨拶を終えた後、テクスは切り出した。
「パク・ハさん、最近、やつから連絡はきましたか?」
パク・ハは黙って首を横に振った。
「恋人の君にも、連絡をしないなんてな」
実のところ、「彼はソウルにいます」と返されたとしても、テクスは何も不安に思うことはなかっただろう。
彼は、テヨンが目覚めたと知ったらきっと喜ぶ。会社を乗っ取ろうなんて、微塵も考えてないやつだ、と。
もし会えたら、テヨンがリハビリに勤しんでいることを伝えたかった。
「ピョ社長、彼の名前はイ・ガクって言うんですよ」
パク・ハは愛おしそうに彼の名前を告げた。
「はは、あんなに助けてもらったのに、今名前を知ったよ。また会いたいな」
「今からうちに来ていただけませんか?」
イ・ガクについて、手がかりを教えてくれるのだろうか。
このチャンスを逃す理由はない。
テクスは、パク・ハのトラックに乗り込んだ。




↓ランキング参戦中です。画像をポチっと応援宜しくお願いします
にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
拍手するLINEで送る


【作品名】はじまり

【テーマ】 屋根部屋のプリンス二次小説  テヨン×パク・ハ 

2014/01/12 Sun. 12:00  tb: 0   コメント: 0

【屋根部屋 二次小説】君は僕のもの - 1  

屋根部屋のプリンス連載

* お買い物デート *

「パッカ、出かけるのか?」

君は僕のもの_001


「お母さんと食事をする約束なの。お昼は冷蔵庫に入れておいたから、勝手に食べて」
「そなたは、私とスー・・・、スー・・・」
「何?」
「スーパーでございます、チョハ」
「パッカ、そなたは、これから私とスーパーに行くのだ」
「もしかして、バナナ牛乳切れてる?わかった、帰りに買っておくわ」
「パッカ、もう決まったことだ。食事の予定は、次に回せ」
「はぁ?お母さんとの食事が先約よ」
「バナナ牛乳だけではない、ヨーグルトも切れておるのだぞ!!!」
「・・・ねぇ、そこの三人。テレビ見てないで、このアンポンタンの買い物に付き合ってあげてよ」
「「「そのような口をきいてはなりませぬぞ!」」」
「我らの教育が至らないばかりに、申し訳ございません。死罪に値します。チョハ」
「マンボ、わかれば良い」
「・・・大げさなのよ」
「パッカ姉上、大げさではありません!」
「・・・ともかく、欲しいものがあったら、今言ってくれる?買ってくるから」
「パッカや、何度言ったらわかるのだ。そなたは “私と” スーパーに行くのだ」
「そんなに行きたいなら、四人で行けばいいじゃない」
「私は、そなたとふたりで行くと決めたのだ」
「あーもう、話にならない」
「パク・ハ殿、買い物に一緒に行っていただけないか」
「ヨンスルさんまで、何よ?」
「パッカ姉上、我らには、チョハご所望の品がわからぬゆえ・・・」
「チサン、現代のものは何でも美味しいの。ブラックカードで、いーーーっぱい試し買いすればいいわ」
「しかし、チョハはパッカ姉上をご指名で有らせられる」
「ふーん・・・そうね・・・マンボ、今日の夕食は、オムライスにする?」

「「「 お ・ む ・ ら ・ い ・ す ~~~」」」

「・・・三人とも、なんだ!お・む・ら・い・す~に釣られおって」
「じゃ、でかけるから。あんたのお陰で、遅刻しそうよ」
「パ、パッカ・・・待つのだ!」
「行ってきまーす」

君は僕のもの_001_2


「皆の者、ここへ」
「「「申し訳ございません、チョハ」」」
「私が何を言いたいのかわかっておるな?」
「「「申し訳ございません、チョハ」」」
「お・む・ら・い・す~如きの欲に負けおって!」
「「「申し訳ございません、チョハ~」」」
「どいつもこいつも・・・!」
「「「「 チ ョ ハ ~ ~ ~ !!!」」」


-- -- -- --

出会った頃から、チョハはパク・ハに対して所有欲丸出しなので、タイトルを「君は僕のもの」にしてみました。
あんなにセナを追いかけまわしてたのに、7話冒頭、セナがパク・ハを泣かせたと知るや「僕のパッカに何をした!」と言わんばかりに、セナを睨んでますからねw
そんな恋愛未満な二人の関係を、軽いノリで書いていきたいと思います。




↓ランキング参戦中です。画像をポチっと応援宜しくお願いします
にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
拍手するLINEで送る


【作品名】君は僕のもの

【テーマ】 屋根部屋のプリンス二次小説  イ・ガク×パク・ハ  臣下三人組 

2014/01/15 Wed. 07:00  tb: 0   コメント: 2

【屋根部屋 二次小説】はじまり - 3  

屋根部屋のプリンス連載

パク・ハの屋根部屋は以前と変わらず、綺麗に使われていた。
ただ、四人で暮らしていた家に今はパク・ハ一人とあって、寒々しい雰囲気は拭えない。
当初、パク・ハは引っ越すつもりでいた。
だが、「訳の分からない大騒動だったが結果的にテヨンを守ってくれた」と、ソリがパク・ハにこの屋根部屋を譲ったのだ。
パク・ハはホーム&ショッピングを離れてからも、たくましく生きている。
テクスは掃除の行き届いた部屋を見渡し、安心した。
しかし、その後にそこで聞いたパク・ハの話は、俄には信じられないものだった。

テヨンは、朝鮮時代の王イ・ガクの生まれ変わり?

パク・ハは事細かには説明をしなかった。
テクスが感じていた違和感を一つ一つ潰すように、淡々と話を進める。
「すぐには信じられませんよね?」
「ああ、話が飛躍しすぎていて・・・」
しかし、では全く信じないかというと、テクスはそちらにも転べなかった。
「お見せしたいものがあるんです」
パク・ハは一度自室に戻ると、竹で作られた筒を持ってきた。
筒から古そうな紙を取り出し、破れないように丁寧に広げる。
「イ・ガクが朝鮮に戻った後、私に書いてくれた手紙です」
ハングルでパク・ハに対する愛を切々と綴った手紙だった。
その筆跡は、確かに見覚えがあった。
「イ・ガクの字だと思いませんか?」
「うーん、まぁ・・・」
それに、現代のものではないと一目瞭然のこの紙には、パク・ハのジュース屋について言及している箇所がある。
パク・ハがどのようにジュース屋を始めたのか、ここにいる二人とソリ以外には、イ・ガクたちにしか知り得ないことだった。
「ピョ社長、一緒に専門家の鑑定を受けに行ってもらえませんか」
「鑑定?」
「この手紙を鑑定するんです。私はイ・ガクが朝鮮時代に書いたものだとわかりますが、ピョ社長は信じられませんよね?」
「そりゃ、パク・ハさんの言うことは、まだ信じてないさ」
「内容も現代的だし、古文書解読だけでは、鑑定結果も現代になってしまうかもしれません。だから、炭素で測定してくれるところで。一緒に行っていただけませんか?」
「俺が?」
「あなたはテヨンさんの保護者です。本当のことを知っていて欲しいんです」
イ・ガクについての消息は、パク・ハしか知らない。
テクスは、彼の足取りをつかめるのなら、なんでも良いという気分になっていた。




↓ランキング参戦中です。画像をポチっと応援宜しくお願いします
にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
拍手するLINEで送る


【作品名】はじまり

【テーマ】 屋根部屋のプリンス二次小説  テヨン×パク・ハ 

2014/01/20 Mon. 11:28  tb: 0   コメント: 0

【屋根部屋 二次小説】君は僕のもの - 2  

屋根部屋のプリンス連載

* お買い物デート成功編 *

「食べ終わったら、みんなで本屋に行くわよ」
「本屋ですか?書物がたくさんあるのですね?」
「みんな、ハングルも読めるようになってきたけど、もっと沢山読んでスピードをつけないと」
「楽しみですね!」
「マンボは絶対に気に入るわ」
「うんん!」
「チサン、ファッション雑誌って知ってる?お洒落な服がたくさん載ってるわよー」
「う゛んん!」
「ヨンスルさんは、何が好きかな。格闘技の専門書なんか・・・」

「う゛ ん゛ ん゛ !!!」

「「「・・・これは、大変失礼いたしました、チョハ」」」
「そなたら三人は、ここで待つが良い。私が皆の好みの書物を見繕ってこよう」
「三人とも、楽しみにしてるじゃない。ね、行きたいよね?」
「「「・・・はい」」」
「本は重いの。あんたは運ばないんだから、三人も来なきゃ」
「車を出すゆえ、重たくはない」
「これは、三人のためでもあるの。好きな本のほうが、勉強が捗るわよね?」
「「「・・・はい」」」
「いや、ここで待て。それぞれに仕事を与えよう」
「仕事って何よ。今まで暇そうにしてたくせに。こんなヤツの言うことなんか気にしないで、行くわよ?」
「「「・・・・・・」」」
「マンボに書物は必要ない。すらすらと読めておる」
「チサンはまだ・・・」
「身なりについて書物から学ぶ必要はない。街に出れば、いくらでも観察できる」
「ヨンスルさんだって・・・」
「武術は鍛錬だ。ヨンスラ、励むが良い」
「もう、うるさい!みんな、一緒に行くわよ?」
「「「・・・・・・」」」
「行かないの?」
「我らは、留守を守ります」
「パク・ハ殿、チョハをよろしく頼みます」
「パッカ姉上、私には、ふぁっしょんざっし、なるものをお願いします」
「皆、楽しみに待つが良い」
「「「有り難き幸せにございます、チョハ~」」」
「・・・まったく!」



屋根部屋のプリンス二次小説、ヨンスル、チサン、マンボ


「近頃、チョハはパッカ姉上とお出かけになることが多いな」
「しかし、チョハには世子嬪媽媽がいらっしゃる」
「ト内官、ウ翊賛、ふたりとも鈍すぎる」
「というと?」
「パッカ姉上はチョハのお気に入りだ」
「お気に入り?」
「パッカ姉上に恋人でもできたら、その男は三族もろとも滅ぼされるに違いない」
「・・・・・・」
「ウ翊賛、顔が青いぞ?」
「もしかして、パッカ姉上のことを慕っているのか?」
「いや・・・そんなことは・・・・・・」
「チョハに知られたら大変だ。こう言ったらなんだが・・・チョハは・・・執念深くていらっしゃる」
「ウ翊賛、残念だが、パッカ姉上のことは忘れるんだ」
「しかし、チョハには世子嬪媽媽が・・・」

「「それとこれとは別!」」




↓ランキング参戦中です。画像をポチっと応援宜しくお願いします
にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
拍手するLINEで送る


【作品名】君は僕のもの

【テーマ】 屋根部屋のプリンス二次小説  イ・ガク×パク・ハ  臣下三人組 

2014/01/22 Wed. 10:24  tb: 0   コメント: 2

【屋根部屋 二次小説】はじまり - 4   

屋根部屋のプリンス連載

数週間後に二人で受け取った鑑定結果は、300年前に書かれた文書、というものだった。
「信じてもらえますよね?」
テクスは重いため息をつく。
イ・ガクが過去から来た人物だと確定したからと言って、彼とテヨンと結びつける証拠があるわけではない。
しかし、肉親をも騙し通した二人の容姿の酷似は、ただの他人の空似と片付けられるレベルではなかった。
「信じるしかないだろう。この手紙もそうだけど、パク・ハさんの言うことは、あの時の出来事一つ一つと辻褄があうんだ」
パク・ハはそれを聞いて微笑んだ。
しかし、いつも寂しげな空気を纏っている彼女の雰囲気は、微笑んでも変わらない。
「パク・ハさんは、イ・ガクに会いたいのかな。テヨンに会いたいのかな」
「テヨンさんはイ・ガクです。私は、テヨンさんを待ちます」
「私から、テヨンに話そうか?」
「いえ、もし思い出さなくても、私は彼を愛しますから」
「そうか。・・・ソリには私から伝えよう。その後で、彼女にも一度会ってくれないか?」
「ええ、もちろん」
鑑定書をもって、テクスは帰った。
それからすぐに、テクスはパク・ハに電話を寄越してくれた。
ソリに話したら気が動転して寝込んでしまったから、もう少し時間をくれ、と。
その後、今度はソリからパク・ハに電話が来た。
「パク・ハ、びっくりするようなことを聞いたんだけど、本当なの?」
「はい、ピョ社長にお話したことなら」
「そうよね。彼もすごく真面目な顔してこんな話をするんだもの」
「びっくりしましたよね?お体は大丈夫ですか?」
「体はもう大丈夫よ。彼が三人で会おうっていうの。私もその必要があると思うわ。今日、屋根部屋に行ってもいい?」
急な申し出ではあったが、パク・ハは承諾の返事をし、電話を切った。



「ああ、パク・ハ・・・!」
ソリは玄関に入るなりパク・ハを抱きしめ、泣き出した。
「おい、何だいきなり」
テクスがパク・ハからソリを引き剥がしても、感極まった様子で、ソリは泣き続けている。
パク・ハは二人をソファーに案内し、温かいお茶を出した。
「落ち着くと思いますから、どうぞ」
パク・ハの言う通り、温かいお茶をすすっている間に、ソリはだいぶ落ち着きを取り戻してきたようだった。
「ねぇ、パク・ハ。あなたはテヨンを愛せるの?」
パク・ハは、テヨンがイ・ガクの生まれ変わりであることをもう一度説明する必要があると思っていたから、この質問に驚いた。
ソリは、パク・ハの話す転生について、微塵も疑っていない。
テクスがうまく言い聞かせたのだろう。
「えっと・・・テヨンさんはイ・ガクだし、イ・ガクはテヨンさんですから」
「でも、テヨンと話したことはないわよね」

--君たちは出会う運命だった。

「私たちは出会う運命だったんです」
イ・ガクの言葉そのまま、パク・ハは告げた。
「NYで一度会っていました。私は覚えていないけど、テヨンさんが、この葉書を私の働いていたお店に預けたんです」
パク・ハは、テヨンの署名の入ったはがきを見せる。
「これって・・・!」
以前の騒動を思い出して、ソリはまた泣きだした。
「あれは、そういうことだったのね。ごめんなさい、辛く当たって」
「いえ、そんな・・・」
「パク・ハ、本当にありがとう!」
ソリは再びパク・ハを抱きしめた。
今度はテクスも彼女を止めなかった。
「パク・ハさん、私たちはこのことをテヨンに言わないでおくけど、もしテヨンがパク・ハさんを思い出したら、君の居場所を言っていいかな?」
「そうよ、どこにいるかわからなきゃ、あなた達、出会えないわ!」
ソリはパク・ハの頬を撫でながら言う。
「ありがとうございます。でしたら、お言葉に甘えます。私のお店を教えて下さい」
「ああ、そうしよう。今日は急に押しかけてすまなかった。そろそろお暇するよ」
ソリはまだまだ言い足りないことがあるようだったが、テクスが「パク・ハさんの迷惑になる」といって、彼女を車に押し込んだ。
「私たち、こうして時々会いましょう。あなた一人で耐えてるなんて、可哀想すぎるわ」
ここまで一人でイ・ガクのいない世界に耐えてきたパク・ハに、二人の好意はとてもあたたかく感じられた。

ねぇ。チョハ。
私もずっと辛かった。
あなたがいなくなったこと。違うって、心が叫んでた。
誰のせいでもないって、わかってるの。
あなたは大きなことを成し遂げて、深く愛してくれた。
でも、私はちいさすぎるから。
けど、ね。

私、あともう少し頑張れそう。

パク・ハは顔を上げた。
イ・ガクと二人で見上げた夜空と幾分違わず、今夜の空も、星が強く輝いていた。




↓ランキング参戦中です。画像をポチっと応援宜しくお願いします
にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
拍手するLINEで送る


【作品名】はじまり

【テーマ】 屋根部屋のプリンス二次小説  テヨン×パク・ハ 

2014/01/23 Thu. 11:19  tb: 0   コメント: 2

【屋根部屋 二次小説】君は僕のもの - 3  

屋根部屋のプリンス連載

* そういうお年頃 *


屋根部屋のプリンス二次小説、ユチョン、王世子、セジャ、チョハ

「見合い相手とは、どうなったのだ」
「連絡はとってないわ」
「気に入らなかったのか?」
「あんたは会ってないから知らないと思うけど、あんたなんかより、ずっと格好良いのよ。色白で、背も高くて、やさしくて・・・」
「この男が格好いいのか?」
「!!! ちょっと、なんであんたの携帯に彼の写真があるのよ!?」
「居候の無事を守るのは、私の役目だ」
「えらそーに」
「この男とは縁がなかったのだ。諦めるが良い」
「そうね。でも、服もたくさん買ってもらったし、お母さんに見合い話をお願いしようかなー」

屋根部屋のプリンス二次小説、ユチョン、王世子、セジャ、チョハ

「・・・まだ見合いをするのか?」
「一度じゃ決まらないって言ったのは、あんたじゃない」
「何度やっても決まらぬ、という意味だ」
「私の実力をわかってないわね」
「そなたは乱暴でみだらゆえ、見合いをしても、この先縁を結ぶことはない」
「ふん!この前のお見合いで、可愛いって言われたの。映画だって誘われたし。私って、その気になればモテるのかも!」
「ありもしない想像を・・・ああ、見苦しい」
「炊事洗濯は問題ないし。いい奥さんになれるわ」
「そなたは全てが手荒く、また反抗的だ。夫に仕える心構えが足りていないではないか」
「ふーん、私の料理を気に入ってるくせに」
「それは、そなたしか料理をする者がいないゆえ・・・!」
「・・・ま、いいわ。お見合い、楽しみー!」

屋根部屋のプリンス二次小説、ユチョン、王世子、セジャ、チョハ

「・・・もう充分運動した。帰る」
「先帰って。私、もうちょっとウエストを引き締めてから・・・」
「無駄だと言っておるのだ!パッカ、帰るぞ!」




↓ランキング参戦中です。画像をポチっと応援宜しくお願いします
にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
拍手するLINEで送る


【作品名】君は僕のもの

【テーマ】 屋根部屋のプリンス二次小説  イ・ガク×パク・ハ 

2014/02/09 Sun. 14:12  tb: 0   コメント: 0

【屋根部屋 二次小説】春を思う - 上  

屋根部屋のプリンス連載

プヨンは、実姉の世子嬪、ファヨンの相手をする為に宮殿にやって来た。
しかし、焦っていたのだろうか。指示された時間よりもずっと早く着いてしまった。
ファヨンは、プヨンが約束を守らなことを、ひどく嫌う。
特に今日は、王世子、イ・ガクとファヨン二人の相手をする予定だったから、尚更、注意を払う必要があった。
イ・ガクが、妻への笑顔と変わらぬ笑顔をプヨンに向けることが、ファヨンは気に入らないのだ。
プヨンは芙蓉亭に誰もいない事を確かめると、階段を上がって行った。
彼女はここに飾ってある屏風が好きだった。
静かな佇まいが、彼女の心を落ち着かせてくれるから。

チョハの御心は世子嬪媽媽だけのものなのに。

プヨンは、誰が望んでも叶わない世子嬪という立場で、イ・ガクの愛を一身に受けてもなお妹を警戒する姉を、愛していた。
頬にやけどを負い、嫁ぐことの出来ないプヨンは、姉を訪ねる以外は家に閉じこもるほかない。
怖気づかずに外の世界に出て行けるのは、姉のおかげだった。
イ・ガクがプヨンを厚遇するのは、そんな彼女を哀れむがゆえ。それは彼女が一番良くわかっていた。
愛する妻の妹だから情も湧くのだろう。
結局、プヨンの想いは出口もなく行く先もなく、ただ漂うだけだ。
だから、今日のような穏やかな春の日には、蝶になって自由に飛んで、夏が来る前に散ってしまいたくなる。

白、橙、黄。どの色がいいかしら。

来世は蝶になろう。
頬に火傷を負い、許されぬ愛に身をやつすのが天命ならば、蝶になることもまた、天は許し給うはず。
プヨンは屏風に描かれた蝶を指でたどった。
「そこにいるのは、義妹か?」
背後から聞き慣れた声がした。
こんな時間に誰もここを訪れるはずがないと油断していたプヨンは驚き、肩を揺らした。慌てて低頭する。
「プヨンでございます」
「ここにいたのか」
「早く着いてしまいましたゆえ、こちらでお待ち申し上げておりました」
イ・ガクは、芙蓉亭から下がる素振りを見せるプヨンを引き止めた。
「下がらなくとも良い。そなたは今日、私と嬪宮の相手としてここへ来た。時間まで、私と話していれば良かろう」
それでも下がろうとするプヨンを、イ・ガクは笑った。
「はは。嬪宮がいないと不満か?仲の良い姉妹だな。では、ここに嬪宮も呼ぶとしよう」
イ・ガクは芙蓉亭の外に控えている従者に、予定が変わったことを告げる。
彼の楽しげな様子とは裏腹に、また姉の機嫌を損ねてしまうことを思うと、プヨンは憂鬱になった。
二人の付き合いは長い。プヨンの変化を敏感に感じ取ったイ・ガクは、わざと明るい声で問いかけた。
「顔を覆っている絹布の刺繍は、そなたが刺したものなのか」
「左様で御座います、チョハ」
「嬪宮の刺繍も見事だが、そなたの腕前も素晴らしいな」
まっすぐに見つめてくるイ・ガクの視線に耐えられず、プヨンはうつむく。
「チョハ、お掛けくださいませ」
足を踏み出したイ・ガクにプヨンは椅子をすすめた。
「もっと近くへ。刺繍をよく見せてくれ」
イ・ガクは腰を下ろさなかった。
プヨンも動かず、低く頭をたれる。
これでは、刺繍どころか彼女の顔すら見えない。プヨンの振る舞いに腹が立ち、イ・ガクは更に前へ進んだ。
「なりません、チョハ」
プヨンは体を起こすと、イ・ガクに向き合ったまま後ろに下がった。
逃げるプヨンを、イ・ガクは追う。
「なぜだ」
イ・ガクが一歩進めば、プヨンも一歩退く。
埋まらない距離への苛立ちを隠さず、イ・ガクは迫った。
「世子嬪媽媽以外の女人を簡単に近づけてはなりません」
「そなたは義妹だ。問題なかろう」
イ・ガクは、腕を伸ばせばプヨンに触れられるところまで、距離を詰める。

お願いだから、私を見ないで。

これは、許されぬ想いへの天罰なのだろうか。
あと少しでも近づかれたら、きっと、恋焦がれる心を見透かされてしまう。
プヨンは傍らにある屏風の陰に隠れた。
「チョハ、お願いでございます。足をお止め下さいませ」
プヨンが頑なすぎるからだろう。イ・ガクも折れなかった。
「私が良いと言っているのだ。こちらへ参れ」
プヨンはじっと動かない。
しびれを切らしたイ・ガクが屏風の後ろに入り込んだ。
逃げ場を失い俯くプヨンの顎を絹布ごと掴み、上を向かせる。
「やはり、見事な刺繍だ」
イ・ガクは刺繍の上から、プヨンの左頬を撫でた。
「プヨン、次はちゃんと言うことを聞くのだぞ」
プヨンが詫びるために頭を下げようとするのを許すまいと、イ・ガクは彼女の顎を掴んだ。
彼の右手は、今や顔を覆う絹布の中で、プヨンの肌に直接触れている。
「チョハ・・・」
愛しい人が触れているところだけ、針を刺されているかのように、チクチクと痛んだ。
やはり、これは天からの罰なのだ。

あんなにも焦がれた愛しい人の手が、針のようだなんて。

イ・ガクは人差し指の背で、プヨンの火傷痕を辿る。
何度も往復され、プヨンの瞳は耐え切れずに涙を溜めた。
イ・ガクの親指が、その涙を掬う。
プヨンは、もう抵抗をやめ、目の前にいる愛する人に身を任せた。
彼の額から鼻にかけての男らしい造形と、今は少し寄せられている眉を、プヨンは綺麗だと思った。
なにか音を発するために、男にしては赤い唇が開かれたが、小さく息を吐き出しただけで、閉じられた。
それからまた唇が開かれ、イ・ガクはただ一言、呟いた。

「そなたは美しい」

先に我に返ったのはプヨンだった。
「すぐに世子嬪媽媽がいらっしゃいます」
「・・・そうだな」
イ・ガクはぎこちない笑みを作ると、少しずれてしまった絹布を直してやる。
「世子嬪媽媽のご到着でございます」
従者の告げる声に促され、イ・ガクは芙蓉亭を降りて行った。




↓ランキング参戦中です。画像をポチっと応援宜しくお願いします
にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
拍手するLINEで送る


【作品名】春を思う

【テーマ】 屋根部屋のプリンス二次小説  イ・ガク×プヨン 

2014/02/10 Mon. 22:16  tb: 0   コメント: 0

【屋根部屋 二次小説】春を思う - 下  

屋根部屋のプリンス連載

イ・ガクは空を仰ぎ見て、今日は特別に天気が良い、と静かに言った。
ファヨンは芙蓉亭から降りてきた二人の様子がおかしいのを訝しみ、プヨンに咎めるような視線を送っていたが、イ・ガクの提案を聞いてすぐに上機嫌になった。
「庭を巡るとしよう。嬪宮は桃の花を見たいと言っていただろう?」
「覚えていてくださったのですね。嬉しゅうございます」
距離をとって付き従うプヨンを振り返り、ファヨンは勝ち誇った笑みを浮かべる。
春の日差しは心地よく、イ・ガクはそれを味わいながら、ゆっくりと歩を進めた。
庭に植えられた様々な木々を楽しめるように、緩やかな曲線をつけて作られた歩道を、一行は静かに辿った。
ファヨンはイ・ガクが何か言うのを待つが、彼からの言葉はない。
誰も話さないまま、桃の木の植えられている場所に一行は到着した。
ファヨンが期待した通り、桃の花は満開だった。
反り返る枝は、風が吹いたら折れてしまうのではないかと心配になるほどに、満開の花を重たそうに支えていた。
「本当に見事ですこと。チョハもそうお思いになりませんか?」
ファヨンの問いかけに返事はなかった。
イ・ガクは眉を寄せ両手を後ろで組み、桃の木に見入っていた。
「あら、あまりに見事で見惚れていらっしゃるのね」
ファヨンは返事がないことを取り繕うように言った。
しかし、イ・ガクは花々を見つめたままだ。
ファヨンは、いつまでも自分に注意を向けない夫の袖を引っ張った。
「チョハ、私は桃の花に嫉妬してしまいそうです」
「嬪宮は、かように幼いことを申すのか」
イ・ガクは静かに笑う。
「桃花 歴乱として 李花 香ばし」
「え?」
イ・ガクが何かつぶやいたが、ファヨンにはその意味がわからない。
彼女の問いかけには答えず、イ・ガクは後ろに控えるプヨンに向かって歩いた。
「プヨン、この詩を知っているか?

 草色 青青として
 柳色 黄なり」

 --芽生えたばかりの草は青青として 柳の新芽は黄金色に輝く

「はい。存じております」
「では、続けてみよ」

「桃花 歴乱として
 李花 香ばし」

 --桃の花は一面に咲き乱れ、すももの花は良い香りを漂わせる

プヨンが言い終えると、イ・ガクが次の句を引き取った。

「東風為に
 愁い吹き不去ず」

 --春の風は私の憂いを吹き払ってはくれない

男女の機微をうたった詩ではない。
にも関わらず、イ・ガクが、芙蓉亭での出来事をこの詩に込めていると思うのは、うぬぼれだろうか。
プヨンは、胸が詰まり黙り込んだ。
「忘れたのか?」
「いえ・・・」
「では、申してみよ」

傍にいるイ・ガクがやっと聞き取れるような小さな声で、プヨンは応えた。

「春日偏えに能く
 怨みを惹て長し」

 --むしろ春の日は私の悩ましい気持ちを煽るばかりだ

「やはり、そなたは完璧に憶えていたな」
「恐れいります、チョハ」
「春日偏えに能く怨みを惹て長し」
イ・ガクは最後の句を繰り返した。


なぜ、芙蓉亭でそなたを追ったのかわからない。
しかし、そなたは、いつも気にかかる存在だ。
今日のような穏やかな春の日差しの下では、そなたの存在が益々悩ましい。


「チョハ、今の詩はどんな意味でございますか?」
二人だけが理解している漢詩の応酬に言い知れぬ危機感をおぼえ、ファヨンは二人の間に割って入った。
「嬪宮には難しいな」
「まぁ、チョハったら」
夫と妹をこれ以上近づけてはいけない。
池に参りましょう。ファヨンは、イ・ガクに散策を続けるように促す。
プヨンも姉のそんな思惑を感じ取り、静かに申し出た。
「私はこちらで失礼致します」
イ・ガクは彼女を引き留めなかった。さあ、と誘うファヨンに笑顔を作る。
二人は肩を並べ、先へ進んだ。
イ・ガクに撫でられた火傷の痕がまたチクチクと痛み、プヨンは頬を押さえた。

悩ましいのは私のほう。
来世と言わず、今すぐ、蝶になってしまいたい。
この庭を自由に飛んで、ほんの一時だけ、あなたの肩で体を休めても良いでしょうか。
そのあとには夏が来て、私は消えて、なくなるのです。


プヨンは、遠ざかる二つの背中を、いつまでも見送った。






↓ランキング参戦中です。画像をポチっと応援宜しくお願いします
にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
拍手するLINEで送る


【作品名】春を思う

【テーマ】 屋根部屋のプリンス二次小説  イ・ガク×プヨン 

2014/02/11 Tue. 17:55  tb: 0   コメント: 3

【屋根部屋 二次小説】薄荷飴 - 1  

屋根部屋のプリンス連載

パク・ハは五人分のオムライスをテーブルに並べた。
昨晩、まずイ・ガクが「明朝は"おむらいす"を用意するように」とパク・ハに注文し、彼女が難色を示すと、他の三人も「我らも食べたい」と加勢した。
それでも反論を試みたが、他の朝餉では仕事への意欲が湧かないだの、チョハの仰ることは絶対だの騒ぎ立てる四人に負ける形で、こうしてオムライスを並べている。
もう、正直オムライスは飽きたのよね。
パク・ハは腰に手を当て、食べる前からうんざりした気分で、テーブルを眺めた。
臣下の三人は既に席に着いている。
しかし、肝心のイ・ガクがいない。
「あいつが時間通りに起きないなんて、珍しいわね」
イ・ガクたっての希望でオムライスを作ったのにすっぽかされてしまい、文句が口をついて出る。
それに対し、三人は神妙な面持ちで、チョハは臥せっておられます、とパク・ハに告げた。
「具合悪いの?」
「高熱でございます。我らは薬の調合がわからぬゆえ、お助けすることが出来ないのです」
そう言えば、昨夜彼は頭痛を訴えていたが、何時ぞやの人差し指を切った時のように、大げさに言っているのだと思っていた。
無視しちゃって、可愛そうだったかも。
「私が診るわ」
パク・ハは、三人に朝食を済ませ出勤するように言い、トレーに体温計や食事を並べた。



イ・ガクの部屋に入ると、寒そうに布団の端を握る手が見えた。
首まですっぽりと布団を被り、小さく開いた口からは、少し荒く、また熱を伴った息が吐き出されている。

昨日のうちに、様子をみてあげれば良かったな。

パク・ハはイ・ガクのおでこに手をあてた。
想像していた以上に彼の額は熱い。パク・ハは頬をそっと撫でた。
「起きて。薬を飲んだら、また寝よう」
「・・・ん・・・パッカ?」
目をつぶったまま、イ・ガクが呟いた。
起き抜けの声は、少し幼く、いつものような威厳がない。
パク・ハは起きるように再度声をかけたが、イ・ガクは、まだ寝ると言って、目を開けなかった。
「頭痛い?」
「痛い」
目を閉じたままだが、彼の声は徐々にはっきりとしてきた。
早く解熱剤を飲ませたいパク・ハは、イ・ガクの肩に腕を差し入れる。
「起きて。オムライスも持ってきたわよ。それとも、おかゆ作る?」
「・・・おむらいす」
オムライスと言いながら、イ・ガクは頭まですっぽり布団を被ってしまった。
「チョハ!」
普段の、年齢の割に落ち着いた立ち居振る舞いと違い、今朝のイ・ガクは駄々をこねる子供のようだ。
パク・ハは、普段使わない「チョハ」で呼びかける。
「チョハ、子供じゃないんだから、起きてよ。薬を飲めないでしょ!」
「・・・その薬は苦いのか」
「水と一緒に飲めば、味はしないわよ」
「・・・そうか」
そうか、と言いつつ、布団の下のイ・ガクは一向に動く気がないらしい。
なんでこんなに世話が焼けるのか。しびれを切らしたパク・ハは、勢い良く布団を剥いだ。
いきなり外気にさらされ、イ・ガクはブルっと震えた。すぐさま布団を取り返す。
「起きなさい!はい、これで体温を測って!」
「寒い!それに、私はまだ寝る。邪魔をするな!」
「体温を測って、薬を飲んだら、好きなだけ寝て下さい」
パク・ハは、イ・ガクのシャツの首もとを広げ、体温計を脇の下に突っ込んだ。
「うわっ!何をする!」
体温計の冷たい感触に、またもイ・ガクは身震いした。
「それ、動かさないようにしてね。脈拍を計る代わりに、熱を計測してくれるから」
初めて触れる体温計に緊張しているのか、イ・ガクは素直に脇を閉め、不思議そうにパク・ハを見る。
偉そうな口をきいていても、やはり熱が辛いのだろう。パク・ハを見る目は、潤んでいた。




↓ランキング参戦中です。画像をポチっと応援宜しくお願いします
にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
拍手するLINEで送る


【作品名】薄荷飴《大人》

【テーマ】 屋根部屋のプリンス二次小説  イ・ガク×パク・ハ 

2014/02/20 Thu. 18:54  tb: 0   コメント: 0

【屋根部屋 二次小説】薄荷飴 - 2  

屋根部屋のプリンス連載

計測終了を告げる電子音が鳴り、イ・ガクはびくっと体を揺らした。
この現代的な効果音に、いい加減慣れても良さそうなものだが、不意打ちにはまだ弱いらしい。
「38.4度」
「それは、高いのか?」
「すごく高いわね」
かなりの高熱だと知ってしまうと、ぐったり横たわるイ・ガクを起こすのは気が引けた。
異国同然の地で倒れるのは、心細いに違いない。
パク・ハにも覚えがある。
アメリカで寝こんだ時、いつも求めていたのは、記憶にない韓国の父母だった。
「雙和茶(サンファ茶)飲む?」
パク・ハは、体を温めてくれるからと、以前母が屋根部屋に置いていったインスタントの雙和茶の存在を思い出した。
朝鮮時代と同じ処方かわからないが、少しは、彼の不安を取り除いてくれるかもしれない。
「この家にあるのか?」
「うん、持ってくるから、オムライス食べててね」
パク・ハは、イ・ガクが文机として使っているローテーブルをベッドに乗せて、その上にオムライスを置いた。
パク・ハが先ほどのように強く出ない限り、言うことを聞くつもりはないのだろう。イ・ガクは横たわったままだ。
彼女はイ・ガクを無理に起こさず、キッチンに降りた。
雙和茶の粉末にお湯を注ぐと、韓方独特の、木の根っ子のような少し苦味のある香りが広がった。
この香りが苦手で引き出しの奥に閉まったままにしていたのだが、こんな形で役に立つとは、よもやパク・ハの母親も想像していなかっただろう。
パク・ハが雙和茶を持って寝室のドアを開けると、イ・ガクはその香りに目を細め、重たそうに起き上がった。
「そなたが煎じたのか?」
「ううん、今は簡単に作れる粉末のものがあるのよ」
「それでも、美味だ。この香りを嗅ぐと、病も治る気がするな」
雙和茶が呼び水になったのか、イ・ガクはオムライスに手を付けた。
「そなたは食事を済ませたのか?」
「まだよ」
「ならば、そなたもここで食べよ」
「私はあとでいいわ」
「では、私も食べない」
せっかく食べ始めたのに、イ・ガクはスプーンを置いてしまった。
「もう、世話が焼けるんだから」
パク・ハはスプーンでオムライスをすくい、イ・ガクの口元に運んでやる。
イ・ガクはパクっと食いつくと、僅かに微笑んだ。
「チョハはちゃんと食べなきゃ」
「そなたも、食べるべきだ」
「だって、私は元気だし」
「私のせいでそなたが朝餉を取れないのは、忍びない」
今度はイ・ガクがパク・ハの手からスプーンを取り、オムライスを食べさせる。
パク・ハはオムライスを飲み込んでから、再びイ・ガクに、次の一口を運んでやった。
パク・ハが食べさせ、イ・ガクが食べさせ。
そうして交互に食べさせ合うと、オムライスはあっという間になくなった。
先ほどまで、やれ起きろ、やれ起きたくない、と揉めていたのに、随分あっさりと終わったものだ。
二人は、思わず吹き出してしまった。
「今日は、いっぱいお世話してあげようと思ったのに」
普段、二言目には、なんで私がやらなきゃいけないのよ。と口答えしている自分を揶揄するように、パク・ハは微笑む。
「けちゃっぷ」
パク・ハの唇の端を、イ・ガクが指差した。
パク・ハがケチャップを拭うために唇の端に指を持って行く前に、イ・ガクの唇が素早くケチャップを吸い取った。
不意打ちに、パク・ハは目を丸くする。
「ん?接吻して欲しいのか?」
「違うわよ・・・ちょっと、風邪がうつっちゃう」
「その時は私が診てやる」
パク・ハの頬を包み込んだイ・ガクの両手は、やはり焼けるほど熱かった。
彼女に心配をさせまいと、少し無理をしておどけているのだろう。
近づいてくる唇を手のひらで押しとどめ、パク・ハはその唇に錠剤をねじ込んだ。
舌の上に溶け出た薬の苦さに、イ・ガクは顔をしかめる。
続けて差し出されたコップを受け取ると、一気に水を飲み干した。
「この丸薬も苦いではないか」
「薄荷飴舐める?」
パク・ハがローテーブルを床に下ろすと、イ・ガクはぐったりとベッドに沈んだ。
暑い、と言ってパク・ハが掛けてくれた布団を押しのける。
初めは寒がっていたイ・ガクも、食事を取り、体が温まってきたのだろう。
「今、氷枕を持ってくるからね」
パク・ハが布団をかけ直すと、その手がイ・ガクの顎にあたった。
「パッカの手は冷たいな」
女性特有のひんやりと冷えた手が熱を吸い取っていくようで気持ちがよかった。
「薄荷飴も氷枕も必要ない」
イ・ガクはパク・ハを腕の中に引き入れた。
驚いてじたばたと動いていたパク・ハが、観念して大人しくなると、彼女の額に自分の頬を押し当てた。




↓ランキング参戦中です。画像をポチっと応援宜しくお願いします
にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
拍手するLINEで送る


【作品名】薄荷飴《大人》

【テーマ】 屋根部屋のプリンス二次小説  イ・ガク×パク・ハ 

2014/02/22 Sat. 21:47  tb: 0   コメント: 2

【屋根部屋 二次小説】(大人小説)薄荷飴 - 3  

屋根部屋のプリンス連載

大人表現が含まれます。ご注意下さい。
* -- * -- *



「パッカ、そなたの体は薄荷飴のようにひんやりとして、心地が良い」
そっちが熱すぎるのよ。パク・ハはそう言い返しそうになったが、いちいち楯突いていても可愛げがない。
代わりにイ・ガクの頭をなでた。
「元気なふりなんか、しなくていいのに」
パク・ハの背中に回る腕の重みが、彼の怠さを正直に伝えている。
イ・ガクは体を下へずらし、パク・ハの首筋に顔を埋めた。
「・・・誰かに甘えるのは、初めてだ」
王世子として、常に気丈に振る舞わざるを得なかったのだろう。
イ・ガクはぽつりと呟いた。
しばらく、二人とも何も話さなかった。
規則正しく頭を撫でるパク・ハの手がつくる、髪の擦れる音と、イ・ガクの気怠い吐息だけが、静かな空間を埋めた。
イ・ガクの熱が蒸発して、湿度を含んだ空気が、二人に纏わりつく。
パク・ハは、彼の熱のせいで、彼女自身も発熱したような錯覚に襲われた。
そっと溜め息を吐き出し、熱を逃す。
イ・ガクは、子犬が飼い主に甘えるように、パク・ハに頬を擦りつけて、彼女をぎゅっと抱きしめた。



カーテンの隙間から漏れる陽の光にまどろみを邪魔され、イ・ガクは体を起こした。
両肘をついてパク・ハを見下ろし、静かにくちづけを落とす。
「風邪がうつると、言わないのか?」
「そうなんだけど・・・一緒にオムライス食べちゃったよね?」
イ・ガクはパク・ハの手首を掴み、内側に親指をあてる。
「まだ健康そうだな」
「こんなに早くうつったら、たまんないわよ」
はい、おしまい。パク・ハは、幼児をあやすようにイ・ガクのうなじに手のひらをのせ、自分の方に引き寄せようとした。
イ・ガクはその手を払いのけ、高熱のせいで潤んだ瞳でパク・ハを見下ろした。
「ね・・・ちょっと・・・・・・」
深く舌を絡められパク・ハは抗議の声を上げ、腰を撫でるイ・ガクの手を払おうとする。
それに答えるように、イ・ガクはパク・ハの太ももを掴み、自身の中心を押し付けた。
ショートパンツがめくれた素肌の部分に、それは当たった。
薄い寝間着の布越しのそれは、パク・ハの肌に直接触れたように、はっきりと形を伝えた。
「・・ぃや・・・・い・つ・・?」
「今」
イ・ガクの手は性急にパク・ハを求めた。
Tシャツの下に滑り込み、柔らかな膨らみを撫で上げる。
「なんで・・・」
「私にもわからぬ」
「ね、今日は止めて」
イ・ガクは上着を脱ぎ捨てた。

「無理だ。体が、熱くて」

パク・ハのTシャツをたくし上げ、胸の先端を舌でなぶると、細い体が跳ねた。
それでも二本の腕は、イ・ガクの肩を押し返す。
イ・ガクは抵抗をする彼女の腕をベッドに押し付け、脈打つ首筋を舌でなぞった。
パク・ハの口からは、溜め息ともつかぬ、か細い声がこぼれる。
体の奥に重く沈んでいく熱に耐え切れずに、イ・ガクは唸った。
その息が彼女の産毛を逆立てた瞬間、パク・ハは抵抗をやめた。
高熱に浮かされているのは、イ・ガクだけではない。
イ・ガクに求められ、認めざるを得なくなった。
二人で静かに体を寄せあっていたあの時に、彼女もまた、おかしくなっていた、と。
彼女の体から、力が抜ける。
イ・ガクは、性急にパク・ハのショートパンツと下着を下ろし、細い足を割った。
首筋と胸に赤い痕を幾つも付けながら、彼の手はいとも簡単にやわらかな部分を探りあて、指を埋めた。
交わる為の準備を必要としないほど、パク・ハの体は溶けきっていた。
けれど、イ・ガクの指は、ゆっくりと彼女の体をかき混ぜる。
もう片方の手は、パク・ハの額に張り付いた髪を、静かにはらった。
その優しさとは裏腹に、歯を食いしばり苦しそうに眉を寄せてパク・ハを見つめるその表情は、限界が近いことをはっきりと物語っている。
パク・ハは目の前の愛しい人の首に腕を絡め、囁いた。

ひどくして、いいのに。

イ・ガクはズボンを脱ぎ捨て、一気に自身を彼女に埋めた。
パク・ハの両足が、イ・ガクの腰に絡みつく。
淫靡な動きに合わせて甘い声を上げるパク・ハの体に、イ・ガクは欲望をぶつける。
腰に絡んだ彼女の両足が彼を締め付けた瞬間、彼の血流が一気に跳ね上がった。
イ・ガクはパク・ハの体から自身を引き抜いた。
パク・ハの太ももに、イ・ガクの熱が滴り落ちた。



カーテンから零れる陽の光が、パク・ハの体を照らした。
彼女に放たれた白濁した液体は、やわらかな肌の上で広がり、めくれ上がったTシャツの下の、無数に付けられた痕は、光が当たりより赤々と浮き立っている。
パク・ハが視線を避けるように体をよじると、まだ硬さを失っていないイ・ガクのそれに触れてしまい、イ・ガクは呻いた。

「もっと、して」

パク・ハが体を起こし、イ・ガクの唇を吸った。
イ・ガクは、パク・ハのTシャツを脱がし、太ももの汚れをそのTシャツで拭きとると、彼女の肩を乱暴にベッドに押し付ける。
両足を開かれ、パク・ハは顔を背けた。
イ・ガクは彼女を貫き、押し寄せる欲望を打ち付けた。

「・・・んっ・・・・はぁっ」

イ・ガクに縋り付いていたパク・ハの体が、かくん、と落ちた。
イ・ガクは彼女から自身を引きぬく。
まだ熱を持ったままの塊に、パク・ハの細い指が絡みつく。
イ・ガクはパク・ハの手の上から、それを一気に擦りあげた。
低い唸り声と共に吐き出された精が、パク・ハの両手を汚した。





↓ランキング参戦中です。画像をポチっと応援宜しくお願いします
にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
拍手するLINEで送る


【作品名】薄荷飴《大人》

【テーマ】 屋根部屋のプリンス二次小説  イ・ガク×パク・ハ  大人小説 

2014/02/24 Mon. 21:03  tb: 0   コメント: 2

【屋根部屋 二次小説】薄荷飴 - 4  

屋根部屋のプリンス連載

丸まったTシャツが目に飛び込んできて、パク・ハは、イ・ガクの大きな肩で視界を遮った。
先ほどまでの痴態を如実に物語るそれも、今、彼に拭われている両手も、とても正視できなかった。
恥ずかしくて居た堪れないのに、そうさせた本人に縋ってしまうのは何故だろう。
パク・ハは、イ・ガクの肩に額を擦り付ける。
泣きそうな顔をして自分に縋る彼女を、彼は広い胸の中にを迎え入れた。

ひどくして。

イ・ガクは、その言葉のまま、乱暴に彼女を抱いた。
霞がかった意識の中で、始終纏わりついた柔らかさと、甘く震える声だけは鮮明だった。
彼の理性を奪ったのは、熱だけではない。
無意識に媚びる肢体にもまた、煽られた。
「体、平気?」
「まだ、怠いな。しかし、そなたの方が辛いだろう?」
イ・ガクは赤ん坊を寝かしつけるように、パク・ハの背中をさする。
「平気。・・・シャワー浴びたい」
「共に浴びるか?」
少しの沈黙の後、パク・ハは小さく頷く。
「・・・うん」
イ・ガクは床の寝間着を拾い上げ、彼女を包んだ。
大きすぎるその上着は、彼女の太ももまで覆った。
イ・ガクがズボンを履くために立ち上がると、彼の滑らかな臀部が目の前に迫り、パク・ハは思わず顔を背けた。
「おいで」
イ・ガクはパク・ハの手を引いて、階段を降りて行った。



勢い良く滑り落ちる水滴がパク・ハの体の曲線を際立たせ、イ・ガクは堪らず彼女の腰を引き寄せた。
彼女は、午前中の日差しの下で交わった後にも関わらず、バスルームの明かりに照らされた自分の体を恥ずかしがったが、彼が深い接吻を仕掛けると、甘い声を漏らして素直に応じた。
唇を離したイ・ガクは、顔を傾けて、パク・ハの細い首を見つめる。
「家から出れない。三人にだって・・・」
服で隠せないような部分にまで刻まれた痕を擦る彼の手に、自分の手を重ね、パク・ハは抗議する。
「足りないぐらいだ」
イ・ガクは膝立ちになって、水を弾く滑らかな彼女の臍部を強く吸った。
赤く鬱血した痕が、点々と並ぶ。
見上げると、まだ泣きそうな顔をしているパク・ハと、目が合った。
「私の部屋に戻っておいで」
イ・ガクはパク・ハの額にくちづけて、バスルームを後にした。


-- -- -- --
お詫び
感謝企画アンケート4位の「イ・ガク×パク・ハ ラブラブ」小説と銘打っていましたが、テーマやタイトルから、「感謝企画」を外しました。
これはこれで、皆様にお楽しみいただいているようで大変ありがたいのですが、「イ・ガク×パク・ハ ラブラブ」から連想される、健康的(?)な雰囲気とは程遠く、投票してくださった方の意図とは違う方向に進んでいる、と判断した為です。
また別の形で必ず書きます。
申し訳ありません。




↓ランキング参戦中です。画像をポチっと応援宜しくお願いします
にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
拍手するLINEで送る


【作品名】薄荷飴《大人》

【テーマ】 屋根部屋のプリンス二次小説  イ・ガク×パク・ハ  大人小説 

2014/02/26 Wed. 20:42  tb: 0   コメント: 2

【屋根部屋 二次小説】薄荷飴 - 5  

屋根部屋のプリンス連載

イ・ガクは、デニムだけを履いて、脱衣所を出た。
体の熱をヨーグルト飲料で下げようと、冷蔵庫を物色する。
「チョハ」
突然背後で声がし、驚いたイ・ガクは、お目当てのヨーグルトへ伸ばした手を引っ込めた。
「チョハ、起きていらっしゃったのですね」
イ・ガクはぎょっとして振り返った。
正午を過ぎたばかりのこの時間に、いるはずのない、いや、正確にはいて欲しくない人物の声が聞こえたからだ。
振り返った先には、こちらも濡れた髪に上半身裸の主君にぎょっとして棒立ちになっている、臣下三人がいた。
三人は、イ・ガクを心配して昼休みを利用して帰ってきた旨を伝えると、怪訝そうに彼の様子をうかがった。
「チョハ、治ったのですか?」
チサンが、両手を前で揃えて聞く。
「いや、まだあまり良くない」
「でしたら、そのような格好はお体に障ります。それに・・・」
隣のマンボを肘でつつく。教育係から言え、という合図だ。
マンボは、如何にも言いにくそうに頭を掻き、顔を伏せた。
「パク・ハさんは婚前の女人で御座います。いくらお二人のお心が結ばれていても、パク・ハさんのいる家の中で肌を晒すというのは・・・」
「・・・うん、まぁ、そうであるな」
その女人に対し、ついさっきまで肌を晒す以上のことをしていたイ・ガクは、もごもごと同意した。
事後であることを感付かれたはずもないのに、きまりが悪い。
「ところで、パッカ姉上はどこにいるのですか?」
「私の看病に疲れて、部屋で休んでいる」
まさか体を清めているなどと白状するわけにもいかず、適当に濁した返答だったが、なかなか説得力があったようで、三人は神妙な面持ちで頷いた。
イ・ガクは、パク・ハが三人に気付かずにバスルームから出てくるのではないかと、気が気でない。
早く彼らを追い出すべく、そしてなるべく遅く帰宅させるべく、彼は頭の中で必死に策を巡らす。
「皆の者、パッカは昼餉の用意ができないから、外で食べろ。夕餉も外で済ませてくるが良い。私とパク・ハの分を買うのを忘れるな」
「はい!では、ブラックカードをお借りしてもよろしいですか?」
「ああ、私の部屋にあるから持って行け」
そう返事すると同時に、イ・ガクの脳裏に、現在の部屋の惨状が鮮明に浮かんだ。
乱れた寝具、己が汚したパク・ハのTシャツ・・・。
「いや、待て!!」
イ・ガクはスタスタと歩くチサンを追いかけ、押し止めた。
「立て替えておくように。帰ってきたら、相応の額を渡そう」
「はぁ・・・」
イ・ガクが安堵のしたのも束の間、今度はヨンスルが歩き出した。
「どこへ行くのだ?」
「我らの声がしても出てこないので、パク・ハ殿も具合が悪くなっていないかと・・・」
ヨンスルはパク・ハの部屋を指さす。
イ・ガクは拳を握りしめた。
「いいか、私が良いと言うまで、そなたら全員! 私の部屋も、 パッカの部屋も! 勝手に入ってはならぬ!!!」
「はぁ・・・」
「まったく!」
三人は何が「まったく」なのかさっぱり理解出来ないのだが、イ・ガクに促され、玄関に向かう。
「しかし、チョハが朝よりもお元気になられて、安心いたしました」
「パッカ姉上が医術を心得ていたとは、意外だなぁ」
「我らも、病んだときにはパク・ハ殿に看病をお願いしよう」
パク・ハが彼らに“医術”を施すなど、とんでもない。イ・ガクは大きく咳払いした。
「そなたらが病を患ったら、私が責任をもって診てやるから、安心するが良い」
やはり、今日の主君はおかしい。
「はぁ・・・」
最後まで腑に落ちないまま、三人は会社に戻って行った。




↓ランキング参戦中です。画像をポチっと応援宜しくお願いします
にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
拍手するLINEで送る


【作品名】薄荷飴《大人》

【テーマ】 屋根部屋のプリンス二次小説  イ・ガク×パク・ハ 

2014/02/27 Thu. 19:26  tb: 0   コメント: 2

【屋根部屋 二次小説】薄荷飴 - 最終話  

屋根部屋のプリンス連載

パク・ハが部屋に戻ると、そこは綺麗に片付けられていた。
イ・ガクは、自らの不調を自覚しながら、上半身に何も身につけずにベッドに突っ伏している。
彼女は男らしい広い背中を目の当たりにし、情事の余韻に引き戻されそうになったが、頬を叩いて振り払った。
「髪が濡れたまま寝たら、治らないじゃない」
「んー・・・」
イ・ガクはうつ伏せのまま、顔だけパク・ハに向けた。
「・・・着替えたのか」
色気とは程遠い彼女の装いに、イ・ガクは憮然とした。
ショートパンツにTシャツ、おまけに首にはタオルが巻かれていた。
眉間に皺を寄せ、手招きする。
パク・ハがベッドの傍らにしゃがむと、イ・ガクは彼女の首からタオルを引き抜いた。
「ちょっと、返してよ」
「この部屋にいる間は、必要ない」
「嫌よ。恥ずかしいんだから」
「ダメだ」
パク・ハは譲らない性格だが、イ・ガクもその点では負けていない。タオルをベッドの反対側に放ってしまった。
パク・ハは大袈裟なほど大きくため息をついた。
「髪の毛を乾かそう」
彼女は、イ・ガクがろくに寝支度を整えていないことを見越して、ドライヤーを持って来ていた。
男という生き物がこの手のことに無頓着なのは、古今東西変わらないのだろう。
「今まで乾かさなくても問題はなかった」
「現代の技術は活用すべきよ」
イ・ガクは素直に起き上がり、ベッドの縁にちょこんと腰掛けた。
漆黒の髪をかき分ける彼女の手に合わせ、彼の頭は、右へ左へと揺れる。
パク・ハは、短い髪に触れながら、アメリカへ発つ彼女を追いかけてきた彼を、思い出した。
自分の許しを得ずに去ろうとしている、と怒っていた。
そんな彼が、今は子供のように頭を預けて、為すがままになっている。
そう、あの日、彼は髪を切った。
かつて、自分自身が「国」なのだと話した彼が、この時代に来て成し遂げようとしていることは、妻の死の謎を解くという単純なものではないはずだ。
国体を賭け戦う、という覚悟の断髪だったに違いない。
彼が独り背負う重圧は、如何ほどか。
きっと彼は知らない。
だから、こうして甘やかしてしまうことを。



「何か着なくちゃね」
髪が乾くと、パク・ハはクローゼットから柔らかそうなTシャツを選んで着せた。
頭、右腕、左腕、イ・ガクは彼女の手に合わせて素直に袖を通す。
そして終わると、待ってましたとばかりに、彼女を抱きしめた。
「薄荷飴のようだったのに、冷たくない」
誰のせいか、わかっているくせに。
パク・ハは指でイ・ガクのつむじを押した。
「ねぇ、お願いだから休んで」
「ああ、さすがに私も疲れた」
「ちゃんと寝る?」
「約束しよう」
イ・ガクは、ベッドに仰向けに横たわり、隣をポンポンと叩いた。
忠告されずとも、臣下の突然の襲来で、気が削がれていたのだ。
パク・ハはイ・ガクの隣に横たわり、伸ばされた腕に頭を乗せた。
「きっと私も風邪をひくよね?」
「私より酷くなるやも知れぬな」
「最悪」
イ・ガクは楽しそうに笑った。
「明日には発熱するから、このままずっと、ここにいればいい。そなたの面倒は私がみよう」
「病院に行くから、必要ないわよ」
イ・ガクは、パク・ハの尖った唇に、チュッと音を立てて、くちづけた。
「こっちのパッカ(薄荷)のほうが、甘いな」
「アンポンタン」
二人の会話は、徐々にゆっくりになり、小声になり。
やがて、まぶたが閉じられた。



すっかり日が落ちてから、二人は目覚めた。
イ・ガクは、軽くなった体を喜んで、自ら体温計を脇に挟んだ。
「36.2度」
「どうなんだ?」
「治ったわね」
しかし、パク・ハは違った。喉も痛いし、頭も痛い。
イ・ガクに続き、試しに測ってみた熱は、朝のイ・ガクよりも高温だった。
「薄荷飴ちょうだい。氷枕も欲しい」
「私と横になれば良いではないか」
「氷枕の方がいい。部屋に戻るわ」
「そなたのベッドは、二人で横たわるには、狭い。ここで寝るのだ」
風邪を治すには、一人でぐっすり寝るに限る。
言い合う気力ももはや失せ、パク・ハは黙って起き上がった。
いいのか?イ・ガクの指が、パク・ハの首をつついた。
自分の部屋で無防備に寝て、臣下にこの痕を見られてもいいのか?と。
昼間のぐったりした彼はどこへやら。いつもの尊大な、少しだけ目を細めた表情で、幾つも残った痕を順につついていく。
「・・・最悪」
果たして彼の予言通りに、パク・ハは風邪が治るまでの数日間をイ・ガクのベッドの上で過ごすことになった。
彼が、完璧なまでに人払いをし意気揚々と看病したのは、言うまでもない。




↓ランキング参戦中です。画像をポチっと応援宜しくお願いします
にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
拍手するLINEで送る


【作品名】薄荷飴《大人》

【テーマ】 屋根部屋のプリンス二次小説  イ・ガク×パク・ハ 

2014/03/02 Sun. 01:15  tb: 0   コメント: 0

最新記事

目次

テーマ一覧

更新情報 配信中

プロフィール

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。