芙蓉の書-成均館スキャンダル屋根部屋のプリンス3days二次小説

JYJユチョン主演の韓国ドラマドラマ「トキメキ☆成均館スキャンダル」「屋根部屋のプリンス」「スリーデイズ(3days)」の二次小説ブログです。
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【成均館 二次小説】犬も食わない - 1  

成均館スキャンダル連載

花の四人衆は、酒屋で酒を酌み交わしていた。
今日の酒の席は、ユニの「今夜はやけ酒です」から始まった。
ずっと泣き続けていたユニが、中二房の前の縁側に腰掛けていたヨンハに、そう声をかけたのだ。
宴会好きのヨンハは、もちろん断らなかった。
ユニが心配で中二房に留まっていたジェシンも、二人の後を追いかけた。
「コロ先輩も、行きましょう!」
ユニは二人を両腕で引っ張ってどんどん進む。
ソンジュンも一歩後ろをついて行ったが、ユニが振り向くことはなかった。
「君も来たの?」
席に着くと、ユニはぶっきらぼうに言った。
「キム・ユンシク、ちゃんと話そう」
「酒の席で話って、君は無粋だな。それに、話なんか、僕にはないよ」
真っ赤に腫れたまぶたを気にしながら、ユニは呟いた。
「俺が貰冊房に連れて行ってやるから、もう、泣くな」
ジェシンがユニの肩に手をかける。
ソンジュンは卓子の下で右のこぶしを握り締めた。
ジェシンのやる事が一々引っかかる。
キム・ユンシクが、自分に対するのと違って、ジェシンにはいつも屈託のない笑顔を向けるからだろうか。
ソンジュンは、ジェシンのその手を苦々しげに見つめた。
そして、今、卓子の下で右手を動かせずにいる自分は意気地のない男のような気がして、よけいにジェシンが腹立たしかった。



午後の早い時間に授業が終わった今日、ソンジュンとユニは、貰冊房に行く約束をしていた。
二人は、禁書扱いになっている清国の書物を読みに出掛けるつもりだった。
一週間前に写本を納めに行った時、ユニは貰冊房の主人に「学士様好みの禁書が入りましたよ」と囁かれ、いても立ってもいられなくなったのだ。
ソンジュンを誘ってみると「君一人で禁書?危険だとわからないのか。僕も一緒でなくては」と、随分説教臭くはあったが、応じてくれた。
それからユニは、あと三日、あと二日、と毎日指折り数えてその日を待った。
貰冊房までの道を行きながら、飴を買って一緒に食べたり、女人の髪を飾る細布(テンギ)を見て回ったりしてみたい。
彼は男と出かけると思っているが、それでも、二人で連れ立って歩くことを考えるだけで、胸が弾んだ。
加えて今朝は、いつもよりも念入りに顔を洗った。
しかし、天はユニに味方しなかった。
ユニの想像通りに二人で連れ立って成均館の門をくぐったら、門外にヒョウンがいたのだ。
「イ・ソンジュン様!一か八かでお待ちしておりました。本当に出て来てくださるなんて!」
「こんなところで、何をしているのですか」
「だから、ソンジュン様をお待ちしていたんです」
「僕は、これから出掛けるところです。あなたの為に出て来たのではありません。それに、ここには来るべきではないと言ったはずです」
「でも、ひと目だけでもお会いしたかったんです・・・私、ソンジュン様に教えていただきたい詩を持ってきましたの」
ヒョウンは紙を差し出した。
ソンジュンは、一瞥するだけで受け取らなかった。
「あなたの兄上が適役です。とても優秀でいらっしゃる」
年頃の両班の男女が道端で会話をしているのは、それだけで目立つ。
二人を囲んで、人集りが出来始めていた。
「輿はどこですか?」
「大通りの向こうに待たせてあります」
「そこまで送ります。キム・ユンシク、ちょっと待っててくれ」
ソンジュンは、ユニが止める間もなく行ってしまった。
遠ざかって行く彼の背中と、それより一回り小さいヒョウンの背中を、ユニは見つめた。
ヒョウンは、鮮やかな桃色のチマで着飾っている。
念入りに化粧が施された彼女の笑顔は、ユニから見ても可愛らしかった。
無意識に手が頬に行く。

私は、顔を洗っただけ。

お金はないけれど、ソンジュンがどんな細布を選ぶのか、知りたかった。
卒業したら、思い出にソンジュン好みのもの一つ買いたいと、ここ数日は、そんなこともぼんやりと考えていた。
しかし、ヒョウンの登場で、寄り道をする時間はなくなってしまった。
ユニは、何もかもが嫌になった。
不躾なヒョウンに礼を尽くすソンジュンが。
ソンジュンに申し分なく釣り合うヒョウンが。
男だと思われている自分が。
気付いたら、涙がこぼれ落ちていた。
ユニは、とぼとぼと中二房に戻っていった。
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【作品名】犬も食わない

【テーマ】 成均館スキャンダル二次小説  ソンジュン×ユニ 

2014/01/10 Fri. 20:00  tb: 0   コメント: 2

【成均館 二次小説】犬も食わない - 2  

成均館スキャンダル連載

ソンジュンはヒョウンを送り届けると駆け足で戻った。
彼女の輿に着くまでに、ヒョウンは賑やかにソンジュンの気をひこうとしたが、ソンジュンは全く彼女の話を聞く気がなかったから、最後の挨拶まで黙々と歩を進めた。
ソンジュンもまた、ユニと出かけることを楽しみにしていた。
ふたりだけで成均館の外に出るなんて、滅多にない。
だから、駆け足で戻った。
しかしユニは中二房に閉じこもり、この酒屋でも泣きべそをかいている。
「明日、僕と一緒に行こう」
「君とは行かないよ。コロ先輩と行くから」
事の顛末は単純で、傍から見ると他愛のない言い合いだが、空気は重い。
この席で酒を美味しく飲めているのは、ヨンハぐらいなものだ。
「テムル、まぁ、飲め。男が泣き虫じゃいけない」
ヨンハの手酌で、ユニは酒を煽る。
連続して酒を入れたせいで多少酔ったのか、ユニは口を開いた。
「僕は・・・楽しみにしてたんだ」
ソンジュンが、身を乗り出した。
「その、君がそんなに楽しみにしてるって気づいてなくて。許してくれ」

そういうことじゃないだろう。

ジェシンは苦笑いで頬杖をつく。
ヨンハも、吹き出しそうになるのを必死に堪えた。
やってられないよ。笑っていることに気付かれないように、扇子で口元を隠す。
「女に言い寄られて嫌がる男はいないしなぁ」
あからさまにぼやいてみた。
ヨンハとしては、鈍感なソンジュンに仄めかしてやったつもりだったが、しかし、ユニの方により効いてしまったらしい。
卓子の上の両手がきつく握られた。
「泮村に女人が一人では危険だから、彼女を送っただけだ。その後、君と貰冊房に向かうつもりで・・・」
ソンジュンは、中二房で何度も繰り返した説明を、もう一度口にする。
「イ・ハンスの妹はそんな玉か?」
ヨンハの横槍に、ソンジュンは声を強めた。
「これは、僕とキム・ユンシクの問題です」
一旦泣き止んだと思われたユニは、また目に涙を溜めて、ソンジュンを睨んだ。
女人が一人?侍女もいたのに。
「彼女、ね。・・・ずいぶん親しいんだね」
「親しくない」
「君たち、とても似合ってると思うよ」
「僕はなんとも思ってない」
どうしてこうなるんだ。
僕はただ、早く君に笑って欲しいだけ。
ヒョウンなんて、君と僕の間に、何の関係もないじゃないか。
ヨンハが「カラン、全く飲んでないな」と酒を勧めてきたが、荒れているユニを前にそんな気が起きるはずもない。
ソンジュンは、自分の杯を手で覆った。




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【作品名】犬も食わない

【テーマ】 成均館スキャンダル二次小説  ソンジュン×ユニ 

2014/01/17 Fri. 10:40  tb: 0   コメント: 0

【成均館 二次小説】犬も食わない - 最終話  

成均館スキャンダル連載

その後は、ふたりとも言葉が続かなかった。
気まずい空気に耐え切れずに先に立ち上がったのは、ユニだった。
「申し訳ありませんが、僕は先に帰ります」
一人になりたい。
他の三人に何か言う隙を与えず、ユニは店を後にした。
「待て、俺も一緒に・・・」
立ち上がったジェシンを、ソンジュンが制した。
「僕が行きますから、コロ先輩はご心配なく」

キム・ユンシクは僕のものです。

そう言っているも同然だ。
こんな風に言い切れる強さに、負けたのだろうか。
「俺が帰るまでにどうにかしろ。うんざりだ」
ジェシンは、ソンジュンの手を乱暴に払った。



「行かないでくれ」
ソンジュンが傍にいることに気付いても、ユニは速度をゆるめない。
ユニの背中に呼びかけられたその声は、悲痛な空気をまとっていた。
ソンジュンから逃げているユニの両足を、いとも簡単にその場に縛り付けるぐらいに。
ユニは、弁明を続けるソンジュンから逃げたかった。
幼稚な感情で彼を責める自分からも逃げたかった。
「キム・ユンシク」
傷ついたのはこっち。なのに、なぜ、こんなに悲しげな声で自分を呼ぶのか。ユニは俯いた。
頑ななユニの正面に回り、ソンジュンは言葉を続ける。
「僕は、兵曹判書の令嬢より、君と語り合いたい」
兵曹判書の令嬢より。その言葉でユニは顔を上げた。
「その・・・僕も、君と出かけることを楽しみにしてたんだ」
ソンジュンは、ユニの肩に手をかけようと右手を上げたが、その手はユニの肩に触れることなく、下ろされた。
気安く触ってはいけない気がした。
しかし同時に、ジェシンがいとも簡単にユニに触れたことが思い出された。
彼がたやすくやってのけているのに、自分は躊躇していることが悔しかった。
「だから、一緒に行ってくれないか」
ソンジュンは、一歩前に進み、自分よりも一回り小さな左手を、肩に触れることが出来なかった右手で包みこんだ。
「うん」
ユニは、ぎゅっと握り返した。
友情でいい、ソンジュンの一番にして欲しい。
でも、ソンジュンがくれた言葉も、じゅうぶん贅沢。
月に照らされて出来たふたりの影は、ユニが思い描いたように、仲睦まじく並んだ。



酒屋では、ヨンハが先ほどから耐えていた笑いを一気に爆発させていた。
「あいつらは、自分たちが痴話喧嘩をしてるっていう自覚が皆無だ」
「男同士の喧嘩を痴話喧嘩とは言わないだろ」
ヨンハは、扇子でジェシンの顎を下から数回はたいた。
「テムルも切ないけど、お前も切ないな」
「何の話だ」
ヨンハはそれには答えず、ジェシンに酒を注いでやる。
「あいつら、仲直りしたかな」
「してくれないと、俺が困る」
「まぁまぁ、今夜は二人で存分に語り合おう!俺とコロの仲じゃないか」
「気色悪いことを言うな」
「えっ?俺たちの友情のどこが気色悪いんだよ」
ジェシンは、店を変えよう、と言って立ち上がった。
ヨンハも立ち上がり、そうこなくては、とジェシンの肩に腕を回した。

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原作(成均館儒生たちの日々・上 /楽天ブックス)に、「ユニがソンジュンの家を訪れる約束だったのに、芙蓉花の登場で約束が果たされなかった」というエピソードがあります。
このエピソードをヒントに、ドラマの二人だったらどんなストーリーになるだろう、と想像しながら書きました。
ちなみに、原作の二人の態度は、もう少し理性的です。少なくとも、表面上は。
ドラマのソンジュンとユニは、感情に振り回されてグダグダになっていることが多いので、こんなお話になりました。




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【テーマ】 成均館スキャンダル二次小説  ソンジュン×ユニ 

2014/01/23 Thu. 21:25  tb: 0   コメント: 4

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