芙蓉の書-成均館スキャンダル屋根部屋のプリンス3days二次小説

JYJユチョン主演の韓国ドラマドラマ「トキメキ☆成均館スキャンダル」「屋根部屋のプリンス」「スリーデイズ(3days)」の二次小説ブログです。
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【成均館 二次小説】手をつないで - 35(感謝企画)  

成均館スキャンダル連載

次の日の晩に、ソンジュンが藍色の道袍に身を固めて内房に行くと、ユニは深緑色の道袍を着て、筆を執っていた。
明日の講義の中で儒生に与える課題を忘れないように記していたのだと言う。
「明日は睡眠不足で頭が働かないよ、きっと」
視線を合わせたソンジュンとユニは、互いの固い表情に苦笑いした。
苦笑いの原因は、他でもない、あの草案だ。
ハングルで認めようと勢いづいた時には「王に挑戦できない小心者のままで、世の中を変えられるものか」と啖呵を切った。
だが、やはり、こうも喧嘩腰な内容を不躾に渡した後に――実際には、チョン博士に、だが、博士が執り成すような前置きを付け加えてくれたとは思えない――王に呼び出しを食らうと、いくら花の四人衆として目をかけてもらっている身でも、良からぬ将来を想像してしまう。
その恐れをユニも抱いているらしく、筆を置きぎこちなく立ち上がった際には、大きく息を吐いた。
「外に使者が沢山いるのかな」
ユニが首を傾げる。
使者に、内房から男が出て来たところを見られてはまずいのだ。ましてや、その男がキム・ユンシクだと気付かれてしまっては一大事だ。
ソンジュンは
「もう来ていると思う。僕が先に出て、彼らを門の外まで誘導するよ」
と、請け負った。



暫くは、数人の使者の後ろを黙々と歩いた。
ソンジュンとユニにとって、使者に会話を聞かれることも命取りだ。
角を右に曲がり、と思えば左に曲がり。とは言え、徒歩で移動できる範囲はたかが知れていて、この辺りは、謂わばソンジュンにとっての自庭のようなものだ。

――こんな近所に、王の隠れ家があるのだろうか。

ぐるぐると集落を歩かされて、いい加減に辟易していたところで、先頭の使者が立ち止まった。
「ご理解ください」
彼はそれだけ言うと、一本の布を取り出した。
これで目隠しをしろと、そう言っているのだ。
初めて王との密会に呼び出された時は、無理やり目を隠されたが、今は違う。
ソンジュンは、自らその布を取って目を覆う。視界が真っ暗になる寸前に、目の端で、隣のユニも目を黒い布で覆っているのを捉えた。
それからは、馬に乗せられ、ゆらゆらと揺れながら、ただ到着を待った。
振動から、足場が悪い道を進んでいることと、長い上り坂を上がっていることだけはわかったが、それ以上は耳や肌の感触を研ぎ澄ましてもわからない。
日が昇っていれば、肌に当たる日差しの暖かさで周囲を想像することも叶うのだろうが、夜の帳が下りた今は、光も音も、ソンジュンまで届かない。
あまりに上り坂が長いから、僕らは山に入っているのだろうか、とありったけの想像力をかき集めて、辺りを脳裏に思い描いたところで、馬がピタリと止まった。
「着きました」
ソンジュンは、布を両手で引き下げた。
はじめに目に入ってきたのは、強い光だ。
両班趣味とはかけ離れた、豪華絢爛な屋敷を囲む松明が、ここかしこで盛んに燃えている。
ソンジュンに続いて隣に停まった馬の上のユニは
「うわ、眩しい」
と言って、右手を目の上にかざした。
ソンジュンは、振り向いて後ろを伺った。
使者と二人の他には、誰もいない。皆が辿ったであろう道は、真っ暗で、迷い込んだら飲み込まれそうなほどの静寂が恐ろしい。
「山だ」
「うん、山だね」
視線を前に戻し、ソンジュンはつぶやく。
「山の中の、別宅か」
目隠しをしていた二人の目には眩しすぎるその屋敷の柱は、赤く塗られている。
そして、二人の到着を歓迎するかのように、松明に照らされて、赤々と輝いていた。



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【関連作品】

【作品名】手をつないで

【テーマ】 成均館スキャンダル二次小説  ソンジュン×ユニ  花の四人衆  一ヶ月感謝企画 

2017/11/08 Wed. 17:24  tb: 0   コメント: 0

ブログコメント・拍手コメントお礼  



こんにちは。
一ヶ月以上更新が途絶え、申し訳ありません。
頭の中にストーリーはあるのですが、なかなか文章にならない状態が続いていました。

さて、no music no lifeを信条としているワタクシ、野蛮なハードロックやヒップホップ一辺倒ということはありませんで、上品な音楽も聴いてはいます。今回はムーンチャイルドをご紹介したいと思います。

先日、東京の丸の内でライブが有りまして、昨年の初来日を逃している私は、年内のライブは自粛方向で過ごしていたのですが、我慢ならずに出掛けてきました。
ムーンチャイルドは三人組です。それぞれ

アンバー:
ボーカル、フルート、テナー・サックス
マックス:
キーボード、アルト・サックス、クラリネット
アンドリス:
キーボード、トランペット

どうですか。

楽器ができるミュージシャン、大好き。マルチプレイヤーはもっと好き。

を公言している私が食いつかないわけがない布陣です。
そして、ジャンルは、
ネオ・ソウル!
ディアンジェロ界隈から続く、あのジャンルです。

昨年の来日の様子。
ボーカルの声が、柔らかくて、これぞ癒やしです。

ムーンチャイルドは、ジャズの文脈で語られることも多く、確かに、ライブではジャズ濃度が高いのですが、基本はR&B(ネオ・ソウル)だと、私は、感じております。
ボーカルスタイルは、ジャズ寄りです。
昔から、ジャズとヒップホップ、ジャズとR&Bのクロスオーバーが好物だった私のツボを、突いて突いて突きまくってくれるバンドです。
ムーンチャイルドがディアンジェロを語るインタビュー動画もyoutubeで発見したので、あとで再生しなくちゃ!
他にご紹介できる動画はないかしら、と彷徨っていたましたら、ボーカルのアンバーが、ソロデビューしたようです。
これ、ムーンチャイルドの活動が鈍ったりしないのかな。どきどき。バンドあるある的な。
でも、今夜聴こう!楽しみー。
アンバーは、彼らの音楽そのまま、柔らかい雰囲気の素敵な女性でした。
かわいかったなー。私も、アンバーのような、ふんわりキャラに生まれたい人生でした。
敢えて死語を使わせていただきたい!私、アンバーにメロメロです。

ところで、話は変わりまして、この小説を読みた過ぎます。タイトルは何だろう。
オリジナルのガンズには、ギタリストが二人いるのです。スラッシュとイジー。
ガンズのギターと言えば、スラッシュ!私も大好きです、スラッシュのギター。
でも、陰に隠れがちなイジーのギターも小粋なのですよ。中毒性があります。
感情豊かなスラッシュのギターを押しとすれば、イジーは引きの美学。
でも、妙に引っかかるリズムを刻むのです。引きなんだけれども、癖が強い。
こんな単純な言葉でしか説明できない自分の貧弱なボキャブラリーが恨めしいぐらい、イジーのギターが好きです。
↓ガンズのオリジナルギタリスト、イジーとスラッシュ
この写真、とってもかわいい、かわいい、かわいい、かわ(略
201710270.jpg
カメラマンさん、可愛く仕上げてくれて、ありがとう。
ガンズのプロモ戦略って、大抵これじゃないですか↓
悪さの演出というより、酔っ払ってて、まっすぐ座れない、が実情だと思いますが。

SLASH&IZZY 1988 1988年12月、初来日時のインタビュー記事。同年12月13日付、朝日新聞夕刊より。

増田勇一さん(@you_masuda.610219)がシェアした投稿 -


↑「私生活でもワルが売り物」と書く割には、悪いことが全く書かれていなくて、個人的にはがっかり。朝日新聞の文体で私生活の数々のエピソードを読んでみたかったですw


結局、またもやガンズで締めているわけですが、今年ガンズはデビュー30周年で、私は、30年とは言わずとも、それに近いファン歴でございまして、ましてや、今月は、イジーが半年ぶりにツイートをしましたので、浮かれています。
少なくとも来年の誕生日までツイートはないだろうと思っていましたし、直近では2013年から2016年にかけて沈黙を守っていたので、そんなペースでのんびり過ごしていた矢先の出来事です。
「たったの半年」というファンも驚愕の短いインターバルの前には、ツイートの内容なんて、なんでも良いのです。
だって、イジーが生きてるわけだし!
この日は半休で午後出勤でしたが、日本のお昼の時間にツイートがあり、危うく会社に遅刻しそうになりました。
しかも、ツイートの内容が良く、二重に喜んでおります。
日本人アーティストを紹介してくれまして。
私、初めて彼らを知ったので、全く無関係の人間ではあるものの、日本人をピックアップしてくれたので、嬉しさ倍増。
イジー、ありがとーーーー!
Youtube好きも相変わらずなようで、Youtube中毒の私は、そういう意味でも嬉しさ倍増。
ここから、私は、いつもの怒涛のイジー月間突入かと思いきや、脳が刺激を受けたのか、ずっと文章がかけなかったライターズ・ブロック?状態から一転、更新できたので、イジーおじさんの偉大さにひれ伏している次第です←
イジーおじさん、本当にありがとう。

■j******様
>おつかれさまです
>帰ってこなくていいとおもう。
>芸能界引退すればよいとおもいます。




>応援しているのではなく、憐れんでいるのではないですか?

はじめまして。
当ブログにご訪問頂きまして、ありがとうございます。
当ブログは、ユチョンの過去の作品の二次小説ブログであり、ユチョンを応援している、待っている、といったスタンスで運用しておりません。
長く当ブログに来てくださっている方は、ご存知かと思うのですが、「私が何を感じているか」を、書いたことがないのです。
当ブログ開始以来(兵役以前から)この方針を取っております。
ユチョンの過去の作品に対する敬意は表しております。
と言うのも、こちらのブログは「現実から離れて、二次小説を楽しみたい」とおっしゃってくださる方に多くご訪問頂いておりまして、私がユチョンに関する何らかの意見を書くことが、純粋な楽しみに水を差す行為だと考えているからです。
一方で、芙蓉の書に来てくださる大半の方が、ユチョンのファンでいらっしゃるので、スリーデイズの配信情報等も記事として出しています。
また、皆さまがコメントに残してくださる思いも、大切にしています。
ユチョンの復帰を待たれている方、この先はユチョンの考えに添いたい方、様々です。
「憐れむ」感情をお持ちでも、j*****様の仰るように「引退すればよい」とお考えでも、何も悪いことではないと思います。
ユチョン応援ブログではありませんが、芙蓉の書にお越しの皆さまのお気持ちに寄り添う努力はしたいと思っております。

これもまた、長く当ブログにいらっしゃる方はお気づきかと思いますが、英米ミュージシャンの記事は、ユチョン記事よりも長文で投稿していますので、このブログがユチョン応援ブログであるならば、英米ミュージシャンの応援ブログとも言えてしまう状態です。
しかし、このブログを見て、英米ミュージシャンの応援ブログとみなす方はいらっしゃらないのではないでしょうか。

さて、ご質問の「私自身が憐れんでいるかどうか」ですが、前述の英米ミュージシャンを例に、私の「芸術に対するスタンス」をご理解いただきたいと思います。
方針と違えてしまうので、ユチョンの例を敢えて避ける点も、同時にご理解ください。
これらの英米ミュージシャンと道徳観念は全く相容れませんが、私は彼らのアウトプットを心から愛しています。
逮捕された人もいますし、保護観察下に置かれた人もいます。無茶がたたって亡くなった人もいます。
自らがギャングスターで、最期は銃弾に倒れた人もいます。
亡くなってしまったことは、悲しく思いますが、憐れんだことはありません。
マスコミによる嘘の流布、罵詈雑言も酷いものですが、同様に憐れみはありません。
彼らは恋人を見せびらかします。恋人と結婚に至るか否かは、露出の有無の基準ではありません。
ミュージックビデオにも出演しています。
恋人とのSMプレイをビデオで披露したこともあります。
性行為を録音し、その本物の声がアルバムに入っています。
他にも、妻や子供がいる身でありながら、半裸のグルーピーとのいちゃつき写真、未成年を愛人にする等、比較的刺激の弱い例を選んでも、性の道徳観の不一致を強く感じずにはいられませんが、私は彼らの音楽を愛していますし、才能への尊敬の念が消えることはありません。


反社会的な行為を繰り返したミュージシャンのアウトプットを愛することが反社会的だと感じる方もいらっしゃるでしょう。
人を殺めた天才画家カラヴァッジョの21世紀現在の評価に鑑みて、私の行為は社会的なコンセンサスが取れているものと見なしております。
カラヴァッジョが生きた時代も現在も変わらず、殺人は犯罪ですので、「昔の人だから、今の価値観で判断すべきではない」と言った芸術論は当てはまりません。
また、ユチョンは法規範を逸脱していないと考えていることも、同時に明示したいと思います。

■櫻****様
ソンジュン、一人でドツボにはまっていますよねw
ドラマのソンジュンを思い浮かべながら書いています。
ドラマも大分、一人で悶々としていたようなw

■み***様
いつもありがとうございます。
頭にあるイメージを文章化するのが、最近、以前より進まないのですが、こうして文章を拾ってくださって、とても嬉しいです。

■ゴ**様
お久しぶりです♪
>下がりながらも少し進んだと思いきや
絶妙なお言葉、ありがとうございます。
書き手の私は気付いておりませんでしたが、確かに、下がりつつ上がる展開でした。

■メ*様
幸せなソンジュン!
私、ハッピーエンドが好きなので、これだけはお約束できます!

■モ****様
書き手の私の中では、当然の流れだったのですが、ヒョウンはやはり、劇物でしょうかw
ハラハラしながら、続きを楽しみにしてくだされば、書き手冥利につきます。
ありがとうございます。

■匿名様
応援ありがとうございます。
>もういい加減に告白して欲しい
そうですよね。私も、同感ですw
この愚図々々がまた、初恋に翻弄されるソンジュンらしさなのかな、と思いながら書いています。
今後も、愚図なソンジュンをよろしくお願いします。



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【関連作品】

【作品名】お礼

【テーマ】

2017/10/27 Fri. 16:23  tb: 0   コメント: 0

【成均館 二次小説】Me And Those Dreamin' Eyes of Mine - 135(パラレル)  

成均館スキャンダル連載

ドラマ版成均館スキャンダルの人物が登場する、現代パラレル二次小説です。ご注意下さい。

- - - - - - - -

ソンジュンは、二本の廊下が交差した十字路の端で、足を止めた。
ここを右に曲がれば、カフェテリアだ。
これからユニと言葉を交わすのが最後になるというのに、実感が沸かない。
まだ決心を告げていないのだからそれも当たり前なのだが、目に映るもの全ての輪郭がぼやけている。
耳に入る英語も、水の中でじっとしているかのように、ゆらゆらと揺れている。
学生たちは、スローモーションでソンジュンの前を横切る。
しかし同時に、ひりひりと焼け付くような喉の痛みがソンジュンを襲う。
心臓がハンマーのように肌を突き破ろうとする。
意を決して体を右に向けると、今度は息が荒くなった。
それでも進まなくてはいけない。
いつもは、もどかしく思いながら早足で歩いたこの真っ直ぐな廊下も、今日は短い。
窓ガラスはいつものように曇っているし、廊下を行き来する学生たちは、スローモーションだ。
なのに、重たい自分の足だけは、着実にカフェテリアとの距離を縮めている。



「ヒョウンさん?」
ソンジュンは、ぽかんと口を開けた。
声に出してしまったのは、存在を忘れていた人の後ろ姿を認めたからだ。
南国の花のように派手なピンク色のロングコードは、確かに仕立てが良いのかもしれないが、チェーンバッグを合わせた姿は、あまりにも仰々しい。
地味な学生が食事に勉学にと思い思いに過ごすカフェテリアにあっては、場違いも甚だしく、入り口で立ち止まったソンジュンの目に、容易に飛び込んできた。
ユニが好むカフェテリアの窓際の一角に立ったヒョウンの表情は、こちらからは伺えない。

――ヒョウンさんは、僕を待っているのだろうか。

疑問を持つまでもない。ソンジュンを待っているに決まっているのだ。
こんな時に、婚約者の権利を振りかざすつもりだろうか。
よりによって、こんな時に、ユニの前で、また無邪気にわがままを並べ立てるつもりに違いない。
彼女はこれまで、どこまでも腹立たしかった。そして今も、相も変わらず腹立たしい。
ソンジュンは、眉を顰めたまま、廊下の壁に寄りかかった。
ヒョウンに、このタイミングで事態をかき混ぜられてはたまらない。
背中を向けたヒョウンは、幸いまだソンジュンの気付いていないようだから、ユニがこのカフェテリアに来る前に、外に連れ出してしまうのが得策なんだろう。
なんと話そうか。もう僕を探しにカレッジに来ないでくれ、と言えば、彼女も多少は遠慮してくれるのだろうか。
そう言えば、昨夜からの興奮状態で、ユニに告げる言い訳も明文化していなかった。
「さようなら」はおかし過ぎる。
集中して勉強したいから会うのはやめよう、と言えば良いのだろうか。
だがこれでは、テスト後は問題ないと捉えられかねず、いかにも中途半端だ。
ユニが再び笑顔をソンジュンに向けた時、逃げ切れる気がしない。

『三十六計、逃ぐるにしかず』

よく聞くこの故事が、急に脳裏に浮かんで、ソンジュンは身体を起こした。
この故事の状況と違って、逃げ切った後に策を講じることは毛頭ないけれど、耐えられないのなら逃げて良いのだと、負け犬となったソンジュンを慰めてくれるようだった。

――さあ、もう愚図々々するのはやめて、行こう。

幸い、まだユニはカフェテリアにいないのだから、ヒョウンに帰ってくれと言ってしまって、落ち着いてユニを待つべきだ。
勉強したいから会わない、で当面は離れられるのだから、さっさとケリをつけたほうが良い。
自らを鼓舞する局面でいつもそうしているように、ソンジュンは背筋に力を入れた。
再びカフェテリアの入口をくぐる。
ヒョウンは、まだ同じ場所にいた。派手なコートは着たままで、ゴールドチェーンのバックも肩から垂らしたままで、立っている。
ソンジュンが歩を進める度に、華美な色は鮮やかさを増しているが、背をこちらに向けた彼女は、こちらの存在に気付いていない。
彼女との距離を半分縮めた辺りから、あの甲高い声も聞こえてきた。
甲高いと言うと語弊があるかもしれないが、ソンジュンにとっては耳障りなのだ。
ユニとソンジュン以外に韓国語を話す相手がこのカレッジにいる、という事実が意外で、ソンジュンは耳をそばだたせた。
「私、ソンジュン先輩が好きなんです。それに、先輩が望んでも望まなくても、私たちは結婚することになるんです。だから、先輩にとっても幸せな結婚にしたいんです。お願いです、協力してくれませんか?」
思いもよらぬセリフに、ソンジュンの全身が、硬直する。
そして、言い切って身をかがめたヒョウンの向こうに、ユニが立っていた。



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【作品名】Me And Those Dreamin' Eyes of Mine

【テーマ】 成均館スキャンダル二次小説  ソンジュン×ユニ  花の四人衆 

2017/10/25 Wed. 15:56  tb: 0   コメント: 0

【成均館 二次小説】Me And Those Dreamin' Eyes of Mine - 134(パラレル)  

成均館スキャンダル連載

ドラマ版成均館スキャンダルの人物が登場する、現代パラレル二次小説です。ご注意下さい。

- - - - - - - -

冷たい朝靄は、唯でさえ鬱々としたソンジュンの気分に追い打ちをかけた。
今日は取り立てて天気が重々しい。ポケットに手を突っ込むと、自然に背中も丸まる。
ユニが乗るバスを避けて、学校までの数キロを歩き出したものの、自らが設定した時限爆弾が頭の中で規則正しく時を刻んでいるせいで、足を動かすのが億劫だ。
今日の昼食の時間を過ぎたら、もう、ユニと会うこともなくなる。
顎先を覆う紺色のマフラーとも、これでお別れだ。
ユニが見立ててくれたこのマフラーを一日も欠かさず使っていたけれど、帰り道では巻かないつもりだ。
ソンジュンは、わざと顎を引いた。
少し毛羽立ったウールの毛先が、肌に当たる。
鼻のてっぺんも、毛先の刺激でこそばゆいが、思い切り息を吸い込んだ。ユニの匂いがするわけでもないのに。

―僕の世界から、ユニはいなくなる。

それでも、学問の海を泳ぎ回ることさえ止めなければ何も怖くないのだと言い聞かせることが出来る自分は、幸せ者なんだろう。
己がつくづく学問人間だと痛感するのは、こんな時だ。どんなに気が滅入っていようとも、本を開けばその世界に没頭できるのだから。




午前の講義は、教授の話に耳を傾け、ノートを取り、を繰り返した。
「今教授が話しているこの解説は、ユニが喜びそうな話だ」と思う瞬間もなかったとは言わないが、殆どの時間は、純粋に学問と向き合った。
そう、殆どの時間は、没頭できたのだ。
ソンジュンとユニの友情は、そもそもが学問が仲立ちだったから、当然といえば当然なのかもしれないが、その「ふと思う」が、頻繁にやって来た。
その度に、こんなことでは駄目だと自らを鼓舞して、教科書に戻る。
認めたくはないが、学問は、ユニの存在感を引き立たせるだけだ。
今朝、学問があれば何も怖くないと思い込んでいた自分は、なんと愚かだったことか。
こんなにも己の世界はユニで溢れているのだ。
それでも、今朝の決心を曲げてはならない。

―こんな恋は、不毛だ。
―カナダに来た目的は勉学であって、恋愛ではない。

呪文のように唱えて深呼吸した後に、教授の声に意識を移す。
身体を捩った瞬間に、バッグの中に入れたサンドイッチの紙袋が、かさりと音を立てた。
ホストマザーは、今朝もいつもと変わらず、ユニに喜んでもらうつもりでこのサンドイッチを作ったはずだ。
それにユニも、今日も弁当を用意しているとメッセージに書いていた。
彼女がサンドイッチを食べることはもうないし、ソンジュンが弁当を食べる機会も、この先、訪れることはないだろう。
生活の至る所に散りばめられたユニの名残を一つずつ潰していくこの行為は、まるで、確認作業のようだ。
学問はそれなりに助けにはなっているけれど、散開した意識を一本に纏めるほどの吸引力は、残念ながら、持ち合わせてはいなかった。
それがまた、ソンジュンの未熟さを際立たせた。



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2017/09/20 Wed. 16:13  tb: 0   コメント: 1

【ユチョン】主演ドラマ・匂いを見る少女が無料配信されます♪  



201709150.jpg
>>匂いを見る少女 (コンプリート・シンプルDVD-BOX 3936円! amazon
>>匂いを見る少女 <コンプリート・シンプルDVD-BOX> [ パク・ユチョン ] 楽天books

久しぶりに、イッキ見したいです。
このドラマは、音楽も、可愛らしかったですよね。



9/18(月)より、Gyao!にて、無料配信が始まります。
Gyao!は、今、屋根部屋のプリンス、スリーデイズも無料配信していますし、ユチョンワールドに浸れますよ♪

長らくお話の更新が滞っておりますが、只今、パラレルの続きを書いています。
次回のお話の更新は、パラレルになりそうです。
辛抱強くお付き合いいただければ、うれしいです。ごめんなさい。



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【テーマ】 ユチョン 

2017/09/15 Fri. 15:32  tb: 0   コメント: 0

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